皮膚科の臨床 61巻11号 (2019年10月)

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65歳,女性。8年前より下腿に圧痛を伴う紅斑や潰瘍を繰り返していた。初診時,両下腿に拇指頭大までの浸潤を触れる紅斑局面が散在し,一部で潰瘍を伴っていた。生検像で脂肪組織に類上皮細胞肉芽腫を認めた。CTで肺門リンパ節の腫大,ガリウムシンチグラフィで肺への集積,縦隔・肺門部のリンパ節生検で類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断した。3カ月後に左下腿に紫紅色斑が新生した。再生検像では,真皮下層の血管壁に連続して類上皮細胞肉芽腫,血管壁に組織球の浸潤とフィブリンの析出がみられ,サルコイド血管炎と考えた。報告例のまとめから,潰瘍を伴った肉芽腫性血管炎では大型血管炎の併発が推測され,留意が必要と考えた。

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80歳,女性。10カ月前から左下肢に索状に配列した潰瘍が出現した。潰瘍の辺縁は皮下硬結を伴う淡褐色局面を呈していた。生検にて類上皮肉芽腫を認めた。アンギオテンシン変換酵素と可溶性インターロイキン2受容体の上昇があり,潰瘍を生じたリポイド類壊死様皮疹を呈したサルコイドーシスと診断した。局所治療として抗潰瘍薬,ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏には反応しなかった。ステロイド内服を開始したが上皮化はみられず,メトトレキサートは消化器症状の副作用のため内服困難であった。潰瘍部分の疼痛が強く,生活の質(QOL)の低下があった。シクロスポリン投与開始2カ月頃から徐々に肉芽が形成され,投与4カ月後に上皮化した。難治性の潰瘍型皮膚サルコイドに対して治療法は確立されていないが,自験例のようにQOLが著しく低下する場合にはシクロスポリンも一方法であると考えられる。

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65歳,女性。4年前より左耳前部に紅斑が出現した。近医皮膚科でステロイド外用を開始されるも難治であった。生検で真皮内に類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスの疑いで精査・加療目的に当科を紹介受診した。初診時,左耳前部に鱗屑を付す4×5cm大の円板状紅斑,耳介部に潰瘍形成,頭頂部に15×20mm大の瘢痕様紅斑を認めた。単純CTで両側縦隔リンパ節に加え,両鼠径リンパ節など全身のリンパ節腫脹を認めた。皮膚生検,鼠径リンパ節生検,気管支鏡検査でいずれも非乾酪性肉芽腫を認めたため,サルコイドーシスと確定診断した。自験例は感染症との鑑別を要する非典型的臨床像であったが,鼠径リンパ節生検により診断を裏づけることができた。また,Th2優位に移行した成熟期のサルコイドーシスであったと推測する。

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64歳,男性。非活動性B型肝炎ウイルスキャリア。初診時,扁平隆起する紅色小結節が頸部,腰背部,両前腕,両下腿に多発集簇していた。病理組織像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった。HBs抗原陽性,HBe抗体陽性。眼底検査で網脈絡膜萎縮を認めた。結節型皮膚サルコイド,眼サルコイドーシスと診断した。初診2カ月後,顔面にびまん浸潤型サルコイドと考えられる暗紅色斑が出現した。核酸アナログを併用してプレドニゾロン15mg内服を開始し,皮疹は軽快した。自験例ではB型肝炎ウイルスに対するTh1反応の活性化がサルコイドーシスの肉芽腫形成を誘導した可能性がある。B型肝炎ウイルスキャリアにステロイドを全身投与する場合,ウイルス再活性化防止対策が必要である。

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6歳,男児。4歳時より1型糖尿病に対して当院小児科でインスリン治療中である。5カ月前より右足外側に赤褐色の丘疹がみられ,次第に遠心性に拡大した。初診時,右足外側に19×14mm大の浸潤を触れる暗赤色調の紅色局面があり,辺縁に5×5mm,高さ2mmの弾性軟の結節がみられた。超音波検査で真皮内に,形状不整で境界不明瞭,内部エコーが不均一なモザイクエコー状の腫瘤性病変がみられた。病理像から環状肉芽腫(GA)と診断した。GAの典型的エコー像とは異なっており,今後病理像との関連を多数例で検討したい。1型糖尿病患児でのGA発症例の報告は少なく,まれと考え報告した。

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70歳,女性。7カ月前より左前腕に瘙痒を伴う環状の紅斑が出現した。経過観察,ステロイド外用で改善に乏しく,体幹・四肢に拡大した。病理組織にて真皮に膠原線維の変性,ムチンの沈着があり,その周囲をリンパ球,類上皮細胞,多核巨細胞,線維芽細胞が取り囲んでおり,汎発性環状肉芽腫と診断した。ステロイド外用の継続およびトラニラスト内服にて増大傾向であり,ナローバンドUVB照射で一時改善傾向がみられた。その後拡大したため,クラリスロマイシンの内服を開始したところ皮疹は改善傾向を認めた。難治性の汎発性環状肉芽腫ではマクロライド系抗菌薬も治療選択肢の1つと考えられる。

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現病歴 2年ほど前から,特に誘引なく,陰茎基部に自覚症状のない腫瘤性病変が出現した。病変は腫脹・軽快を繰り返し,次第に増大したため,近医皮膚科を受診した。精査・加療を目的に当科を紹介受診した。

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53歳,男性。幼少期より上半身に皮下結節が多発し,11年前より拡大した。同時期に肝内多発腫瘤,強膜炎,多発性骨髄腫を指摘された。4カ月前より労作時呼吸苦が出現し,心不全と診断された際に,皮疹の精査で当科を初診した。体幹と上肢に拇指頭大の皮下結節と,鶏卵大までの中央が潰瘍化した黄褐色局面が多発し,両眼瞼に黄褐色斑がみられた。特徴的な病理組織像を総合して,類壊死性黄色肉芽腫と診断した。心不全の治療と併行してプレドニゾロン30mg内服を開始し,皮疹は平坦化した。内服量を漸減するも再燃はなく,有効な治療と考えた。

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30歳,男性。10年前に施術した両上腕の刺青部周囲の発赤,腫脹と発熱が出現し当科を受診した。蜂窩織炎の診断でレボフロキサシン(クラビット®)を処方し症状は改善したが,その2週間後に発熱と両上腕,右肩,前胸部の刺青部に隆起と周囲の発赤が出現したため精査加療目的で当科に入院した。病理組織学的には,真皮内に黒色色素顆粒が散在し,類上皮細胞肉芽腫像があり,tattoo granulomaと診断した。近年,肉芽腫性病変の発症要因の一つとしてアクネ菌が指摘されている。自験例は,皮疹が痤瘡の好発部位や多数回刺青針を刺入している黒色調の強い部位に一致していることから,tattoo granulomaとアクネ菌の関連が示唆された。

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私は凡人である。いや,もしかすると凡人以下かもしれない。思えば,子どもの頃から授業の内容を完全に理解できたことなど一度もなかったし,今でも専門外の講演を拝聴するとまったくついていけないことがしばしばある。大学を卒業して皮膚科医になったときは,皮膚科学の知識・技能ともに同期の誰よりも習得するのが遅かったと記憶している。さらには極度の「びびり症」で,人前で話をするのが大嫌いである。44歳になった現在でも,座長や講演の演者を務める際には,緊張のあまり声が上ずったり滑舌が悪くなったりしてしまう。きっと,退官するまで生放送のウェブセミナーの講師を引き受けることはないであろう。英語だって苦手だ。私は4年間にわたり米国に留学する機会に恵まれたが,お世辞にも流暢に英会話などできない。現在の日本の皮膚科の教授陣のなかで,能力の低さという点では私が唯一無二の存在であろうと自負している。ということで,「私のような平凡な人間でも教授になれる場合もあるので若手医師の皆さんも頑張ってください」という結語で締めたいところだが,まだまだ指定された文字数に到達しない(つまり文才もない)ので,もう少しだけ読んでいただきたい。

Clinicolor

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現病歴 生下時より右下腿伸側に皮膚腫瘤を認め,運動時に局所多汗を自覚していた。放置していたが,腫瘤は成長に伴い緩やかに増大した。手術加療を希望され,当科を受診した。

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2016年に金沢医科大学病院皮膚科を受診した新規の皮膚真菌症患者の調査を行った。皮膚真菌症の初診新患患者は332名で,そのうち白癬は303名,男女比は1.64であった。病型の内訳では足白癬226例,爪白癬154例,体部白癬29例,手白癬8例,股部白癬4例,頭部白癬1例であった(重複例,ならびに後にScopulariopsis症と判定した3例を含む)。皮膚・粘膜カンジダ症は23名であった。この期間中の培養陽性率は足白癬64.6%,爪白癬34.9%で,足白癬,爪白癬におけるTrichophytonT.rubrumT. interdigitaleの比はそれぞれ1.1,0.91であった。T. interdigitaleの割合が高かったのは,superficial white onychomycosisを意識して診断したためと考えた。深在性真菌症はExophiala属による黒色真菌症を2例認めた。

Dr.斎田の皮膚科診断講座

Dr.斎田の皮膚科診断講座(34) 斎田 俊明
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症例情報 20歳代後半の女性。四肢・体幹に紅色の丘疹〜小結節が散在し,一部は厚い痂皮を付しており,新旧皮疹が混在する。病歴の詳細は不明。下肢の皮疹の生検組織所見を図1〜4に示す。

ちょっと一息 医局ラウンジ

第22回 岡山大学
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2018年7月に森実教授が就任し,沢山の新入局員を迎え医局は若返りと活気に満ち溢れています♪

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58歳,女性。犬に引っかかれた4日後に外傷部位である額部とその近傍の眼囲に疼痛を伴う浸潤性紅斑,微熱,倦怠感が出現した。末梢血好中球増多,浸潤性紅斑の病理組織学的所見で真皮に好中球浸潤を認め,Sweet syndromeと診断し,ステロイド内服で治癒した。その直後から口内炎と微熱,2カ月半後に下肢に結節性紅斑を認め,本症をSweet syndromeとBehçet病疑いの合併と診断した。Sweet syndromeが外傷から発症した報告はこれまで1例のみである。またSweet syndromeかSweet syndrome様皮疹と,Behçet病かBehçet病様皮疹の両者を含む報告25例中,合併は12例,Behçet病にSweet syndrome様皮疹を伴った報告は12例であった。両者の合併か,他者に類似した疾患を伴った単独疾患かの区別は難しいと思われる。

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38歳,女性。うつ病のためラモトリギン内服開始13日後に発熱,咽頭痛,口腔内および手掌に皮疹が出現した。翌日体幹・四肢に紅斑,丘疹が拡大し当科を紹介受診した。口唇・口腔内のびらん,眼球結膜充血,外陰部紅斑を認め,Stevens-Johnson症候群と診断した。ラモトリギンを中止し,プレドニゾロン1mg/kg/日投与で皮疹および粘膜症状は改善した。自験例では眼合併症との関連が指摘されているHLA-A02:06が検出された。

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77歳,男性。肺癌に対しニボルマブによる化学療法を開始された。2年経過後,略全身に厚い鱗屑を伴う紅斑が出現し,ニボルマブ中止後も遷延した。病理組織学的に表皮突起の延長と,角層内の好中球浸潤がみられ,ニボルマブによる乾癬様皮疹と考えた。ステロイド,ビタミンD3での外用加療を開始したが症状の改善はなく,エトレチナート内服を追加した。効果はみられたが副作用のため,減量を余儀なくされた。ステロイド内服を併用し継続加療したところ,皮疹は徐々に軽快傾向となり,ニボルマブ中止7カ月後に皮疹は略治した。近年ニボルマブを含む免疫チェックポイント阻害薬は適応拡大に伴い使用される例が増加している。免疫関連有害事象は薬剤中止後も長期にわたって持続することがあり注意が必要である。

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23歳,女性。2カ月前より左上腕に誘因なく圧痛を伴う発赤,腫脹が出現した。穿刺や抗菌薬投与で改善なく当科を受診した。初診時,左上腕外側に鶏卵大の紫斑と腫脹がみられ,紫斑部に波動を触知した。穿刺にて漿液性の血液を混じた黄色の排液がみられた。各種培養検査は陰性。超音波検査にて皮下に囊腫様の液体貯留を認め,MRIでは明らかな腫瘍性病変や血管奇形はなかった。その後も腫脹を繰り返し,初診より1カ月後に自壊した。病理組織像では真皮から皮下に好中球主体の密な炎症細胞浸潤があり,壊疽性膿皮症と診断した。自験例は診断に苦慮した症例であったが,近年皮下膿瘍を初発とする壊疽性膿皮症が報告されていることから鑑別に入れておくべきと考えた。

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69歳,男性。アトピー性皮膚炎として他院皮膚科で加療されていたが,3週間前より体幹・四肢に浸潤を触れる紫紅色紅斑が出現し,拡大した。末梢血好酸球数は経過中最大で20万近くまで増加し,組織学的には真皮全層性に稠密な好酸球浸潤を認めた。未知の遺伝子異常を背景とした原発性好酸球増多症と考え,プレドニゾロン,ヒドロキシカルバミド,シタラビンの投与を行った。紅斑の軽快,末梢血好酸球数減少を認めたが,経過中早期に多発性脳梗塞を合併し死亡した。皮疹,好酸球増多を呈する疾患の鑑別は多岐にわたる。末梢血好酸球数の異常増多がある場合,好酸球による臓器障害に常に注意を払い,迅速に精査・加療を行う必要がある。

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70歳,男性。1カ月前に後頭部の皮疹を自覚後,顔面に腫脹が出現し当科を受診した。初診時,全身の浮腫と膿疱を伴う壊死性痂皮を付着させた紅斑が散在し,末梢血好酸球数の著明な増多がみられた。経過中,好酸球数の増多が持続し,四肢を主体に発赤,腫脹が生じた。病理組織像では,真皮での著明な浮腫と多数の好酸球浸潤,flame figureの形成が認められた。病理組織学的所見,臨床像よりWells症候群と診断した。精査にて進行性胃癌の合併がみつかった。胃癌の治療後に好酸球数の減少とともに瘙痒,皮疹がほぼ消失し,自験例におけるWells症候群の発症,悪化に胃癌との関連性が示唆された。

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53歳,男性。3カ月前から陰囊の結節を自覚し,徐々に増大してきたため当科を受診した。陰囊右側に1cm大の桑の実様で表面紅色調の有茎性結節がみられた。ダーモスコピーでは乳頭状を呈しており,乳頭は白色に縁取られ,乳頭内は紅色調であった。病理組織学的には乳頭腫症と真皮乳頭部の血管増生と拡張,細胞質が豊富な組織球様細胞が浸潤していた。組織球様細胞はSudan Ⅲ染色,CD68染色でともに陽性であり泡沫細胞であった。以上よりverruciform xanthomaと診断した。陰囊発症例では血流がうっ滞しやすいことから左側に多いとされているが,本邦報告例の集計では陰囊発症例には左右差はなかった。側面発症例が多いことから,本症は慢性的な外的刺激により発症すると推察された。

Stucco Keratosisの1例 大原 香子
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83歳,男性。足爪の肥厚白濁で受診の際に,足背に多発する白色角化性丘疹に気づき,皮膚生検を行った。病理組織学的に角質層は突出した形で著しく増殖,表皮はchurch spire状を示し,真皮上層に細胞浸潤はなくstucco keratosisと診断した。本邦ではこれまで,stucco keratosisの報告は17例と少ない。自験例を加えた18例について検討を行った。男性が8割弱と多く,発症平均年齢は68歳,足背発症が9割弱を占めた。発症の原因は不明だが,皮膚の乾燥や機械的刺激が考えられる。Hyperkeratosis lenticularis perstansとの鑑別は,年齢,臨床所見などの類似点が多く,病理組織学的所見が重要と考える。治療は尿素軟膏,ビタミンD3の外用,エトレチナート内服が有効である。

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34歳,女性。生下時より右下腿伸側に皮膚腫瘤を認めていた。放置していたが,腫瘤は成長に伴い緩やかに増大した。手術加療を希望され,当科を受診した。初診時,右下腿伸側に3.5×3.5cm大,黄色調で表面に血管怒張を伴う弾性軟の皮膚腫瘤を認めた。腫瘤に一致して局所多汗を認めた。真皮中層から深層にかけてエクリン汗腺,小血管の増生を認め,eccrine angiomatous hamartomaと診断した。患者の希望があり全切除した。本症の2018年2月までの自験例を含む本邦報告例を検討した結果,若年者の四肢に好発し,疼痛や局所多汗・多毛を伴う腫瘤・結節を呈する症例が多く,自験例もそれに合致していた。

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45歳,男性。5年前から右下腿伸側に自覚症状のない結節を自覚しており,切除目的で受診した。右下腿伸側に淡紅褐色調で表面平滑,ドーム状に隆起する弾性軟の皮内結節を認めた。自覚症状はなかった。粉瘤を疑い全摘除した。病理組織学的に,腫瘍の境界は不明瞭で真皮中層から下層にエクリン汗腺の増生と,その周囲に微小血管の増生を認めた。以上の所見よりeccrine angiomatous hamartoma(EAH)と診断した。EAHの肉眼的所見は多彩であり,自験例のように自覚症状を伴わない場合は病理学的所見により診断される。EAHは比較的若年者が多いが,自験例は40歳頃に発症したものと考えられ,反復的な外的刺激の関与が推測される。

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68歳,女性。7年前に両側乳癌を切除し,右側はestrogen receptor(ER)陽性,左側はER陰性であった。1年前に両眼瞼に潮紅が出現し,当科受診時には硬結も伴い開眼しにくくなっていた。造影MRIで左右の眼窩に不整形の腫瘤を認め,増強効果がみられた。病理組織では真皮内に腫瘍細胞が浸潤し,乳癌でみられるGCDFP-15と34βE12が陽性であったが,ERは陰性であった。検査結果から左乳癌の眼瞼・眼窩転移と診断した。化学療法を開始し眼瞼の硬結は改善した。眼瞼や眼窩転移はQOLを低下させる場合があり,皮膚生検やMRIなどで精査し早期に治療介入することが望まれる。

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42歳,女性。右腋窩と左乳房に発症した乳腺線維腺腫の症例を経験した。右腋窩皮下腫瘤は,病理組織学的には全周性に線維性被膜で包まれたmyxomatousな間質を伴う異型に乏しい腺管と間質細胞の増生を認める腫瘍であった。免疫組織学的検討では,腫瘍内部と腫瘍を覆う被膜外で増生していた腺組織がepithelial membrane antigenとサイトケラチン7で陽性を示したが,gross cystic disease fluid protein-15(GCDFP-15)では陰性であったため正常乳腺組織であると診断した。腋窩は乳腺堤線(milk line)上に位置しているため,腫瘤周囲で増生していた腺組織は腋窩副乳であり,腫瘤は副乳由来の乳腺線維腺腫と診断した。加えて,左乳房からも針生検で乳腺線維腺腫が診断された。腋窩は副乳や副乳由来の腫瘍性病変が皮下腫瘍として生じる可能性がある部位である。その鑑別にはアポクリン腺を染色するGCDFP-15を用いた免疫組織化学染色が有用である。

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83歳,女性。1カ月前から頸部正中に拇指頭大の皮下結節が出現した。皮膚生検にて真皮に肉芽腫性炎症を認め,組織培養でMycobacterium chelonaeが検出された。11カ月間クラリスロマイシンとレボフロキサシンの内服を行い,皮疹は縮小したが,軽度の浸潤が残存した。残存する結節の再生検・再培養で抗酸菌は検出されず,組織は瘢痕であった。治癒したと判断し,その後,抗菌薬投与はせずに経過観察としているが,皮疹の再燃はない。症状が固定した後の治癒判定には再生検・再培養が重要であることをあらためて認識した。

憧鉄雑感

第91回 外来管理加算 安部 正敏
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保険点数とは誠に難解な制度であり,患者は勿論医師側も完全に理解するのは至難の業である。なかでも“加算”の項目は,その用語が如何にも利潤追求のようで患者にすこぶる評判が悪い。「外来管理加算」など,時に余分な金はビタ一文払わぬ! との決意の勇者に問い正されることもある。当方は決して悪事を行っておらず正当な診療であるが,さりとて「アナタのような方に“外来管理加算”が何たるかを説明する時間の対価です」など,禅問答よろしく煙に巻くこともできず大変である。

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現病歴 2018年3月に前医で足爪白癬と診断され,エフィナコナゾール外用液(クレナフィン®爪外用液10%)を右第1趾爪に外用開始した。6月上旬に右第1趾爪周囲に皮疹が出現しオキシドールで自己消毒したが軽快せず,その後他院でルリコナゾール外用液に処方を変更されたが改善しなかったため,6月下旬当科を紹介受診した。

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現病歴 化膿性脊椎炎の治療目的でミノサイクリン塩酸塩200mg/日を1年半にわたり内服していた。2カ月前に全身瘙痒感を認め,近医で抗ヒスタミン薬を処方されたが無効で,1カ月前より顔面が褐色調に変化し,徐々に全身へ拡大したため当科を紹介受診した。

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現病歴 幼少時より前胸部中央に皮下結節を自覚していた。徐々に増大したため,摘出を希望し当科を受診した。

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現病歴 3カ月前から,右内果に3cm大の弾性硬な皮下腫瘤を自覚し,当科を受診した。

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目次

英文目次

著作財産権譲渡同意書

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Information

次号予告

編集後記

基本情報

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皮膚科の臨床
61巻11号 (2019年10月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0018-1404 金原出版

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