Japanese
English
臨床
TKAにおける術後DVT発生を予測する可溶性フィブリンモノマー複合体測定の意義
Significance of soluble fibrin monomer complex measurement predicting DVT after total knee arthroplasty
伊藤 淳哉
1
,
桑島 海人
1
,
伊藤 匡史
1
,
岡崎 賢
1
Junya ITOU
1
1東京女子医科大学,整形外科
キーワード:
Soluble fibrin monomer complex(SFMC)
,
Deep vein thrombosis(DVT)
,
Total knee arthroplasty(TKA)
Keyword:
Soluble fibrin monomer complex(SFMC)
,
Deep vein thrombosis(DVT)
,
Total knee arthroplasty(TKA)
pp.239-242
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001193
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:人工膝関節全置換術(TKA)術後の深部静脈血栓症(DVT)診断の補助として可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)値の有用性が報告されている。TKAにおける術後DVT発生を予測するSFMC測定の意義を検討した。対象は当院でTKAを実施した連続143膝である。周術期のSFMCを測定し,術後DVT発生との関係を調査した。DVTは43膝(30%)に認められ,すべて無症候性であった。DVTあり群となし群とで年齢・身長・体重・術後抗凝固治療内容・周術期のHb変化に有意差はなかった。ロジスティック回帰分析において,術後1日目のSFMC値のみが術後DVTの有無の判定に寄与していた。諸家の報告と同様に術後1日目のSFMC値はDVTの有無に関係していたが,その診断精度は高くなく,SFMC値単独での評価は難しいと考えられた。SFMC測定は安価なものではなく,外注検査となる場合は期待される診断への即時性も懸念され,日常診療における利用は今後も検討が必要である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.