Japanese
English
症例
皮下膿瘍が先行した壊疽性膿皮症
Pyoderma Gangrenosum Preceded by Subcutaneous Abscess
井上 里佳
1
,
鑑 慎司
1
,
日野 治子
1
Rika INOUE
1
,
Shinji KAGAMI
1
,
Haruko HINO
1
1関東中央病院,皮膚科(主任:鑑 慎司部長)
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
皮下膿瘍
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
皮下膿瘍
pp.1671-1675
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001634
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23歳,女性。2カ月前より左上腕に誘因なく圧痛を伴う発赤,腫脹が出現した。穿刺や抗菌薬投与で改善なく当科を受診した。初診時,左上腕外側に鶏卵大の紫斑と腫脹がみられ,紫斑部に波動を触知した。穿刺にて漿液性の血液を混じた黄色の排液がみられた。各種培養検査は陰性。超音波検査にて皮下に囊腫様の液体貯留を認め,MRIでは明らかな腫瘍性病変や血管奇形はなかった。その後も腫脹を繰り返し,初診より1カ月後に自壊した。病理組織像では真皮から皮下に好中球主体の密な炎症細胞浸潤があり,壊疽性膿皮症と診断した。自験例は診断に苦慮した症例であったが,近年皮下膿瘍を初発とする壊疽性膿皮症が報告されていることから鑑別に入れておくべきと考えた。
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