世界の女姓
エミリ・ブロンテ—不朽の名作「嵐が丘」の著者
大野 昌彦
1
1和洋女子大学付属国府台女子高校
pp.128-129
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912951
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—1輪の花のかわりに
ほめ言葉の花束に埋まっているところに,みずからも,さらに一輪さし加えたいときほど,ためらわれることはあるまい。年とともに,新鮮な花束がふえているところには,なおさらである。ここにひとつの花束がある。「青い鳥」の作者メーテルリンクの贈ったものである。
「この『嵐が丘』の恋人の狂おしさを,じつに堂々たる自信をもって絶対に緻密に,絶対にあやまちなく,確実に描く,またかの女は,その矛盾の諸相──苦悩を生む親愛,歓喜を呼ぶ残酷性,死にあこがれる法悦,生にしがみつく絶望,相慕う反発,相はじく思慕,憎しみにみちた愛恋,愛情の重さによろめく憎悪を見つめる。」
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