医学と看護11月のテーマ
乳癌
泉雄 勝
1
1群馬大学・藤森外科
pp.47-51
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912932
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乳癌は乳腺という表在性臓器に発生する腫瘍であるので,その発見,診断が比較的容易であり,またその治療成績も他臓器の癌のそれに比べれば,比較的良好であるとされている。しかしながらよいとはいっても,最もよい成績をあげているところでもたかだか5年生存率で70%どまりであり,最近の本邦大病院における平均的5年生存率(門馬,1965の調査による)では55%という成績で,あんがいよくないのに驚かされる。しかし,他の癌と同様乳癌においても,これら治療成績の向上を目指して幾多の努力は現在なされつつあるわけである。
本稿では紙数の関係もあるので,主として乳癌に対する外科的治療の原則と,最近における問題点などについて述べることとする。
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