特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール
【画像の見落としパターンと限界】
腹部CT画像
松本 純一
1
1聖マリアンナ医科大学 救急医学 救急放射線部門
キーワード:
急性腹症
,
腹部CT
,
腸管絞扼
,
絞扼性腸閉塞
,
上腸間膜動脈塞栓症
,
急性上腸間膜動脈解離
Keyword:
急性腹症
,
腹部CT
,
腸管絞扼
,
絞扼性腸閉塞
,
上腸間膜動脈塞栓症
,
急性上腸間膜動脈解離
pp.959-963
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202210
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
救急診療と画像診断(特にCT)
1990年代後半に登場した多列検出器CT(MDCT : multidetector-row computed tomography)は、短時間で質の高い画像情報を得ることを可能とし、現在では多くの病院で導入されている。簡便に客観性の高い情報が得られることから、CTは救急診療で積極的に活用されるようになり、診断から治療法決定のプロセスにおいて重要な役割を果たしている。現在の救急診療は「画像検査に過剰依存している」とも評される状況にあると言えるが、しかし、数のみならず能力面においても人的資源が不足している救急診療において、“24時間365日”質の保たれた診療を提供し続けるためには、画像検査、特にCTをより積極的に活用せざるをえない状況は理解できる。しかしCTが多く撮られるようになれば、それだけ見落とし、見誤りの機会は増すことにもなる。
本稿では、救急診療で腹部CTを活用する際に想定される見落とし・見誤りについて、いくつかのパターンを共有し、そのようなピットフォールに陥らないための方法を考えたい。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.