整形・災害外科 63巻2号 (2020年2月)

特集 骨粗鬆症性椎体骨折治療の最新知見

中村 博亮
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人生百寿時代を迎え,平均寿命は延伸を続けている。その一方で,健康寿命との乖離は男性で9年,女性で12年であり,この間は介護が必要な期間ということになってしまう。その要因として,運動器疾患は,認知症や脳血管障害よりもその頻度が高く,特に骨粗鬆症およびそれに伴う骨折は大きな要因となっている。骨粗鬆症性椎体骨折は,その中で最も頻度が高く,大腿骨近位部骨折と比較しても日常生活動作や生命予後により影響を与えるという報告もある。骨粗鬆症性椎体骨折の診断について,2012年に7学会からの委員によって構成された椎体骨折評価委員会は,椎体骨折評価の新しい基準を発表した。1996年度版評価基準との相違点は,半定量的評価法(semiquantitative method;SQ法)を追加したこと,X線像の読影で椎体の傾斜や椎体の立体構造を考慮することを付記したこと,MRIによる評価を付記したことである。同時に関連用語についても整理がなされ,形態骨折や,臨床骨折の定義が明確化された。骨粗鬆症性椎体骨折には,既存骨折や形態骨折が混在するため,新鮮臨床椎体骨折を診断することは必ずしも容易ではない。最近,受傷後の経時的MRI所見の変化を報告する論文が発表され,新鮮骨折の鑑別が可能になりつつある。このように骨粗鬆症性椎体骨折については,急減にその新知見が報告されている。

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要旨:大規模住民コホートROADスタディの第3回調査(2012~2013年)より,本邦男女における形態学的椎体骨折(VF)の有病率を推定した。診断にはGenantの半定量法(SQ法)を用い,SQ≧1をVF,SQ=1をmild VF,SQ≧2をsevere VFとした。40歳以上の1,486名(男性483名,女性1,003名,平均年齢66.8歳)における有病率は,VF:21.8%(男性26.3%,女性19.6%,p=0.004),mild VF:13.9%(男性21.3%,女性10.3%,p<0.001),severe VF:7.9%(男性5.0%,女性9.4%,p=0.003)であり,VFとmild VFは男性に有意に多く,severe VFは女性に有意に多かった。腰痛の有無・歩行能力低下(平地歩行に支持が必要または通常歩行速度0.8m/秒未満)との関連を調べたところ,いずれもsevere VFとのみ関連し,mild VFとは関連しなかった。複数椎体のVFは女性においてのみ歩行能力低下と関連した。

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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)は骨粗鬆症性骨折の中でも最も頻度が高く,腰背部痛,姿勢異常の遺残を生じ,高齢者のQOLを著しく低下させる。筆者らはOVF保存的初期治療法の指針を策定することを目的とし,新鮮OVFに対する硬性装具・軟性装具の治療効果に関する比較を目的とした大規模ランダム化比較試験を行った。対象は65歳以上85歳未満の女性,第10胸椎から第2腰椎までの胸腰移行部の範囲に新規単独椎体骨折を有し,明らかな神経症状を呈していない患者とし,硬性もしくは軟性装具をランダムに割り付けし,楔状率をprimary outcomeとした。284例が硬性装具もしくは軟性装具に割り付けされ,最終的に48週のフォローを終えた症例は228例であった。Primary outcomeである楔状率は,12週時点で有意に硬性装具が大きかった。しかしながら,24週,48週の時点では装具間で有意差を認めなかった。Secondary outcomeとしたEQ-5D,腰痛VAS,JOABPEQのいずれにおいても,各時点において2群間で有意差を認めなかった。したがって,本研究の結果を踏まえると,新鮮OVFに対する硬性装具の使用は,椎体変形およびQOL,疼痛の観点において軟性装具と比較して優位性があるとはいえないと考えられた。

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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折は連鎖的に発生することが知られている。この現象は椎体骨折カスケードあるいはドミノ骨折と呼ばれ,後弯変形により慢性的な腰背部痛や逆流性食道炎,日常生活機能の低下などを引き起こす。そのため,脆弱性椎体骨折患者に対しては骨密度測定の有無にかかわらず薬物治療介入が推奨されている。使用する薬剤の種類については,現在,明確な選択基準はないが,骨折直後から数カ月以内は骨折リスクが一過性に急上昇(imminent fracture risk)することから,骨形成促進剤や強力な骨吸収抑制薬は最後の切り札ではなく最初の治療として用いることが提案されている。特に骨形成促進剤は副次的に骨修復促進効果も期待できることから,骨折後早期から導入するメリットが高いが,“がん” などによる病的骨折を除外診断してから使用する必要がある。

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要旨:われわれは新鮮骨粗鬆症性椎体骨折に対し「原則として入院,2週間の厳密な床上安静後にジュエット型硬性体幹装具を用いて離床を開始する」という筑波大学方式の統一プロトコールによる保存治療を行っている。入院による治療介入を行うことで以下の3点の効果があった。① 24週間のフォローアップで79%が保存治療で骨癒合を得られ,保存治療抵抗性で手術に至る症例は8.5~9.6%と低率であった。また骨癒合不全や偽関節といった予後不良になることを高率に予測可能なMRI所見を有する症例でも本プロトコールにより73%の症例で手術を回避できた,② 入院治療では全例初期にMRIに加えてCTおよび単純X線側面動態撮影による保存治療抵抗性評価を行うことでハイリスク症例を確実に把握することが可能になり,数少ない保存治療抵抗例に対しても急性期の適切な時期に比較的低侵襲な後方手術で対応できる。そのためこれまで遅発性麻痺の発生は皆無であった,③ 本プロトコールは簡便であり,骨粗鬆症評価と二次骨折予防のための骨粗鬆症治療導入を含めたクリニカルパスを作成することで標準化された質の高い保存治療の提供が可能になった。

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要旨:骨粗鬆症性骨折の中で椎体骨折は最も頻度が高い。椎体骨折に伴う脊柱変形に伴い,腰背部痛や身体機能障害,さらには内臓障害を引き起こして生活の質は低下する。急性期の骨折の治療は装具や薬物治療が主体で,運動療法の適応ではない。運動療法により骨密度は増加するとされているが,骨粗鬆症を伴う高齢者には有効な運動の強度や頻度で行うことは現実的には困難である。椎体骨折が骨癒合した後に生じる脊柱変形では,施設通所による複数の運動の組み合わせにより身体機能や腰背部痛,姿勢,生活の質を改善可能である。高齢者では自宅で実施可能な運動が求められており,低強度の背筋力増強運動は,有効かつ安全で継続可能な運動として有用である。

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要旨:超高齢社会で多くの高齢者を抱える本邦では,骨粗鬆症性椎体骨折の診療体制が議論されている。近年はADL維持の重要性が認識され,速やかな疼痛緩和と良好な健康関連QOL獲得に治療の重点がおかれる。経皮的椎体形成術のように安全かつ有効な低侵襲手術が可能となり,椎体骨折の整復固定,さらには体動時痛軽減による日常生活動作の早期回復を目指すことができるようになったため,従来の治療体系を変えて対応することも多くなっている。骨粗鬆症性椎体骨折を受傷する患者は広い年齢層で存在する。50~60歳代では背景である病態(骨粗鬆症)の治療や脊柱アライメントに留意して治療する必要があるが,90歳代の超高齢者ではできる限り早く診断し,ADLの再獲得のために必要であれば早期手術治療介入を考慮することが重要である。

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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性神経障害(ODVC)は,骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)後の骨癒合不全の結果,陥る病態である。われわれはOVFを原則全例入院とし厳密に保存加療をしているが,1年後の歩行能力と日常生活自立度は一定の割合で低下する。受傷後4週以内に疼痛改善が得られ難く,椎体不安定性を呈する症例に経皮的椎体形成術(BKP)を施行しているが,2012年以降,初期治療から携わったOVF症例576例でODVCに至った症例はない。早期にBKPを施行した症例群がその後にODVCに陥る可能性もあり,現在ODVCとして紹介された症例の骨折早期の臨床像も併せて解析中である。2012年,受傷1年後でも骨癒合兆候がみられないものが偽関節と定義されたが,この定義のもとで当院での偽関節化率とその有害事象を調査したところ偽関節化率は9.7%,歩行能力と日常生活自立度には負の影響を与えていなかった。ODVCは偽関節の病期よりも前に発生するOVFに続発する最も重篤な病態で,この病態に陥らせないように厳密,慎重なOVF保存治療が肝要である。

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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折は背部痛だけでなく,神経圧排や脊柱変形など様々な脊椎障害の原因となる。骨粗鬆症性椎体骨折に対する治療は薬物治療を含む保存治療から外科的治療まで多岐にわたり現在もエビデンスの構築が進んでいる。椎体形成術に対するエビデンスは本邦を中心として蓄積が進んでいるが,椎体形成術以外の外科的治療に関しては病態のバリエーションが多く,一定の見解が得られていないのが現状である。椎体形成術以外の外科的手術方法の選択には病態の把握が重要であり,病態に即してin situ固定,椎体形成術+後方固定,前方固定,骨切り術を含めた変形矯正などが選択され,時にはそれらを同時に行うこともある。前方固定術では局所後弯の矯正は可能であるが,短い後方固定では脊柱アライメント矯正は得られないが満足な除痛効果とADLの改善は得られることから,病態に即した術式選択が重要であるといえる。

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要旨:骨粗鬆症診療においてはしばしば腰痛,特に間欠性腰痛を訴える患者に遭遇し,健康関連QOLの低下も問題となる。これは椎体骨折とそれに伴う脊柱矢状面アライメント異常(腰曲がり)が原因である可能性があるが,椎体骨折がなくとも骨粗鬆症患者が腰曲がりを呈することも多い。腰曲がりの病態には骨粗鬆症とサルコペニアが深く関与しており,双方の深い理解が腰曲がりの理解と適切な治療戦略に直結すると考えられる。また,腰曲がりがあると,腰痛や健康関連QOLの低下だけでなく,胃食道逆流症が問題となることがある。これらの問題を解決するために,腰曲がりの治療として医療技術の進歩を背景に,近年手術治療が積極的に選択されるようになってきた。しかし,腰曲がりに対する手術治療は非常に高侵襲で高い合併症率が懸念される。そのため,腰曲がりの背景にある骨粗鬆症とサルコペニアに対するアプローチを含めた非手術治療の充足を図りたい。

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要旨:本稿では骨粗鬆症分野の基礎研究のうち,特にホットトピックスである3つの分野(腰痛,サルコペニア,画像診断)について概説した。まず腰痛についてであるが,骨粗鬆症患者が腰痛を訴える原因として ① 脊椎疾患の合併,② 骨折,③ 骨粗鬆化の3つが注目されている。重要な点は,これらの原因は独立して存在するのではなく,互いが重複して存在することが多いということである。次にサルコペニアであるが,その発症および進行には筋再生能の低下,内分泌機能異常,微小炎症(炎症性サイトカイン),ビタミンDおよびビタミンD受容体,骨粗鬆症など様々な誘因がある。さらにそれらの誘因は相互作用を有しており,複雑な病態をなしていることを理解することが重要である。最後に画像診断であるが,特に注目されている手法として ① 海綿骨スコア(TBS),② 有限要素法(CT/FEM),③ 高解像度末梢骨用定量的CT(HR-pQCT)がある。

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要旨:骨粗鬆症患者は社会の高齢化とともに増加しており,それに伴い医療費の増加も見込まれる。毎年多額の国債を発行している本邦において医療費の問題は喫緊の課題であり,医療者は治療の費用対効果について理解を深める必要がある。薬剤に関して,ビスホスホネートは費用対効果に優れるが,デノスマブは高額なため高リスク群に使用すべきである。テリパラチドはさらに高額な薬剤のためその使用は限定すべきである。また,椎体骨折の外科的治療に関しては,balloon kyphoplasty(BKP)の費用対効果は報告によりばらつきはあるが,われわれが本邦で実施した研究では,遷延治癒の高リスク群に対するBKPの費用対効果は許容範囲内であった。治療の費用対効果をより適切にするためには,適切な患者選択・治療選択が重要である。

Personal View

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お読みになられた先生方もおられると思うが,最近Nature誌に52カ国854名の統計家や科学者の賛同を得て掲載された ‘Retire statistical significance’ という小論(Nature 567:305-307,2019)が気になり,もとより統計の専門家でもないが,医学にも深く関わることでもあるので,彼らが何を言わんとしているのか,そこに引用されたいくつかの論文にも目を通してみた。それは2016年に米国統計学会がp値と統計学的有意差の誤用に警鐘を鳴らしたことに端を発し,791編の論文の解析で実に半数以上(51%)において,いわゆる ‘statistically non-significant’ という結果により,「相違なし」「関連なし」あるいは「効果なし」という誤った解釈がなされていたという例を挙げて,‘p-value’ の意味を再考し,‘statistically significant’ という表現を科学論文から撤廃しようという提案である。

整形外科手術 名人のknow-how

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成人脊柱変形(adult spinal deformity;ASD)は脊柱後弯症,脊柱後側弯症,特発性側弯症の遺残などの疾患の総称である。特発性側弯症の遺残については成人以前に治療を受けていたがドロップアウトしてしまった症例が少なくない。特発性側弯症の遺残は脊柱後弯症や脊柱後側弯症とは病態が異なり,また以前から治療が積極的に行われてきた経緯もあり,ある程度治療のコンセンサスは得られていると考えている。そのため本稿ではde novoの脊柱後弯症と脊柱後側弯症をASDとして話を進めていきたい。

スポーツ医学 つれづれ草

運動中に水を飲むな! 武藤 芳照
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東京五輪のマラソン・競歩の会場が,札幌市に切り替えられた。カタールのドーハで開催された世界陸上選手権で,多くの棄権者や救急搬送車を出したことに危機感を抱いたIOC(国際オリンピック委員会)の強い意志が働いた結果だ。元々,日本の東京の夏・8月の気候が,「競技に相応しい条件」であるかのように大会招致の書面に記載されたこと,米国のテレビ局の意向を受けて,酷暑にもかかわらずこの時期に東京で大会を開催すること自体が根源だ。とはいえ,アスリートの生命と健康を保つという最大の条件を守りつつ,彼ら彼女らが最高のパフォーマンスを発揮できるように環境を整えるのが,開催地の責務という観点からは,やむを得ない変更措置だろう。

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整形外科学およびスポーツ整形外科学において,腱の損傷治癒および再生は重要な研究課題である。腱損傷の受傷年齢層は広範囲であり,受傷率は若年,中年層において高い。現在のところ,腱損傷の完全治癒は望みにくい。しかし,力学的強度と機能の回復および回復に至るまでの期間の短縮は職場およびスポーツの現場復帰のみならず日常生活動作の改善のために非常に重要である。このために,臨床面からは治療手段とリバビリテーションの改良のための研究と実践,また,基礎医学からは腱損傷の治癒過程の機構の解明と修復促進のための病理学,細胞生物学および力学的研究,さらに細胞および人工材料を用いた腱の作成・再生を目指す材料工学の研究が行われている。これらの研究の最終目的は欠損および損傷部位の腱を再生し,受傷前の腱を再構築することである。本総説においては基礎医学的観点から,腱の創傷治癒および再生のための研究の方法と標的について動物モデルを中心として紹介する。また,それらの動物モデルの研究から得られた知見から,どのような分子シグナルが腱再生に有望であるかをまとめる。

机上の想いのままに

RA治療における待つ効用 西野 仁樹
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私の新人の頃は優雅な時代で,初回椎間板ヘルニア発作や急性腰痛症でも安静入院が可能であった。上司には「まずは寝かせておけ」と言われ,役に立つとも思えない3~4kgの介達牽引で安静臥床させていた。廃用筋萎縮などの問題があり,現在の標準方針とは真逆であろう。

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要旨:脊柱管内病変を伴う原発性悪性脊椎脊髄腫瘍(PMST)に対して,脊柱管内腫瘍のみ切除する方法(SS)と重粒子線治療(CIRT)を組み合わせた新規治療法(CIRT-SS)を開発した。CIRT-SSの局所制御率や生命予後は良好であり放射性脊髄炎の発生はみられなかった。

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要旨:ケトプロフェン貼付剤が効果不十分だった変形性膝関節症59例を無作為に2群に分け,1群にはセレコキシブの経口投与を,他の1群には運動療法を4週間追加実施した。追加療法開始時からの最終評価時の疼痛Visual Analogue Scale(VAS)の平均変化量は,それぞれ22.3および14.4で統計学的に有意に改善したが,両群間に有意差はなかった。一方,最終評価時の医師による全般改善度は,改善率が38.5%と22.2%で両群間に有意差を認めた。JKOMと患者日誌による疼痛VASおよび健康状態の変化は経時的に改善していたが,この改善はセレコキシブ群でより早かった。有害事象発現率に関しては,セレコキシブ併用群で13.3%,運動療法併用群で3.6%であり,セレコキシブ併用群が高い発現率を示した。セレコキシブ経口投与併用治療は運動療法併用治療と比較して,全般改善度の改善率がより高く,痛みが早期に軽減していた。

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要旨:人工膝関節全置換術(TKA)術後の深部静脈血栓症(DVT)診断の補助として可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)値の有用性が報告されている。TKAにおける術後DVT発生を予測するSFMC測定の意義を検討した。対象は当院でTKAを実施した連続143膝である。周術期のSFMCを測定し,術後DVT発生との関係を調査した。DVTは43膝(30%)に認められ,すべて無症候性であった。DVTあり群となし群とで年齢・身長・体重・術後抗凝固治療内容・周術期のHb変化に有意差はなかった。ロジスティック回帰分析において,術後1日目のSFMC値のみが術後DVTの有無の判定に寄与していた。諸家の報告と同様に術後1日目のSFMC値はDVTの有無に関係していたが,その診断精度は高くなく,SFMC値単独での評価は難しいと考えられた。SFMC測定は安価なものではなく,外注検査となる場合は期待される診断への即時性も懸念され,日常診療における利用は今後も検討が必要である。

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要旨:ばね指に対する頻回のステロイド注射が原因と考えられた長母指屈筋腱断裂症例を経験した。ステロイド注射後の腱断裂の報告はまだ多くはなく,大部分はケナコルト-A®によるものである。最少量の報告は10mg×2回であった。ケナコルト-A®は注射後3週までは有効血中濃度を保つとされ,注射間隔は3週以上空けるべきと思われた。他の薬剤での腱断裂の報告は非常に少ないが,使用頻度が低いためと考えられ,注意が必要である。

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整形・災害外科
63巻2号 (2020年2月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0387-4095 金原出版

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