かたらい
助産婦の立場から新カリキュラムを考える
藤田 八千代
1
1神奈川県立母子保健センター
pp.125
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912949
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看護教育が学校教育法にのせられていくべきだということは長い間唱えられてきた私ども看護関係者の宿願であったわけだが,神奈川県に二俣川高校が設立され発足して以来3年の間に52校というめざましい増設をみるに至った。こうした全国的動向が看護婦の資格としてみる場合は必ずしも全面的に好ましい姿とばかりはいえないまでも,学校教育の中に姿を現わしはじめたということは一つの進歩であり,引きつづきその上に短大または大学が考えられていくことも必然のことであろう。折しも文部省より3年課程看護学校教授要目案が打ち出されたことは,いよいよ学校教育法の軌道にさしかかったものとみてわれわれ関係者は大きな関心をもって注目させられたのである。そこでこの看護学校教授要目案について少しく私見を述べてみたいと思う。
まず①全体的考え方として……看護学総論と成人看護学,小児看護学,母性看護学というように4大分類したということはそしてその分類のしかた等については,まことにみごとな分類法だったと思う。母性看護学について考えてみると,今まで産婦人科看護法としてあったものが産科は母性に,婦人科は成人看護の中に包含され分類されるようになったこと,このことも教授上はっきり区分されてやりやすいと思う。なぜかといえば,従来,母性衛生として考えられるものが婦人科領域においてふれることが多く,産科との区別について明瞭を欠いた点が少なくなかった。
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