特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール
【スクリーニングのエビデンス】
結局、日本人ではどうなの?—がんスクリーニング検査の国際的エビデンスと日本人に当てはめた場合の推奨とピットフォール
小嶋 一
1
1医療法人渓仁会 手稲家庭医療クリニック
キーワード:
USPSTF
,
便潜血検査
,
全大腸内視鏡
,
LDCT
,
無症候性ヘリコバクター・ピロリ感染
Keyword:
USPSTF
,
便潜血検査
,
全大腸内視鏡
,
LDCT
,
無症候性ヘリコバクター・ピロリ感染
pp.975-979
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202213
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はじめに
日常の検査と画像に潜むピットフォールとして予防医療、特にがんスクリーニング検査の国際的なエビデンスと、日本人に当てはめた場合の推奨、そしてそれぞれのスクリーニング検査に関するピットフォールについて解説する。
具体例としては、スクリーニングの推奨度が高いが感度について十分理解されていない<大腸がん>と、海外と国内で異なる検査法が推奨されている<肺がん>、そして海外と国内で疫学が異なり日本独自のスクリーニングが求められる<胃がん>について解説する。
国際的なエビデンスを提示する母体として、U.S. Preventive Service Task Force(USPSTF)やNational Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)などがあるが、海外のエビデンスは根拠となる臨床研究の対象として日本人が含まれていなかったり、対象疾患の疫学データが日本のものと大きく差異があったり、日本とは異なる医療制度のもとでデータ収集が行われていることがあるため、提示されたエビデンスを詳細に分析して適用する必要がある。
本稿が、日本人による日本人のためのデータと併せて、海外の優れたエビデンスを利用できるよう情報整理する一助になれば幸いである。
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