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特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
筋炎および抗ARS抗体症候群
Idiopathic inflammatory myopathies and anti-synthetase syndrome
五野 貴久
1
Takahisa GONO
1
1日本医科大学大学院医学研究科,アレルギー膠原病内科
キーワード:
Polymyositis
,
Dermatomyositis
,
Anti-ARS antibody
Keyword:
Polymyositis
,
Dermatomyositis
,
Anti-ARS antibody
pp.919-923
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000539
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要旨:多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)は,筋炎症状として,体のこわばり,筋肉痛,筋力低下といった日常生活動作に支障をきたす症状が認められる。また,DMに特徴的な上眼瞼の浮腫性紅斑(ヘリオトロープ疹)やPIP/MCP・肘・膝関節の伸展部に紅斑(ゴットロン丘疹・徴候)が出現したり,手指の関節炎を伴うことがある。筋骨格系症状を認める患者は,内科より先に整形外科を受診する可能性があるため,筋炎を鑑別疾患として配慮する必要がある。また,PM/DMで抗ARS抗体が陽性の場合は,レイノー症状,手指に亀裂や鱗屑を伴う皮疹,爪上皮出血,関節炎が認められるため,手指を注意深く観察する。クレアチンキナーゼが上昇しないDM症例や抗ARS抗体陽性例では間質性肺炎が併発し呼吸状態が進行性に増悪することがあるため,問診や診察上,PM/DMが疑われる際には早急に神経内科ないし膠原病内科への紹介を検討する。
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