●「考える内視鏡診断」のポイント
・大腸鋸歯状病変は大きくHP,TSA,SSA/P(またはSSL)に分類される.
・HP,TSAは左側結腸に,SSA/Pは右側結腸に存在する傾向がある.
・HPはMVHP,GCHPの2型に亜分類されている.
・TSAは松毬状,枝サンゴ状の隆起型と二段隆起型の2種類の形態がある.
・SSA/P発見のポイントは粘液付着であり,存在を疑った場合は水洗しすぎないようにする.
・SSA/Pの範囲診断にはインジゴカルミン撒布による色素内視鏡観察が有用である.
・SSA/Pに発赤,隆起した領域を認めた場合は,病理組織学的に変化している可能性を考える.
・SSA/Pは癌化する可能性があることを念頭に置き,必要があれば拡大内視鏡で詳細に観察する.
・判断に迷う病変は無理に分類せず,改めて再検討する機会を残しておくことも有用である.