特集 今こそ老健での作業療法—地域包括ケア時代にOTの可能性を広げよう
コラム:介護老人保健施設における作業療法への期待
森岡 久尚
1
1厚生労働省老健局老人保健課
pp.830-831
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200307
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介護老人保健施設(以下,老健施設)は,リハをはじめとする医療や介護等を提供することにより,入所者が自立した日常生活を営むことができるようにする施設である.地域包括ケアシステムにおいては,在宅復帰,在宅療養支援の拠点となる重要な施設であると考えられている.
老健施設は,全国で約4,000あり,約35万床のケアを提供している.2012年度(平成24年度)介護報酬改定では,在宅復帰率50%以上等の要件を満たす施設が算定できる在宅強化型基本施設サービス費(在宅強化型以外の通常型基本施設サービス費と比べて5%程度高い)と,在宅復帰率30%以上等の要件を満たす施設が算定できる在宅復帰・在宅療養支援機能加算(21単位)が設定された.算定の状況は,在宅強化型が8.7%,加算を取得した施設(加算型)が16.7%にとどまっているが,その割合は増加傾向を示している.老健施設の在宅復帰支援機能は徐々に高まっており,地域包括ケアシステムにおいて,必要不可欠な役割を担いつつあるといえる.
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