総合診療 29巻8号 (2019年8月)

特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール

徳田 安春
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 テクノロジーの発達によって、さまざまな検体検査や画像検査が開発され、臨床現場で使用されるようになりました。これらによって正確かつ早期の診断が可能となり、適切な治療介入につながることで、多くの病気において患者さんのアウトカムを改善することが可能になりました。

 しかし一方で、検査や画像には「落とし穴」も潜んでいます。ターゲットとする疾患や病態への感度と特異度、検査タイミングによる正確度の低下、読影医師の要因による見逃し、誰にでも見逃されやすい所見など、検査や所見に付随するざまざまな要因によるトラブルが、現場で散見されています。

 現場の医療者が、検査や画像の限界についての確かな知識と最新のエビデンスを得て、日常検査と画像に潜むピットフォールに陥らないよう、本特集を企画しました。

*今回、画像では見逃しが問題となる胸部単純とCTを取り上げ、エコーやMRIは割愛させていただいた。

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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【検査結果での落とし穴と限界】

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Case1

高感度トロポニンT上昇からNSTEMIの診断に至り、PCIを施行した1例

患者:72歳、男性

主訴:胸痛

既往歴:高血圧、脂質異常症

現病歴:来院2カ月前から階段昇降時などの労作時に軽度の胸痛を自覚していた。来院前日夜、臥床していたところ急性発症の胸骨裏の胸痛が出現、様子を見ていたがその後も症状改善なく、翌朝救急部を受診した。心電図ではⅡ、Ⅲ、aVF誘導にてST-T低下を認め、血液検査では高感度心筋トロポニンTが上昇していた。非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)の診断となり、同日準緊急でCAG(冠動脈造影)を施行、責任病変に対してPCI(経皮的冠動脈形成術)を試行した。術後経過は良好で、入院5日後退院となった。

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抗核抗体と世界のChoosing Wiselyキャンペーン

 抗核抗体(ANA)は魅力的な検査だ。世界中の臨床家が、ANAをクリックしたいという誘惑にかられている。その証拠に、Choosing WiselyキャンペーンにANAも含まれている。米国内科学会からは「ANAを検査前確率の低い集団で安易に測定しない」1)、米国リウマチ学会からは「ANAが陽性でない場合や自己免疫疾患を臨床的に疑わない時に、各種特異的なANAを検査しない」2)、というキャンペーンが張られ、結果としてANAの検査依頼の数は減少につながっている3)。米国以外でも、ANAはさまざまな国々でChoosing Wiselyキャンペーンの項目に採用されている(表1)2,4〜7)

炎症マーカー 西迫 尚
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 「CRP(C反応性蛋白)が上がっているね、抗菌薬を出しておいてよ!」。本誌を読んでいる皆さんであれば、この指示に対する違和感は一致するであろう。2000年に青木眞先生[感染症コンサルタント、サクラ精機(株)学術顧問]が「発熱、白血球・CRP上昇に対する抗菌薬の投与を、今日限りでやめよう」という言葉とともに、『レジデントのための感染症診療マニュアル』(医学書院)を上梓されて以来、ジェネラリストにとってCRPは踏み絵のような存在になっていた。それほど、CRPベースの診療は標準的であったし、現在でも多くの場で日常的に行われている。

 しかし、「CRP26だけど、全身状態も良くて身体所見上も異常がないから大丈夫!」という発言についてはどうであろう? 行き過ぎたCRP信仰の反動による“アンチCRP”とも言えそうなこのような判断にもまた違和感を感じるし、「そこには何かがある」と考えるべきであろう。いずれの台詞も、炎症マーカーの存在感の大きさを物語る事実なのである。

腫瘍マーカー 勝俣 範之
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腫瘍マーカーとは

 腫瘍マーカーとは、血液中の腫瘍に関連した物質を測ることによって、がんの診断や治療効果の判定に使おうとするものである。がんの組織標本を使って組織の中の物質を測り、がんの診断に使うものをバイオマーカーと呼び、広義の腫瘍マーカーに入るが、本稿では血液の腫瘍マーカーについて述べる。

検尿・尿電解質 上田 剛士
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Case

反復性尿路感染症が疑われる患者

患者:83歳、女性。

現病歴:糖尿病、脳梗塞の既往があり、施設入所中。尿路感染症にて入退院を繰り返している。3日前からの発熱・食欲低下を主訴に受診した。

Ⓠ尿検査では白血球エステラーゼ定性(±)、亜硝酸塩(-)でしたが(表1)、尿路感染は否定してよいでしょうか?

血清蛋白質 萩原 將太郎
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Case1

貧血と微熱を訴えた70歳女性

患者:70歳、女性。

家族歴:母親が関節リウマチ。

現病歴:2〜3カ月前から何となく体が重い感じがある。3週間程前から37℃前後の微熱があり、軽い立ちくらみを感じたり、坂道や階段ですぐ疲れてしまうようになった。また、手や膝も痛みを感じるため来院した。

 担当医が血液検査を行ったところ、Hb9.5g/dLと貧血を示しており、TP8.0g/dL、Alb3.2g/dL、蛋白分画でγ分画が高値だった。多発性骨髄腫も鑑別しようと思い、念のため免疫固定法でM蛋白の有無を調べた。すると、IgG-kappa型のM蛋白が微量に検出されたため多発性骨髄腫を強く疑い、血液内科専門医へ紹介した。

血清ビタミン濃度 篠浦 丞
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Case

患者:22歳、女性。

既往歴:うつ病(セルトラリン内服)。

現病歴:受診9カ月前より下腿浮腫、下肢から始まるしびれ(ビリビリ感)が出現、ビリビリ感はやがて上肢にも及んだ。さらにかすみ目が受診1カ月前から始まった。近医を受診しビタミンB12低値のため経口補充が行われ、血液検査上は改善していた。身体所見上四肢振動覚が低下、血液検査上貧血はないが、MCV : 101.6fL[正常値(以下、すべて):76〜100]、VB12 218pg/mL(197〜866)、葉酸5.3ng/mL(4.0〜18.7)であり、内視鏡異常なし、抗内因子抗体抗、壁細胞抗体いずれも陰性であった。四肢のしびれは持続しており、MRI(diffusionT2 FLAIR)を施行したところ頸髄〜腰髄にかけて(C2-Th11)後索側索の信号異常著明、ホモシステイン値21.3μmol/L(5〜15)、メチルマロン酸(MMA)7.8mg/g・Cr(0.9〜2.7)であった1)。神経症状とMRI異常を伴い、ホモシステイン値とMMA値上昇を呈するビタミンB12欠乏症と診断し、ビタミンB12 1mg筋注1日おきを開始、その後神経症状は軽快、MCV正常化、MRI所見も改善した。

血糖関連の検査 片岡 仁美
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 本稿では、糖尿病関連の検査として頻用されるHbA1cとCペプチドを中心に概説する。

【画像の見落としパターンと限界】

胸部単純X線写真 中島 幹男
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はじめに

 胸部X線写真は、診療所、病院などの場所を問わず、検診、救急外来、入院時のルーチンなど多くの状況で撮影されています。ところが、放射線科や呼吸器の専門医を除くと、系統的に学んだことがあるのは少数派で、何となく読める気になっている医師が多いのではないのでしょうか。

 見落としにはいくつかのパターンがあります。どんな専門医が見てもわからない陰影はさて置き、専門医が見たら容易にわかるような陰影を見落とさないような方法を、本稿では解説したいと思います。誌面の都合ですべてを網羅することはできないため、重要ポイントを3つに絞って説明していきます。さらに深く学びたい方は、見落とさないことだけにこだわった拙書1)をご参照いただければ幸いです。

脳CT・MRI画像 後藤 淳
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 脳卒中や頭痛などの診療現場で、画像診断なしでは標準的治療介入も立ちゆかない現状だが、過度に画像に依存する診療には、さまざまなピットフォールが潜んでいる1)。患者さんを守り、見逃しや読み過ぎに陥らないため、ピットフォールの特性を振り返りながら(reflection in action/on action)臨床経験を重ね、共有していく他に近道はないらしい。日頃から診療現場の心理的安全を確保しながら、救急隊員、医師、看護師、放射線技師などのチーム医療体制を育む地道な努力も、ピットフォールを回避するうえで重要である。

胸部CT画像 皿谷 健
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 胸部X線では描出されにくい所見が、胸部CTでは明らかとなる場合がある。

 本稿では、先天性疾患、悪性疾患、感染症、単発肺結節の4症例を、ピットフォールを交えながら提示したい。

腹部CT画像 松本 純一
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救急診療と画像診断(特にCT)

 1990年代後半に登場した多列検出器CT(MDCT : multidetector-row computed tomography)は、短時間で質の高い画像情報を得ることを可能とし、現在では多くの病院で導入されている。簡便に客観性の高い情報が得られることから、CTは救急診療で積極的に活用されるようになり、診断から治療法決定のプロセスにおいて重要な役割を果たしている。現在の救急診療は「画像検査に過剰依存している」とも評される状況にあると言えるが、しかし、数のみならず能力面においても人的資源が不足している救急診療において、“24時間365日”質の保たれた診療を提供し続けるためには、画像検査、特にCTをより積極的に活用せざるをえない状況は理解できる。しかしCTが多く撮られるようになれば、それだけ見落とし、見誤りの機会は増すことにもなる。

 本稿では、救急診療で腹部CTを活用する際に想定される見落とし・見誤りについて、いくつかのパターンを共有し、そのようなピットフォールに陥らないための方法を考えたい。

心電図 渡辺 重行
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 心電図を、見逃しがないように効率的に読むには、以下の手順がよい。

 1)まず、primary survey。「ぱっ!」とsurveyして、異常がなければ終わりである。スクリーニングで取った心電図ならこれで終了でよい。

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背景

 わが国においてCT、MRIなどの画像診断機器の数は、世界でも群を抜いて多いことが知られており、非常にアクセシビリティが高いと言える1)(図1)。撮影装置と新技術・撮影方法の持続的な開発のため、診断レベルも飛躍的に向上してきている。画像診断に基づいて患者のマネージメント、意思決定がなされることも多く、画像検査の件数も増加している。さらに近年では、臨床医の間ではリスク回避の気持ちや患者の検査希望もあり、画像診断の適応について十分に検討がなされないまま、“念のために”全身スクリーニングのCTやMRIを撮ってみる、という傾向も一部に認められ、わが国の画像検査数の増加に拍車をかけている。これは医療経済や無駄な被曝を避ける点から、大変重要な問題である。

 またそういった背景のなかで、近年、画像診断報告書未読の問題が発生している。従来よりも検査データ量が増加し、多忙を極める医師が、すべての画像検査の結果を把握できず、結果として患者の不利益につながったケースが報告されてきている。

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はじめに

 日常の検査と画像に潜むピットフォールとして予防医療、特にがんスクリーニング検査の国際的なエビデンスと、日本人に当てはめた場合の推奨、そしてそれぞれのスクリーニング検査に関するピットフォールについて解説する。

 具体例としては、スクリーニングの推奨度が高いが感度について十分理解されていない<大腸がん>と、海外と国内で異なる検査法が推奨されている<肺がん>、そして海外と国内で疫学が異なり日本独自のスクリーニングが求められる<胃がん>について解説する。

 国際的なエビデンスを提示する母体として、U.S. Preventive Service Task Force(USPSTF)やNational Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)などがあるが、海外のエビデンスは根拠となる臨床研究の対象として日本人が含まれていなかったり、対象疾患の疫学データが日本のものと大きく差異があったり、日本とは異なる医療制度のもとでデータ収集が行われていることがあるため、提示されたエビデンスを詳細に分析して適用する必要がある。

 本稿が、日本人による日本人のためのデータと併せて、海外の優れたエビデンスを利用できるよう情報整理する一助になれば幸いである。

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Case

患者:70歳、男性。

家族歴:特記事項なし。

現病歴:特に既往のない症状のない元気な70歳男性。定期健康診断を受診したが、血圧高値を指摘されて総合内科外来を受診した。精査を行い本態性高血圧症と診断、食事療法、運動療法で経過観察をすることとした。診察室から出る際に、「週刊誌で前立腺がんの画期的な検査としてPSA〔prostate specific antigen(前立腺特異抗原)〕が取り上げられていましたが、検査したほうがよいですか?」と質問を受けた。検査は行ったほうがよいか?

Editorial

ノーモア見逃し! 徳田 安春
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 テクノロジーの発達でさまざまな検体検査や画像検査が開発され、臨床現場に導入されるようになりました。お陰でより正確で、より早期の診断が可能になった一方で、検査や画像には「落とし穴」も潜んでいます。ターゲットとする疾患や病態への感度・特異度の低さ、検査タイミングのズレによる正確度低下、読影担当者ファクターによる見逃し、誰にでも見逃されやすい所見など、検査や所見に付随するさまざまな要因からのトラブルが、現場で散見されています。

 そこで、現場の医療者が、検査や画像の限界についての確かな知識と最新のエビデンスを得て、日常検査と画像に潜むピットフォールに陥らないように、今回「ノーモア見逃し!」の特集を企画しました。現場の医師が検査をうまく活用できるようになり、患者安全と医療の質向上に役に立つ企画となれば幸いです。

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 2019年3月2日に開催された『総合診療』プレゼンツ「平静の心」塾「こんなときオスラー」にて、『総合診療』誌初の試みとなるワークショップが開催された。参加者は、新刊『こんなときオスラー—『平静の心』を求めて』1)をテキストとし、その目次から7テーマが、各7グループ(A〜G)に割り当てられた(表1)。前々回A、B、Cチーム(本誌29巻6号pp709-718)、前回はD、Eチーム(29巻7号pp852-860)に続いて、最終回となる今月はF、Gチームの「発表&全体ディスカッション」の模様をお届けする。(編集部)

What's your diagnosis?[200]

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病歴

患者:58歳、男性

主訴:発熱

現病歴:来院4年前に糖尿病性腎症で維持透析導入となった。来院2カ月前から発熱と関節痛が出現し、近医を受診して関節リウマチが疑われた。ブシラミンが投与開始されたが、症状は改善しなかった。来院19日前に他院総合病院を紹介受診し、精査加療で入院となった。抗菌薬ピペラシリン・タゾバクタムが投与開始された。その後解熱し、関節痛が改善したために、来院9日前に退院となった。しかし退院後から微熱が再燃した。発熱と関節痛の精査目的で当科に紹介受診となった。

ROS陽性:盗汗、朝のこわばり、関節痛、瘙痒感(1年前より)、便秘(数年前より)、浮腫(数年前より)

ROS陰性:食欲低下、体重減少、顎破行、複視、視力低下、羞明、鼻水、鼻閉、咽頭痛、嚥下困難、咳嗽、胸痛、冷や汗、呼吸苦、嘔気、腹痛、下痢、血便、筋痛、Raynaud兆候

既往歴:26年前〜糖尿病、高血圧症/4年前〜末期糖尿病性腎症、維持透析導入/3年前〜甲状腺機能低下症/食物薬品アレルギー歴なし

薬剤歴:

●レボチロキシン50mg1日1回

●オルメサルタン20mg/アゼルニジピン16mg配合錠1日1回

●アロプリノール100mg2日に1回

●アレドロン酸35mg週1回

●フェキソフェナジン30mg1日1回

●ブロチゾラム0.25mg1日1回

●モサプリド1.67mg1日3回

●トリメブチンマレイン酸33.3mg1日3回

●センノシド12mg1日1回

●ルビプロストン24μg1日1回

生活歴:妻と2人暮らし、ADL自立

職業:無職

居住歴:出生も居住も大阪市内

喫煙歴:60本/日×33年(8年前に禁煙)

飲酒歴:なし

曝露歴:周囲の類症との接触なし、海外渡航歴なし、動物接触歴なし、結核曝露歴なし

みるトレ Special・32

ギャロップ音が聞こえる 笠原 敬
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患者:70歳台、男性。

現病歴:入院1カ月ほど前から、微熱や倦怠感、寝汗を自覚していた。近医を数回受診したが、いずれも感冒や上気道炎と診断され、数日間の抗菌薬や解熱鎮痛薬を処方されていた。

 入院3日前から、倦怠感の増悪と呼吸困難が出現し、体動も困難になったため、近医から当院へ紹介入院となった。心音では、拡張期逆流性雑音とⅢ音を聴取した。入院時に38℃台の発熱を認めたため採取していた血液培養が陽性になった。血液培養のグラム染色を示す(図1)。

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|胸腹痛をきたす“壁”を克服しよう・5

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Case 1

患者:73歳、女性。

主訴:両季肋部痛。

現病歴:1日前から、両側の季肋部に差し込むような痛みが繰り返し起こる。背部痛なし。発熱なし。

身体所見:季肋部に圧痛なし。皮疹なし。感覚過敏なし。

 患者は数秒だけの激しい痛みを繰り返し、デルマトームに沿った分布で説明できることから、肋間神経痛を疑いました。

指導医はスマホ!?|誰でも使えるIT-based Medicine講座・8

英語論文を簡単に読もう! 森川 暢
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 時は20XX年、IGSコーポレーションでは、研修医ロボットを開発した! その名も、成長するAI搭載型ロボット「森川くん2号」。

 森川くん2号と一緒に、ITを活用して自分をヴァージョンアップしよう!!

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・32

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CASE

患者:70歳、男性。

主訴:後頸部痛。

既往歴:高血圧、高脂血症。

アレルギー歴:特記なし。

喫煙歴:40本/日、18〜55歳。

アルコール歴:機会飲酒。

内服歴:アスピリン、ロサルタンカリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物、トリクロルメチアジド。

現病歴:高血圧、高脂血症で近医通院中。数年来の頸部痛が時折悪化することがあり、来院半年前も頸部痛の悪化で搬送歴あり。その際は頸椎X線で問題なく鎮痛薬処方帰宅となり、通院中の近医で後日頸椎MRIを施行され、「異常なし」と判断されていた。搬送約5時間前より後頸部から肩にかけての痛みが出現し、いったん改善後に再度搬送2時間前に悪化したため、深夜に救急搬送となった。疼痛の性状はgradual-onset、後頭部から肩甲間にかけてのとらえどころのない鈍痛で、圧痛は軽度であり、増悪寛解因子なし。搬送後、疼痛は軽快傾向であったが、依然としてとらえどころがなく、何度もストレッチャーから降りて立ち上がって後頸部をさすったり、両肩を動かしたりしていた。上腕・顎への放散痛なし。胸痛・呼吸苦なし。嘔気・腹痛なし。

三銃士共導法・8

魅力的なスライド作りとは? 坂本 壮
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 SNSを見ていると、たくさんの魅力的なスライドに目がとまり思わず見入ってしまう、誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。また、院内の勉強会や発表、講演や学会発表などでもスライドを作成する必要があり、パソコンの前で困った経験もあることでしょう。

 私は2018年度に、約30カ所の研修病院、その他学会や医師会、看護師向けセミナー、学生の授業、地域の方々向けに話す機会をいただきました。そのため、スライドを作成する機会は多いのが現状です。しかし、スライド作成にはあまり時間をかけないようにしています。当たり前ですが、大切なのはスライドではなく、“話す内容”や“伝え方”というプレゼン力であるからです。目標は、スライドがなくても、話によって、相手に情景や思いが適切に伝わるようになることです(そのため最近は落語をよく聴いています)。

55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・24

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 「治療学」と言うと、“therapeutics”という言葉がよく使われますが、通常これは「処方学」という意味合いが強いです。“therapeutic procedure”という言葉もあり、これは「治療的手技/処置」と訳されます。

投稿 GM Clinical Pictures

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CASE

患者:54歳、女性。

現病歴:近医で行われた血液検査で、偶然、クレアチンキナーゼ(以下CK)高値を指摘され、

精査目的で紹介された。

既往歴:本態性高血圧と逆流性食道炎に対する加療のみであり、スタチンは服用していない。

社会生活歴・家族歴:特記すべきことなし。

身体所見:バイタルサインは正常で、筋症状・皮疹は認めない。

検査所見:当院での検査でもCKは1,113IU/Lと高かったが、明らかな心電図異常や心筋逸脱酵素の上昇は認めず、血清ミオグロビン値や甲状腺機能も正常であった。

免疫阻害法によって測定されたCK-MBは1,953IU/L(175.5%)と、偽高値を示したことから、

電気泳動法によるCKアイソザイム分析を行った(図1)。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

#今月の特集関連本❷

#今月の特集関連本❸

#今月の特集関連本❹

#今月の特集関連本

#医学書院の新刊

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 本書の著者は、ただの整形外科医ではない。ただ整形外科医になりたくて、なったのではないのです。著者は、地域で役に立つ医師になるためには、内科・小児科・整形外科が必要と感じ、内科・小児科はある程度独学で勉強できると考え、師につく必要のある外科系ということで整形外科医を選ばれた。

 プライマリ・ケアの現場で一番多いのは運動器の訴えで、内科医にも整形外科の知識は必須である。ところが、既存の整形外科の教科書は膨大で、やたらと外国人の名前のついた徒手テストや所見が出てくる。覚えられない。目の前にやってくる運動器の訴えを、すべて整形外科医に丸投げするわけにもいかない。そんなジレンマのなかで仕事をしている医師は少なくないと思います。

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目次

『総合診療』編集方針
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 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2018年1月  『総合診療』編集委員会

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総合診療
29巻8号 (2019年8月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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