作業療法ジャーナル 51巻6号 (2017年6月)

特集 児童発達支援からの挑戦—子どもたちの未来に向けて

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特集にあたって

 内閣府の『平成28年版 障害者白書』によると,全国に約51万人の障害児がいるという.果たして,この子どもたちは満足に作業療法を受けることができているだろうか? あるいはOTに出会うことができているだろうか?

 児童発達支援において,近年その体系が多様化し,それに伴いOTの役割やかかわり方も大きな変化を求められている.今までのように医療機関の作業療法室に患者として訪れる子どもたちを待っているだけでは,障害児をもつ保護者や子どもたちの多様なニーズに応えきれないのではないかと考える.

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Key Questions

Q1:近年の児童発達支援事業の動向とは?

Q2:子どもたちの支援において誰もが大切にしなければならないこととは?

Q3:支援事業の真の成果が活かされるために必要なこととは?

ある保護者からのメールより

 「昨日,牧場から元気よく帰って来ました.大満足で有意義な日々だったと言っています.『先生に聞いてもらいたかったことも聞けた』と言っておりますし,牧場にあるT塾の存在にも感動を受けたようで,『高校受験前に知っていたら,僕に合っていると思うからT塾に入ったのに』とも言っていました.いろんな方々に出会い,いろんな考え方を聞き,考えることも多かったのだと思います.たくさん語ってくれた中で,『小学生のころは,普通になりたかった.けれど今は障害があってよかった.そうだったから土田先生と知り合えたから.Yさんにしてもそうだし,絶対知り合えない人たちだと思うから.それからいろんな人のことも考えることもできるようになったから』だそうです.『君は絶対人の運があると思うから,知り合う人はいい人だと母さんは思ってる』と私が言うと,『親もこの親でよかったと思うよ.普通ならきちんとしなさいとずっと言われてたと思うから』だそうです.少し嬉しい発言でした.これからも行けるときに牧場に行こうと話しました.本当にありがとうございました」

 彼とは小学校5年生からのお付き合いで,この春,地元の高校に合格したばかりである.昨年は当法人が企画した,米国のOTたちが個人事業で行っている「農場を基盤とした作業療法の場」を訪ねる旅に彼も参加していた.このメールは,OB会を兼ねて,そのときの旅の仲間と共に3日間,T塾も併設する牧場でのキャンプを行った後の感想である.

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Key Questions

Q1:発達支援分野でOTが起業する意義は?

Q2:OTが必要とされているところは?

Q3:OTが発達分野でできることは?

はじめに

 「OTによる質の高い専門的な療育を,療育を必要としている一人でも多くの子どもたちに提供する場をつくりたい」

 この目的のために,筆者は2010年(平成22年)12月,養成校の教員をしながら「株式会社 奏音(かのん)」を設立し,児童デイサービス〔2011年(平成23年)当時.現在,放課後等デイサービス・児童発達支援事業〕の開業に参画した.当時,介護保険事業で起業しているOTは多かったが,児童福祉法制度下での起業者はほとんどいなかった.内容も児童デイサービスにありがちな「預かり」ではなく,「療育」に特化したかたちであった.そして2年前には起業時の想いを貫き,地域で本領域の支援にどっぷり漬かるため,14年勤務した養成校の教員を辞め,代表取締役に就任した.

 起業して6年,弊社の歩みは,当事者である子どもたちと保護者のニーズに応えながら仕組みをつくってきた歩みでもあると自負している.そしてその歩みの中で,発達分野ではライフステージにおける連続したOTの支援や,学校や地域での場を超えた,あるいは場をつなぐ支援こそが重要であると考えるに至った.本稿では,地域におけるOTだからできる弊社での取り組み,新しいモデルへの挑戦について紹介したい.

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Key Questions

Q1:児童発達支援センターの役割は何か?

Q2:児童発達支援センターにおけるOTの役割は何か?

Q3:児童発達支援センターにおけるOTの専門性は何か?

はじめに

 2012年(平成24年)に行われた福祉の構造改革によって,それまでとは異なる風景が出現した.改革1)により,障害種別によらない支援体制が構築されたこと,「障害」と認定される前の「気になる段階」から支援が受けられるようになったこと,相談支援が必置になったこと,放課後等デイサービス,保育所等訪問支援が創設されたこと等がきっかけになっている.

 現在,日本全国で各事業所の急増等により,いくつかの問題が生じているのは事実であるが,一方でこの改革により実現されていることも数多くある.その一つが“センター”の存在である.地域における発達支援の中核としてセンターが位置づけられ,役割が明確にされた.本稿では,その地域の核であるセンターにおいて,OTが果たす役割を概観しつつ,筆者が“挑戦”していることを述べたい.

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Key Questions

Q1:重症心身障害児への支援の中で,OTは何ができるか?

Q2:デイサービスでのかかわりの実際は?

Q3:重症心身障害児支援の今後の展望と課題とは?

はじめに

 重症心身障害とは,「重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複」した状態をいい,その状態にある子どもを重症心身障害児という.また,常に医学的管理下に置かなければ,呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な障害状態にある子どもを「超重症児」という.発生原因はさまざまであり,先天的な原因の他,出生時の原因(異常分娩,低体重等)や,新生児や乳幼児期の原因(病気や事故による障害)もある.医療技術の進歩,退院支援と在宅環境の充実により,多くの児が救命され,気管切開や経管栄養,人工呼吸器等,医療的ケアを必要としたまま在宅生活に戻る児が急増している.24時間の全介助と医療的ケアが必要な在宅生活では,医師,看護師が対処する以外の時間は家族が対処している.

 今回,小児分野へのかかわり,訪問事業からデイサービス開設までを,「重症心身障がい児デイサービス あいでるーむ」の概要,実際の支援を交えて紹介する.

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Key Questions

Q1:鳥取県の地域支援の状況とは?

Q2:アウトリーチであることの特徴は?

Q3:OTに求められる能力や資質とは?

地域支援の経緯

 鳥取県作業療法士会(以下,県士会)では,作業療法啓発事業の一環として,県内小学校への支援協力〔2011〜2014年度(平成23〜26年度)〕を行った.その経緯から,2014年度に県教育委員会特別支援教育課(以下,県教委)より,特別支援学校のセンター的機能充実事業として,県立養護学校(鳥取県中部)へのOT派遣要請を受けた.

 派遣要員となったOT数名は,知識や技術の共有,支援の方向性統一を図るため事前にステップアップ研修会を行った後に訪問した.この事業でのOTによる支援は学校・保護者から好評であったが,OTは休日を利用した訪問であり,職場での業務調整が困難という問題があった.そのため,県教委は県士会に相談し,2015年度(平成27年度)は事業所への依頼形態にすることで,OTが病院業務として支援できる体制とした.また,県教委からの事前情報にて,支援対象の中に食事・口腔機能・言語機能への対応が必要なケースが推測されたため,STによる支援の必要性を県士会長が提案した.結果,依頼内容の文言が「作業療法士等」と変更され,全県域の養護学校に対して有益な支援を行える体制につながった.

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Key Questions

Q1:特別支援教育の充実にかかわる県士会活動とは?

Q2:さまざまな分野のOTが参加している長所は?

Q3:地域でのつながり作りの活動の意義と活動内容は?

はじめに

 山梨県は人口83万人の小さな県である.2009年(平成21年),山梨県作業療法士会(以下,県士会)地域リハビリテーション委員会に「特別支援教育グループ」が発足,2012年(平成24年)からは特設の「特別支援委員会」(以下,当委員会)として活動している1).当委員会の特徴は,①特別支援教育というkey wordで,発達,身体,精神の分野を超えたOTが参加している,②2013年(平成25年),県が文部科学省から委託を受けた「特別支援学校のセンター的機能充実事業」にて,支援学校に採用されたセラピストを県士会としてバックアップする役割をもつ,③OTの普及,人材育成,地域でのつながり作りを担う3つのグループが,会全体の動きを共有しながらもそれぞれ主体的に活動を展開している,の3点である.

 今回,山梨県の特別支援教育の充実にかかわって活動してきた当委員会の活動を振り返り,3グループの一つ,学齢期の地域でのつながり作りの活動を,紙幅の許すかぎり紹介したい.

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Key Questions

Q1:早期発見,早期療育はどこでできるのか?

Q2:行政作業療法士の仕事・役割とは?

Q3:どのようにしたら切れ目のない支援体制をつくれるか?

はじめに

 「先生,来年度異動はないですよね」

 年度末,保護者や関係者によくこのような声をかけられる.筆者はそれに対して笑顔で答える.

 「私は退職するまでここにいますよ」

 また,ある場面では,「先生,今日はここにいましたか.どこにでもいますよね」 それに対しても笑顔で答える.

 「次はどこで会うでしょうね.いろんなところにいますよ.嫌でしょうけれど,私とずっとお付き合いしてくださいね」

 今でこそこのような会話が自然に,笑顔で交わせるようになった.しかし,筆者がこの地を訪れた13年前は,「作業療法士? 何者?」といった状況であった.本稿を通じ,子どもたちへの切れ目のない支援体制づくりを目指すOTの取り組みを紹介したい.

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 日本にOTが誕生して,半世紀を迎えた.毎年7,000人以上のOTを目指す学生が養成校に入学し,有資格者数は8万人を超える専門職集団となった.この50年の間に,日本の社会は大きな変貌を遂げている.医学の進歩や生活環境の変化により,日本は「高齢化社会」から「高齢社会」,「超高齢社会」へと,世界でも例をみない速さで高齢化が進行していった.それに伴い,障害者の高齢化や障害の多様化・重度化が進んだ.また,日本の疾病構造は,感染症等の急性疾患から,がんや循環器疾患等の生活習慣病が基となって発症する慢性疾患の増加へと変化していった.

 作業療法学に関していえば,私が学んだ時代の身体障害作業療法学,精神障害作業療法学,発達障害作業療法学の3分野に老年期作業療法学が加わり,在宅等,医療施設以外で実践される地域作業療法学へと展開され,今後もさらに専門分化が進んでいくことが予想される.

あなたにとって作業療法とは何ですか?・第30回

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好奇心を育む!

 「人生行き当たりばったり」を座右の銘にしているくらいなので,全体的なことを考えるのは苦手な私ですが,今回のお話を機に,作業療法とは何かを考えてみました.

 いろいろ考えた末にたどり着いた結論は,作業療法とは「好奇心を育む」ことだということです.私自身は長い臨床経験から教育の世界に入り,今でも教員というよりOTであると思っています.作業療法が作業を活用してアプローチする以上は,利用者はもちろん,OTもモチベーションを上げていく必要があります.私は,モチベーションの源泉は好奇心だと思っています.

講座 リンパ浮腫と作業療法・第3回

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はじめに

 リンパ浮腫に悩む患者にとって浮腫の増悪がADLやQOLの大きな妨げとなるため,医療者は患者の状態を的確にとらえ,生活障害や心理面を含めた支援を行うことが大切である.その支援について,ADLやQOLに焦点を当てた治療や適切な予防教育をすることができるOTがかかわることの意義は高く,医療現場においてリンパ浮腫治療に対するOTの必要性が高まっている.2016年度(平成28年度)の診療報酬改定により,リンパ浮腫における複合的治療の保険適用が決定した.また日本作業療法士協会が長期にわたり渉外活動を行った結果,リンパ浮腫指導管理料の算定職種にもOTが追加され,リンパ浮腫治療においてOTが予防期から終末期にわたり包括的にかかわることができるようになった.今回,複合的治療の具体的な手段について述べる.

連載 実践!まちづくり—青年療法士まちづくり塾の挑戦・第3回

合宿の実際 その2 石浜 実花
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プログラム構成

 前回,合宿を行う意義と狙いを述べた.今回は合宿のプログラム構成を紹介したい.1日のタイムスケジュールを表に示す.プログラムは,①感じる→②表す→③知る→④つながる→⑤創造する→⑥まとめる,の順に展開するよう組み立てた.まち歩きでの五感と身体を使う情報収集から徐々に頭を使う情報処理,表出,統合へと展開する.地域の人や塾生とコミュニケーションを円滑に図りながら各段階へと進む道筋である.

連載 作業療法を深める ⑧産学官連携

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ロボティックウェアcurara®開発の経緯

 超高齢社会に突入したわが国では,医療・福祉分野をはじめとしてロボットの社会実装が求められている.労働人口の減少,医療・介護分野での人手不足,医療費や社会保障費の増大等の課題に対して,ロボット技術開発による対応が国家の成長戦略の柱1)となっていることも一つの要因である.筆者らの研究室では,10年以上前から人間装着型ロボットの制御技術の研究とその実用化に向けた取り組み2)を続けており,今後病院や介護施設でこのロボット技術を活用していきたいと考えている.本稿では,この研究開発の経緯や産学官連携に関する取り組みと,今後いっそう普及が予測されている人間装着型ロボットの将来について私見を述べたい.

 筆者らは,人間と人間の握手のように,お互いに引き込み合いながら一つの動きを生成することを,人間とロボットによって実現することを目的として,ロボットの握手制御に関する研究を2003年(平成15年)ころより開始した.その研究の中でロボットの同調制御法(人の動きに合わせて稼働するための制御法)3)を考案し,この制御法を握手という感性コミュニケーションの手段だけではなく,人間の動作を支援する技術として展開しようと考えたのが,ロボティックウェアcurara®の研究のきっかけとなった.

多職種を交えたリハビリ事例検討会・第12回

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事例提示

Aさん,60代前半,女性.要介護2,寝たきり度B2.身体障害1級(左上肢2級,右上肢3級,両下肢2級).身長:153cm,体重:57kg,BMI 24.3

性格:負けず嫌いで好き嫌いがはっきりしている.お金の使い方が大胆

家族:独居(妹がいるが疎遠.母親は有料老人ホーム入居中)

生活・職歴:高校卒業後,パート勤務.20代後半,宗教に関心をもつようになった.資産運用により,多額の貯蓄がある

病歴・入院歴:生後6カ月で脳性麻痺と診断された.約15年前に頸椎症性神経根症,頸髄症,第二腰椎破裂骨折,第四腰椎圧迫骨折,左橈骨開放骨折,右尺骨骨折(人工関節)のため入院.昨年の夏に頸髄症の症状悪化のため手術・入院.現在は脳性麻痺,頸椎症性神経根症,頸髄症,骨粗鬆症を有する

趣味:料理,ゲーム,家電.資産運用により自らの生計,母親の有料老人ホーム費用も賄っている

処方薬(朝-昼-夕-就寝前):クロナゼパム錠(抗てんかん剤)0.5mg/回0-1-0-1-0,ゾニサミド錠(抗てんかん剤)100mg/回0-1-1-1-0,プレガバリン(疼痛治療剤)75mg/回0-0-0-0-1

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 一般社団法人回復期リハビリテーション(以下,回リハ)病棟協会,第29回研究大会が,2017年2月10〜11日に広島国際会議場,広島文化交流会館にて開催されました.大会長の西広島リハビリテーション病院長,岡本隆嗣先生によりますと,近年急激な高齢化が進む中,回リハ病棟には,在宅に帰す「質」,すなわち「住み慣れた地域へソフトランディング(軟着陸)させ,その生活をできるだけ長く継続させる」ためのいっそうの努力が求められるとし,大会テーマを「レベルアップ!(リハ医療の質向上) スピードアップ!(患者改善や連携の効率向上) フォローアップ!(地域生活継続への貢献)」としたそうです.

 大会では今年初となる「回リハ看護師とセラマネの活動」というテーマでポスターセッションが行われました.私も今年第七期セラピストマネジャー(以下,セラマネ)を取得することができ,現在800名を超えるセラマネが全国で活躍されているとのことで,諸先輩方が普段どのように活動しているのかを知りたいと思い参加しました.発表ではフロアマネジャーとして他職種とリハの連携を強化する動きを取っているセラピストやリハ間の教育に力を注いでいるセラピスト,回復期から離れて他部署のマネジメントを実践しているセラピストと多種多様な活動を聴くことができました.それぞれが大会テーマに見合った活躍をなさっていると感じました.質疑で近年のセラピストがマネジメント能力に長ける者と専門性や治療技術に長ける者,二分化してきているといった話があり印象深く残っています.2025年モデルに向けた病院・病床の機能分化・機能強化が図られていく中で,どちらの能力も重要であり,双方兼ね備えていることが理想ですが,セラピストがおのおのの能力・役割に見合った動きが取れるようにマネジメントしていくことが必要で,そこにセラマネの視点が重要であると考えられました.これは回リハの質の向上にもつながってくるものと認識できました.

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Abstract:回復期リハ病棟のOTが,患者との協業の際に経験した困難とその対応を明らかにすることを目的として,10名のOTにインタビューを実施した.質的分析の結果,逐語録より1,643のラベルが得られ,140の3次カテゴリ,42の2次カテゴリ,9つの3次カテゴリに集約された.3次カテゴリはそれぞれ,経験した時期,クライエントの情報,作業療法介入の背景,困難が生じるまでの経過,困難の内容,困難が生じた背景,困難への対応,困難の帰結,振り返っての思いと分類した.

 困難の内容は,患者からすべてのあるいは特定の介入を除いて協力が得られなかったこと,介入の進め方において意向が違ったことであった.対象者は患者の思いと作業療法の観点を統合し,協業して介入を展開できなかったことを困難としてとらえていた.困難への対応では,協業,そして生活の視点の重要性を前提として,クライエント中心の観点から多様な対応を試みていたことが明らかになった.

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Abstract:【目的】脳卒中後急性期上肢麻痺に対するCI療法は,否定的な報告がみられる.本報告では,急性期脳卒中患者に対し2時間のmodified CI療法を連続10日間実施し,急性期におけるCI療法の適切な実施時間の探索と長期的効果を検討するため,1年後の長期経過を追ったので,その結果を報告する.【方法】2名の急性期片麻痺患者に,1日2時間のmodified CI療法(1時間は療法士と,1時間は自主練習)を連続10日間実施し,1年後に再評価を実施した.上肢機能の評価は,Fugl-Meyer Assessment(FMA)とmotor activity log(MAL)のamount of use(AOU)とquality of movement(QOM)を用いた.【結果】短期的変化は,MALは症例1のQOM,症例2のAOUとQOMで臨床的に意味のある改善を示した.長期的変化は,全評価で大きな改善を示した.【結論】長期的改善は,急性期以降の影響も大きいが,急性期でのCI療法も有効である.その観点からも急性期から治療に取り入れることが有意義であると考えられる.

昭和の暮らし・第6回

ヘチマ 市橋 芳則
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 古くから,ヘチマやヒョウタン等,身近で栽培できる植物を暮らしに活かすことは,普通に行われてきた.ここでは,栽培が容易で,昭和時代に家庭でつくられることも多かったヘチマを取り上げる.

 ヘチマは漢字で「糸瓜」と表記され,細長く,キュウリを太らせたようなプロポーションである.おおむね40〜60cmほどの果実で,ほぼまっすぐに伸びる実もあれば,C字状に曲がった,ひねこびた印象のものもある.

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表紙のことば/今月の作品

次号予告

研究助成テーマ募集

第52巻表紙作品募集

学会・研修会案内

編集後記 宮崎 明美
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 2012年(平成24年),今から5年前,児童福祉法が改正され,国は人口10万人に1か所の単位で児童発達支援センターを配置し,その地域に住む障害がある児が,障害の別なくセンターに通い,療育が受けられるようにと考えた.それまで肢体不自由,知的障害,重症心身障害等の障害別の通園であったところを医療型・福祉型の児童発達支援センターに変更.障害枠を取り払い,その地域で全障害を受け止められるようにした.この体制のよし悪しは今後精査されていくであろうが,そのセンターは周辺の児童発達支援事業所とも連携をとり,保育所等訪問支援事業や相談支援事業を展開し,その地域を支えていくことが求められている.

 この5年の間に医療から福祉の世界に飛び出して活躍するOTが増えている.今回の特集はそんな元気のよい児童発達支援の現場からの報告である.森川氏の報告にあるように,当時「預かり」が中心になってしまっていた児童デイサービスにメスを入れるべく法改正に至ったのが「放課後等デイサービス」であり,まさしく療育を求められている事業である.今年よりさらに厳しく支援内容を求められるようになり,OTの出番である.福祉領域でOTに求められることに,障害についての説明や解釈がある.保育士や児童指導員の疑問に答えられる力,医療との連携をとる力が必要なことも多い.障害についてわかる.生活がわかる.家族がわかる.ライフステージがわかる.そしてチームの要として影に日なたにがんばれる.OTの力量が問われている.山梨県作業療法士会特別支援教育委員会の取り組み,長崎県松浦市役所でがんばっている行政OTの報告等,どれも元気いっぱいの心温まるものだった.これから先も,医療の知識と技術を基礎にもっているOTだからこそできる支援をお願いしたい.福祉の領域でも,教育の領域でも,行政においても,大空に悠々と泳ぐ鯉のぼりのように,力強くかつ柔軟にがんばり続けてほしいと思う.

基本情報

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作業療法ジャーナル
51巻6号 (2017年6月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0915-1354 三輪書店

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