特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール
【検査結果での落とし穴と限界】
血清蛋白質
萩原 將太郎
1
1東京女子医科大学血液内科
キーワード:
γグロブリン
,
急性相蛋白
,
アルブミン
,
M蛋白
Keyword:
γグロブリン
,
急性相蛋白
,
アルブミン
,
M蛋白
pp.930-933
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202203
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Case1
貧血と微熱を訴えた70歳女性
患者:70歳、女性。
家族歴:母親が関節リウマチ。
現病歴:2〜3カ月前から何となく体が重い感じがある。3週間程前から37℃前後の微熱があり、軽い立ちくらみを感じたり、坂道や階段ですぐ疲れてしまうようになった。また、手や膝も痛みを感じるため来院した。
担当医が血液検査を行ったところ、Hb9.5g/dLと貧血を示しており、TP8.0g/dL、Alb3.2g/dL、蛋白分画でγ分画が高値だった。多発性骨髄腫も鑑別しようと思い、念のため免疫固定法でM蛋白の有無を調べた。すると、IgG-kappa型のM蛋白が微量に検出されたため多発性骨髄腫を強く疑い、血液内科専門医へ紹介した。
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