看護学雑誌 30巻11号 (1966年11月)

看護の潮 夜間の看護

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 武蔵野赤十字病院で実施した勤務体制について申し上げます。

 看護婦が夜勤のない勤め先へ流れていく傾向は当院でも見られました。そこで昨年の看護婦の目標の一つに,夜勤問題を取り上げて,深夜の交代をなくすこと,夜勤の回数を少なくすることについて,看護業務委員会で検討を始めました。夜勤回数を少なくするには,看護要員を増すことが,最も手っ取り早く,かつ勤務員の健康管理上からもよいことは,今さら申すまでもありませんが,全国的な看護婦の不足から新採用が困難なので,現在の看護要員のままで,夜中の交代をなくし,しかも夜勤の回数を減少させるにはどうしたらよいかということについて研究,討議したわけです。

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 先般,人事院のほうから,夜勤の回数,あるいは1人夜勤は云々というような判定が出されましたが,これは全国の病院に相当の波紋を投げかけたと思います。この問題をどうしたらよいかということから,一つの案を試みました。

専門夜勤看護婦 湯本 きみ
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 聖路加国際病院で専任夜勤看護取締(聖路加国際病院では,婦長は1名で,病棟婦長はなく,その代わりに看護取締という名称になっている。)がいつごろから,あったかということは,はっきりした記録はありませんが,私が昭和の初め,学生で夜勤の実習をしていたころからありました。そのころは看護婦の勤務時間も長く,夜勤看護婦は夜の7時から翌朝7時までという,12時間にわたった勤務をしていたわけです。しかもこれを4週間継続します。当時は夜勤婦長が1名で十分にそれを全うしたわけですが,戦後はいろいろと病院の改革がありまして,看護婦の勤務時間は3交代で1日8時間と大きく変化しました。夜勤看護取締の勤務時間は,午後4時から12時,12時から翌8時までという交代勤務になりました。週1回の休日,または有給休暇などは,各病棟看護取締と主任看護婦の一部のものが,これを代行いたします。

 夜勤看護業務は患者を静かに寝かせることと,患者の安全を守ることですが,このほかに患者はいろいろの苦痛や,不安の状態を訴えて,ときにはまた,そのほかに昼間と同じように継続して処置を行なったり,観察をしなければならない,また測定をするなどということがありますので,一般に病室が静かになるのは,だいたい10時以後になります。

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 夜の看護が当事者だけでなくて,広くジャーナリズムにまで取り上げられるようになったのは,例の38年でしたか,全日本国立医療労働組合が人事院に提訴した行政措置要求の4項目によるようです。これらは昔から当事者の間ではくすぶっていた問題でして,管理者側としては,おもに経済的な理由から手がつけにくいと,またナース自身の側からは,臨床看護には夜勤というものは付きものだというあきらめがあって,長い間抜本的な改革がみられずに現在に至ったようです。

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 夜間看護の必要を完全に否定しえぬものならば,逆にそれを,できるだけ合理化する必要が出てくる。しかし合理化の基準をどこにおくか。労働衛生からみた,科学的な資料による根拠を追求する。

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 臨床現場から視線を移し,一方行政の場で,この問題はどう処理されているのか。本年3月26日に行なわれた第51回国会の参院予算委員会における田中寿美子議員の政府追求の模様をみてみよう。

看護婦の夜間勤務と疲労度 東 義晴
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はじめに

 本来なら人びとの休む時間,または寝ている時間に働くということは,実際に働かなくても考えただけで疲れるような気がするし,つくづく大変なことだなあと思う。だからそんな時間に働かなくてすむようにするのがいちばんよいのだが,看護婦という職務ではそれが許されない。だとすれば最も疲れ方の少ない,特に蓄積疲労(たとえば日曜日に十分休養をとったあとの月曜日にはスッキリとして疲れを感じなくとも日を追って疲労が蓄積して土曜日の勤務前にはすでに相当作業を行なった程度に疲れが残っている)が最少であるような方法を考えなければならない。これがわれわれ病院において,看護婦の夜間勤務と疲労の問題に取り組み始めた最大の理由であるが,その他に次のようなことがある。

 (1)全国的な看護婦絶対数の不足は,実際問題として近い将来3交替も不可能になるのではないか。

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ものを考える立場

 看護婦の労働条件を改善する運動のたかまりは戦後の組合活動によって全寮制を撤廃させ,通勤結婚,出産の自由を拡大し既婚者が42%を占めるようになってきた現実も加わって,当然「夜間労働」を基本的な問題点としてうきぼりにした。しかし「夜勤があるから看護婦が集まらない,だから夜勤を何とかしなければ」とか「今のままでも時間制度をやりくりすることによって何とか解決するのではないか」というようなあまい考え方では決して事態が改善されるものではない。それは姑息的な「やりくり」にみんなの眼を向けさせ,低医療費政策に協力させる結果となる。したがってあくまで医療の本質に根ざし,患者と看護婦を中心にした立場からこの問題を考えねばならない。

日本看護史の旅・11

大阪城(大阪) 石原 明
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 慶長19年(1614)11月,徳川家康は豊臣一族の勢力を弱めるため,世に有名な“大阪冬の陣”をおこした。翌月和約が成立したが,約に背いて徳川勢は外堀を埋めてしまった。その他違約が重なったので,大いに怒った豊臣方は背水の陣をしいて翌年3月に事をおこし,5月には決戦体制になっていわゆる“大阪夏の陣”がおこった。結果は木村重成わずか21歳で,また軍師の其田幸村は46歳の男盛りで戦死し,片桐且元は病床に伏して63歳の生涯を閉じるというように,さしも金城鉄壁を誇った名城も陥落して豊臣氏はここに滅びた。350年後の今もなお,大阪城は石垣と井戸に昔の面影をとどめて“つわものどもの夢”を伝えている。両戦争のありさまは彦根の井伊家に伝わる“彦根屏風”(重文),東北の最上家に伝わった“最上屏風”(原物は焼失)によって詳しく知ることができる。

 武士道がまだすたれていないころなので,戦友の仲間同志は5人1組となって互いに助け合い,受傷者を城中の安全な場所に運びこむと,そのあとは御殿女中を中心とした篤志看護婦が治療をした。いま大阪城の天守閣前にある“金明水”(その昔黄金の大判を投じて金イオンによる消毒をした井戸)は,両陣の時に負傷者の局所を洗い,気付薬をせんじた水に使われたことであろう。

ナースのための臨床薬理

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 そもそも化学療法のはじめはEhrlich—奏らのサルヴァルサンにしても,Schulemanらのプラスモヒンにしても,Domagkらの赤色プロンドジールに出発したFourneauらのサルファ剤にしても,いずれもひとが考え,つくり出した化学物質によるものであった。ついでFlemmingがペニシリンを発見し,それが製剤化されるに至って,化学療法の中心は,かびという微生物由来の化学物質を利用する抗生物質がその中心となった。

 今日ではおびただしい種類の抗生物質がとり出され,将来もこの抗生物質が化学療法の主役を占めていくことは疑いのないところであろう。ところが最近になって,新しい抗生物質をみつけ出すことの他に,それを利用して別個の新しい化学療法剤につくりかえたり,あるいは本来の化学療法剤に還って,すべてひと産生の化学療法剤で抗生物質に劣らない化学療法物質がつくられるようになった。

看護の椅子

看護婦さんのこと 有馬 頼義
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 本誌の昨年12月号のこの欄に,武者小路実篤先生がお書きになった文章を読んで,ひどくびっくりした。先生は謂わば私の師と仰ぐ方だが,80年間,一度も看護婦さんの世話になったことがないという。もともと御丈夫であることは知っていたが,全く驚いたというほかはない。

 私の,50年に近い半生で,身辺に,看護婦さんのいなかった時は,無かったといっていいだろう。厳密にいえば,時間単位には,そういうことはなかった筈だが,感じとしては,そうなのであった。私は子供の頃病弱であった。私の家は比較的豊かな生活をしていたから,ちょっと病気になったりすると,医者の命令で派出看護婦会から誰かがやってきて私の生活を監視するのが常であった。しかし,感じとして,私が50年近い歳月を,看護婦さんと一緒に暮してきたように思うのは,ほかにも事情がある。私の母は,私を生んでから殆んど死ぬまで寝たり起きたりであったし,私の兄もぜんそくで,40歳で死ぬまで,看護婦さんがついていた。だから,私自身についてではなく,私の家に,看護婦さんが,いつもいた,といった方が正しい。

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 進学コースが発足して10年たった。准看護婦から看護婦への道をひういたこの措置,現在続々と誕生しつつある状況をみても,いかに准看諸姉が熱望していたものかを物語る。看護分野のなかで准看という位置が現在の医療の世界でどれほどの矛盾をはらむ姿であるか。進学コースを希望する准看護婦一人ひとりの胸にきざまれている。

 まだまだ数少ないといわれる2年課程高看学院は,しかし恵まれた教育の場には程遠い。教育環境・設備,また学生生活,教務の先生や学生たちそれそれに悩みも多いと聞く。だがそうした限られた条件のなか,しかも最大限に教育効果を,看護学生としての人間形成を拡大しようと試みているのが実状であろう。関東労災病院付属高看学院に,その進学コースとして傾けられている教育努力をみよう。

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 近年外科手術において,麻酔,手術手技などの進歩にともない,私どもも,ますます多くの手術器械を整備,管理しなければならなくなってきた。ここに発表する井口式血管吻合器も,外科,婦人科,泌尿器科など,多くの分野において使用されるようになってきており,今後もいっそう,その使用頻度は増加するものと思われる。この血管吻合器は,従来の手術器械に比べると特殊なものであるので,その取扱いがむずかしいが,私ども手術部の看護婦によって,使用後に一定の手順によって清拭され,点検され,整備されていつでも出動可能の状態で格納されていなければならない。私は血管吻合器は航空機にもたとえられるように思う。整備が完全であって,はじめて,安全,便利に活用できるのである。本文は,手術部勤務の私が,井口式血管吻合器を日ごろ整備している体験を記したものであるが,この分野の職域にある方々にご参考になれば幸いである。

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 東欧諸国では医療装置・器具などの研究,改良がさかんに行なわれ,なかには近々量産に移されるものもあり,注目されています。今月はチェコ・東ドイツ・ポーランドの3か国で進められているものをご紹介いたします。

Medical Topics

薬の広告,他 Q
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 昭和38年,総理府広報室の調査によると,“広告といったときに思い浮べるものは?”の解答の第1位は薬であった。薬の広告費は業種別には第3位であるため,一応の効果をあげていることになる。昭和40年度には,生産額の約8%が広告費にあてられている。

 薬の広告には“適正広告基準”が設けられているが,きわどいところの取り締まりはなかなか困難で,取り締まりの人手も不足している。メーカーの良心と消費者の知恵が最終的を決め手になるというのが現状である。

医療リサーチ

ガン対策の二つの疑問 水野 肇
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ガンスローガンの改正を

 9月と10月は,日本のあちこちで「ガン征圧月間」が展開されている。ガンの早期発見—早期治療が訴えられ,多彩な催しが行なわれている。

 ここ数年来,ガンの早期発見は,力強く訴えつづけられてきた。その甲斐があって,国民の間には,ずい分と浸透した。

クリニックからの発言

気のふさぐとき 浦田 卓
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 浮世に身すぎをしていると,ときどき無性に腹が立ってきて,気のふさぐときがあるものです。人間は生まれつき一卵性双生児をのぞくと,ぜんぶ遺伝子の構成がちがっていますし,そのうえ,生まれて以来育った環境もまたみなちがっています。で,物に対する感受性もちがえば,考え方もちがうわけで,したがって,意見の衝突もおきれば,それがもとで利害関係もえてして衝突しがちです。気のふさぐ原因は,おそらくこんなところにあるのではないでしょうか。

看護英会話

DENTISTRY 赤松 隆
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◇ 口腔内およびそれに付随した部分の疾患の診断・治療には,医師,ことにoral surgery(口腔外科)を専門とするものと,dentist(歯科医)との密接な協力が,多くの病院で得られています。またdentistも,数本以上のtooth extraction(抜歯)を行なうとき,dental abscessのscraping(そうは)などを行なうときには,患者を自分のcontactを有する病院に入院させて,麻酔専門医によって全身麻酔をかけてもらうことが多いようです。これは患者の疼痛に対する恐怖をさけるという目的のほかに,局所麻酔剤によって引き起こる可能性のあるcomplication(合併症),たとえばconvulsion(けいれん)や,shockの防止の意味もあるわけです。

 次の会話は歯科医を受診した患者が,抜歯をするようにいわれているところです。

連載 ナースのための心理学入門 総論・2

第1章 欲求と無意識 高木 隆郎
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1.環境への適応

 生体(有機体,organism)は自己をとりまく環境と相互的な作用をいとなみながら,その生命現象を維持しつづけています。たとえば,1本の草木でも,肥料とか栄養とかいわれる有機・無機の化合物(酸素や水なども含めて)を吸収し,しかも一定の温度や採光条件の範囲内で,成育,開花,結実という過程をたどっていることは申すまでもありません。それら無数の条件のうち,どの一つが欠けても発育は不健康になり,ときには枯死するかもしれません。そして,緑色植物なら光のエネルギーによって空気中から摂取した炭酸ガスと,根から吸収した水分とで炭水化物を合成するといういわゆる同化作用の一方,これは同時に酸素を外気に放出するという作用も営んでいるわけで,たんに,環境《から》の働きかけをうけるだけではなく環境《への》働きかけも行なっているのです。

 動物ではこの生体側からの環境への働きかけがいっそう積極的かつ動的になり,たとえば昆虫や鳥の巣づくりにみられるように,周囲の環境を自分で加工したりします。まして,人間のばあいには広い意味での思想とか宗教とか,教育,政治など一般に《文化》と呼ばれるものによって,人間が人間の社会自身,あるいはその文化自身をも変革しようという,より複雑な形をとります。

医学と看護11月のテーマ

乳癌 泉雄 勝
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 乳癌は乳腺という表在性臓器に発生する腫瘍であるので,その発見,診断が比較的容易であり,またその治療成績も他臓器の癌のそれに比べれば,比較的良好であるとされている。しかしながらよいとはいっても,最もよい成績をあげているところでもたかだか5年生存率で70%どまりであり,最近の本邦大病院における平均的5年生存率(門馬,1965の調査による)では55%という成績で,あんがいよくないのに驚かされる。しかし,他の癌と同様乳癌においても,これら治療成績の向上を目指して幾多の努力は現在なされつつあるわけである。

 本稿では紙数の関係もあるので,主として乳癌に対する外科的治療の原則と,最近における問題点などについて述べることとする。

乳癌手術の看護 根岸 登志子
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はじめに

 乳癌の症例に数多く接し,看護するものとして乳腺は胸壁皮下にある表在性臓器であり,その切除手術は体壁外の侵襲であって,生命維持に大なる影響を及ぼすものではないが,女性の象徴ともいうべき乳房の切除は,精神的にきわめて負担であり,その術後に瘢痕の醜形を残したり,上腕の機能障害を残したりするので,術後看護の重要性を考え述べてみることにする。

Nursing Study

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I.緒言

 外傷および腫瘍を含めて当外科病棟においても頭部の外科患者を扱うことが多くなってきたが,最近脳腫瘍の中でも非常に珍しいとされている脳結核患者を看護する機会を持つことができた。一方,交通機関の発達に伴い交通事故による頭部外傷患者が増加の一途をたどっている現在,われわれ看護に従事する者としても脳外科の看護は今後ますます重要視されるべきものと考えられる。この意味においてこの症例についての報告を行なうことにしたが,何らかの参考になれば幸いと思う。

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 数年前,当院の婦長会議の席上,一婦長によって,科学的な考え方に基づいた氷嚢法覆いのデモンストレーションが行なわれた。その考え方に基づいて,さっそく実験(氷の溶解時間,患者の快・不快など)を試みたが,確かに効果的方法と思われるため,当内科では,スタッフ全員にとり入れるよう指導した。当時細かい数字による実験は行ない得なかったが,たまたま実習に回ってきた看護学生3名(2年生)にこの話をし,理解させ,実習の導入とした。以下3名の学生で行なった氷罨法覆いの仕方により水分湿潤度がいかに異なるかを,数字で表わした実験結果をのべる。

看護□臨床検査

十二指腸液検査 小酒井 望
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 十二指腸液検査は肝臓,胆のう,胆道,膵臓の病気の場合に行なわれる。十二指腸ゾンデを飲ませて,その先端を十二指腸に達せしめ,十二指腸液を採取するのであるが,採取する液は主として十二指腸内へ流入した胆汁である。そしてまた胆汁排泄促進剤をゾンデを通して十二指腸内へ注入し,十二指腸内へ流入して来た胆汁を採取するのである。したがって十二指腸液検査は胆のう,胆道の病気を疑う場合には,欠かすことのできない検査である。

看護□整形外科

器具・用具 園部 梅 , 越智 美津子
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 ステッキ,松葉杖,歩行器,車椅子などと同時に,これらのものがスムーズに使える状態をも合わせて考え,ベッド,病室,廊下のあり方についてのべてみようと思います。

 当病院は,総ベッド数513で,整形外科として,おおよそ,その1/3を占め,またその中の33ベッドを整形的リハビリテーション病棟として運営されております。

看護□社会学

職場の管理(1) 杉 政孝
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○医師は看護婦の管理者ではない

 看護婦の職場活動の管理をめぐって,管理組織および管理内容についての多少の混乱や誤解があるので,今回はそれについて簡単に整理してみよう。

 まず,管理組織の形態論についていえば,看護婦の職場集団の管理者がだれであるかの考え方において,あいまいな点がある。看護婦の職場集団の管理者は婦長である。そのことについての疑義はだれにもあるまい。しかし,そのほかに,医師および主任看護婦の役割を考えた場合に,これらの人が看護婦にとって管理者であるかどうかについては,必ずしも一定したイメージがあるといえないのではあるまいか。

看護□話し方

肯定的な言い方 千名 裕
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心理的なパイプ

 患者に注意をあたえるような場合,とかく「だめじゃありませんか」「こんなことぐらい,わからないんですか」「わからない方ですね,あなたは」といったような言い方になりがちなものです。

 このような言い方を否定的な言い方といいますが,否定的な言い方は,多くの場合,相手から反発されることになり,効果があがりません。

看護キャンパス

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敗戦後の一大決心

 敗戦による空しさを傷痍軍人慰問などでまぎらせていた私は,このような状態のままで教育の場にあることも心苦しく,これではいけない,何とか前向きで生きていかねばならないと思い始めていた。

 ちょうどその頃,新聞の求人欄に「進駐軍病院に日本人看護婦を求む」という一文が目についた。

カンボジア看護紀行・8

“所変われば…”の話 手柴 房子
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■看護婦・助手・クーリー・家族の役割

 “所変われば品変わる”と申しますが,服装も異なれば看護の性質も日本の看護婦さんとは相当の開きがあるように見受けられます。日本的に看護婦と申しますと,ドクターの診療介助も一つの仕事ではありますが,それよりも患者さん中心のお世話,いわゆる看護が主な仕事目的だと思いますが,カンボヂアの看護婦(夫)さんは,社会的身分も高いせいもあるのでしょうが,看護といえば診療が主な仕事のようです。バッタンバンの州立病院の例をみますと,ベッド数約150床,外来患者1日平均200〜300人といいますのに,ドクターは3人しかいず,いったいどのようにしてこれだけ多人数の患者を診るのかと思いましたら,外来診療は看護夫が行なっているとのことで,どうしても彼らの手に負えない場合のみドクターに回すのだそうです。それでは患者の看護はと申しますと,それは付添っている家族の役目です。これは彼らの習慣でもあるのでしょうが,患者1人が来院するのに,2〜3人の付添いがついて来るようです。入院ともなりますと大変な騒ぎで,家族をあげて鍋釜,むしろ,枕などを含め,家材道具すべてを持込むのではないかと思われるほどの大移動です。そして1つのベッドに2人寝ている風景はごくあたり前のようです。処置をする前にどちらが患者さんかを確かめてから始めなければならない始末です。

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 看護教育が学校教育法にのせられていくべきだということは長い間唱えられてきた私ども看護関係者の宿願であったわけだが,神奈川県に二俣川高校が設立され発足して以来3年の間に52校というめざましい増設をみるに至った。こうした全国的動向が看護婦の資格としてみる場合は必ずしも全面的に好ましい姿とばかりはいえないまでも,学校教育の中に姿を現わしはじめたということは一つの進歩であり,引きつづきその上に短大または大学が考えられていくことも必然のことであろう。折しも文部省より3年課程看護学校教授要目案が打ち出されたことは,いよいよ学校教育法の軌道にさしかかったものとみてわれわれ関係者は大きな関心をもって注目させられたのである。そこでこの看護学校教授要目案について少しく私見を述べてみたいと思う。

 まず①全体的考え方として……看護学総論と成人看護学,小児看護学,母性看護学というように4大分類したということはそしてその分類のしかた等については,まことにみごとな分類法だったと思う。母性看護学について考えてみると,今まで産婦人科看護法としてあったものが産科は母性に,婦人科は成人看護の中に包含され分類されるようになったこと,このことも教授上はっきり区分されてやりやすいと思う。なぜかといえば,従来,母性衛生として考えられるものが婦人科領域においてふれることが多く,産科との区別について明瞭を欠いた点が少なくなかった。

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 8月の看護界は相ついで発表された看護教育の新しいカリキュラム,文部・厚生両省によるその内容の講習会や研究会に明け暮れしたといってもよいだろう。

 その一つ,厚生省が開催した幹部講習会(専任教員)に集まった全国各地の教務主任の先生方の顔ぶれに,遠く沖縄の那覇・胡坐両看護学校の2先生をみつけた。

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—1輪の花のかわりに

 ほめ言葉の花束に埋まっているところに,みずからも,さらに一輪さし加えたいときほど,ためらわれることはあるまい。年とともに,新鮮な花束がふえているところには,なおさらである。ここにひとつの花束がある。「青い鳥」の作者メーテルリンクの贈ったものである。

 「この『嵐が丘』の恋人の狂おしさを,じつに堂々たる自信をもって絶対に緻密に,絶対にあやまちなく,確実に描く,またかの女は,その矛盾の諸相──苦悩を生む親愛,歓喜を呼ぶ残酷性,死にあこがれる法悦,生にしがみつく絶望,相慕う反発,相はじく思慕,憎しみにみちた愛恋,愛情の重さによろめく憎悪を見つめる。」

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晩婚の友はよそおい若くして寡婦吾に云う言葉も甘し

 〔評〕人生の明と暗とを詠み分けた佳作。晩婚であれば友の喜びは一入深いのである。寡婦のきびしい生活にある作者に語る言葉もおのずから甘いのである。表現もなめらかに詠み上げてある。

付録

看護手順 精神科/脳神経外科
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作業療法

基本情報

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看護学雑誌
30巻11号 (1966年11月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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