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特集 骨粗鬆症性椎体骨折治療の最新知見
急性期新鮮骨粗鬆症性椎体骨折に対する入院安静療法の効果
Conservative treatment with initial hospitalization and rigorous bed rest for fresh osteoporotic vertebral fractures
船山 徹
1
,
安部 哲哉
1
,
柴尾 洋介
1
,
長島 克弥
1
,
國府田 正雄
1
,
山崎 正志
1
Toru FUNAYAMA
1
1筑波大学医学医療系,整形外科
キーワード:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Conservative treatment
,
Initial hospitalization with rigorous bed rest
Keyword:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Conservative treatment
,
Initial hospitalization with rigorous bed rest
pp.147-155
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001178
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要旨:われわれは新鮮骨粗鬆症性椎体骨折に対し「原則として入院,2週間の厳密な床上安静後にジュエット型硬性体幹装具を用いて離床を開始する」という筑波大学方式の統一プロトコールによる保存治療を行っている。入院による治療介入を行うことで以下の3点の効果があった。① 24週間のフォローアップで79%が保存治療で骨癒合を得られ,保存治療抵抗性で手術に至る症例は8.5~9.6%と低率であった。また骨癒合不全や偽関節といった予後不良になることを高率に予測可能なMRI所見を有する症例でも本プロトコールにより73%の症例で手術を回避できた,② 入院治療では全例初期にMRIに加えてCTおよび単純X線側面動態撮影による保存治療抵抗性評価を行うことでハイリスク症例を確実に把握することが可能になり,数少ない保存治療抵抗例に対しても急性期の適切な時期に比較的低侵襲な後方手術で対応できる。そのためこれまで遅発性麻痺の発生は皆無であった,③ 本プロトコールは簡便であり,骨粗鬆症評価と二次骨折予防のための骨粗鬆症治療導入を含めたクリニカルパスを作成することで標準化された質の高い保存治療の提供が可能になった。
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