Japanese
English
症例報告
手指の等尺性収縮運動での機能訓練を実施し手内在筋筋力の向上と巧緻動作能力の向上に至った頸髄損傷の1例
A case report of a patient with spinal cord injury in which functional training using isometric contraction exercises of the fingers led to improvement in the strength of the intrinsic muscles of the hand and improvement in dexterity movement ability
御子柴 大地
1
,
田原 正俊
1
Daichi Mikoshiba
1
,
Masatoshi Tahara
1
1済生会東神奈川リハビリテーション病院
キーワード:
上肢運動麻痺
,
巧緻動作
,
ロボット療法
Keyword:
上肢運動麻痺
,
巧緻動作
,
ロボット療法
pp.83-87
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590010083
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Abstract:手指巧緻動作能力の低下は日常生活における諸活動に制限を与え,生活の質の低下を招く可能性があるものの,手指の運動麻痺における巧緻動作に焦点を当てた訓練方法の報告はわずかな例にとどまる.今回,中心性頸髄損傷により,手内在筋の筋力低下,手指の巧緻性の低下によりADLでの右上肢の使用に困難さを認めた事例に対して,希望であった箸操作,書字の遂行能力の向上を作業療法の目標に,手指機能訓練支援ロボットであるAMADEO®を使用した手指の等尺性収縮運動での訓練と,上肢近位部の筋力強化訓練を実施した.1カ月の介入の結果,簡易上肢機能検査が78点から94点となり,カナダ作業遂行測定での箸操作や書字の満足度と遂行度の向上を認めた.本介入によりAMADEO®で手指の等尺性運動を用いた訓練が手内在筋の機能向上に寄与し,手指の巧緻性,箸操作と書字の遂行能力の向上につながったと考えられ,反復的な手指の等尺性運動が手指の機能訓練に有用であることが示唆された.
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