特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール
【検査結果での落とし穴と限界】
炎症マーカー
西迫 尚
1
1聖マリアンナ医科大学総合診療内科
キーワード:
C反応性蛋白
,
CRP
,
炎症マーカー
,
APR
,
赤血球沈降速度
,
ESR
,
プロカルシトニン
,
PCT
Keyword:
C反応性蛋白
,
CRP
,
炎症マーカー
,
APR
,
赤血球沈降速度
,
ESR
,
プロカルシトニン
,
PCT
pp.916-919
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202200
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「CRP(C反応性蛋白)が上がっているね、抗菌薬を出しておいてよ!」。本誌を読んでいる皆さんであれば、この指示に対する違和感は一致するであろう。2000年に青木眞先生[感染症コンサルタント、サクラ精機(株)学術顧問]が「発熱、白血球・CRP上昇に対する抗菌薬の投与を、今日限りでやめよう」という言葉とともに、『レジデントのための感染症診療マニュアル』(医学書院)を上梓されて以来、ジェネラリストにとってCRPは踏み絵のような存在になっていた。それほど、CRPベースの診療は標準的であったし、現在でも多くの場で日常的に行われている。
しかし、「CRP26だけど、全身状態も良くて身体所見上も異常がないから大丈夫!」という発言についてはどうであろう? 行き過ぎたCRP信仰の反動による“アンチCRP”とも言えそうなこのような判断にもまた違和感を感じるし、「そこには何かがある」と考えるべきであろう。いずれの台詞も、炎症マーカーの存在感の大きさを物語る事実なのである。
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