Japanese
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特集 肉芽腫症
難治性の潰瘍を伴ったリポイド類壊死様皮疹を呈したサルコイドーシスの1例
Sarcoidosis Mimicking Necrobiosis Lipoidica with Refractory Leg Ulcer
磯貝 理恵子
1
,
細本 宜志
1
,
吉岡 希
1
,
山田 秀和
1
Rieko ISOGAI
1
,
Takashi HOSOMOTO
1
,
Nozomi YOSHIOKA
1
,
Hidekazu YAMADA
1
1近畿大学奈良病院,皮膚科(主任:山田秀和教授)
キーワード:
サルコイドーシス
,
潰瘍型皮膚サルコイド
,
リポイド類壊死様皮疹
,
メトトレキサート
,
シクロスポリン
Keyword:
サルコイドーシス
,
潰瘍型皮膚サルコイド
,
リポイド類壊死様皮疹
,
メトトレキサート
,
シクロスポリン
pp.1605-1609
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001618
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80歳,女性。10カ月前から左下肢に索状に配列した潰瘍が出現した。潰瘍の辺縁は皮下硬結を伴う淡褐色局面を呈していた。生検にて類上皮肉芽腫を認めた。アンギオテンシン変換酵素と可溶性インターロイキン2受容体の上昇があり,潰瘍を生じたリポイド類壊死様皮疹を呈したサルコイドーシスと診断した。局所治療として抗潰瘍薬,ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏には反応しなかった。ステロイド内服を開始したが上皮化はみられず,メトトレキサートは消化器症状の副作用のため内服困難であった。潰瘍部分の疼痛が強く,生活の質(QOL)の低下があった。シクロスポリン投与開始2カ月頃から徐々に肉芽が形成され,投与4カ月後に上皮化した。難治性の潰瘍型皮膚サルコイドに対して治療法は確立されていないが,自験例のようにQOLが著しく低下する場合にはシクロスポリンも一方法であると考えられる。
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