Japanese
English
症例
右腋窩皮下に発症した乳腺線維腺腫の1例
Fibroadenoma Mammae Arising in the Right Axillary Subcutaneous Tissue
岡田 寛文
1
,
佐藤 篤子
1
,
神谷 浩二
1
,
前川 武雄
1
,
小宮根 真弓
1
,
村田 哲
1
,
大槻 マミ太郎
1
Hirofumi OKADA
1
,
Atsuko SATO
1
,
Koji KAMIYA
1
,
Takeo MAEKAWA
1
,
Mayumi KOMINE
1
,
Satoru MURATA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
1自治医科大学附属病院,皮膚科学教室(主任:大槻マミ太郎教授)
キーワード:
乳腺線維腺腫
,
副乳
,
腋窩
,
乳腺堤線(milk line)
,
GCDFP-15染色
Keyword:
乳腺線維腺腫
,
副乳
,
腋窩
,
乳腺堤線(milk line)
,
GCDFP-15染色
pp.1709-1712
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001642
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42歳,女性。右腋窩と左乳房に発症した乳腺線維腺腫の症例を経験した。右腋窩皮下腫瘤は,病理組織学的には全周性に線維性被膜で包まれたmyxomatousな間質を伴う異型に乏しい腺管と間質細胞の増生を認める腫瘍であった。免疫組織学的検討では,腫瘍内部と腫瘍を覆う被膜外で増生していた腺組織がepithelial membrane antigenとサイトケラチン7で陽性を示したが,gross cystic disease fluid protein-15(GCDFP-15)では陰性であったため正常乳腺組織であると診断した。腋窩は乳腺堤線(milk line)上に位置しているため,腫瘤周囲で増生していた腺組織は腋窩副乳であり,腫瘤は副乳由来の乳腺線維腺腫と診断した。加えて,左乳房からも針生検で乳腺線維腺腫が診断された。腋窩は副乳や副乳由来の腫瘍性病変が皮下腫瘍として生じる可能性がある部位である。その鑑別にはアポクリン腺を染色するGCDFP-15を用いた免疫組織化学染色が有用である。
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