Japanese
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特集 上位頚椎疾患・外傷の病態と治療
頚椎歯突起骨折の治療
-―特に高齢者に注目して―
Controversies in the treatment strategy for elderly with odontoid fracture
北村 和也
1
,
千葉 一裕
1
Kazuya KITAMURA
1
1防衛医科大学校,整形外科学講座
キーワード:
Odontoid fracture
,
Treatment strategy
,
Elderly
Keyword:
Odontoid fracture
,
Treatment strategy
,
Elderly
pp.1107-1113
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002247
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要旨:頚椎歯突起骨折は全頚椎損傷の約10~20%を占め,70歳以上の高齢者では最も多い頚椎損傷である。骨折型の診断および治療方針の決定には一般的にAndersonの分類(type Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)が用いられ,type Ⅱは不安定型で,かつ最も頻度が高い。北米のガイドラインでは転位のないtype Ⅰ・Ⅱ・Ⅲでは外固定による保存療法を,5mm以上の転位を伴うまたは整復位を獲得・維持できないtype Ⅱ・Ⅲには手術療法を推奨している。65歳以上の高齢者のtype Ⅱに対する手術療法は,保存療法と比べ死亡率を低下させ,骨癒合率だけでなく健康関連QOLの改善にも優れているとされる一方で,80歳以上の超高齢者では合併症および死亡率の高さが問題視される。特に高齢者に対しては,骨折型の評価(骨折線の位置,角度,転位の程度)を基本として,年齢,骨粗鬆症,身体活動性,フレイルの程度など,様々な要素を考慮して治療方針を決定する必要がある。
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