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一般社団法人回復期リハビリテーション(以下,回リハ)病棟協会,第29回研究大会が,2017年2月10〜11日に広島国際会議場,広島文化交流会館にて開催されました.大会長の西広島リハビリテーション病院長,岡本隆嗣先生によりますと,近年急激な高齢化が進む中,回リハ病棟には,在宅に帰す「質」,すなわち「住み慣れた地域へソフトランディング(軟着陸)させ,その生活をできるだけ長く継続させる」ためのいっそうの努力が求められるとし,大会テーマを「レベルアップ!(リハ医療の質向上) スピードアップ!(患者改善や連携の効率向上) フォローアップ!(地域生活継続への貢献)」としたそうです.
大会では今年初となる「回リハ看護師とセラマネの活動」というテーマでポスターセッションが行われました.私も今年第七期セラピストマネジャー(以下,セラマネ)を取得することができ,現在800名を超えるセラマネが全国で活躍されているとのことで,諸先輩方が普段どのように活動しているのかを知りたいと思い参加しました.発表ではフロアマネジャーとして他職種とリハの連携を強化する動きを取っているセラピストやリハ間の教育に力を注いでいるセラピスト,回復期から離れて他部署のマネジメントを実践しているセラピストと多種多様な活動を聴くことができました.それぞれが大会テーマに見合った活躍をなさっていると感じました.質疑で近年のセラピストがマネジメント能力に長ける者と専門性や治療技術に長ける者,二分化してきているといった話があり印象深く残っています.2025年モデルに向けた病院・病床の機能分化・機能強化が図られていく中で,どちらの能力も重要であり,双方兼ね備えていることが理想ですが,セラピストがおのおのの能力・役割に見合った動きが取れるようにマネジメントしていくことが必要で,そこにセラマネの視点が重要であると考えられました.これは回リハの質の向上にもつながってくるものと認識できました.
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