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‘Statistically Significant’ really expires?
朴木 寛弥
1
Kanya HONOKI
1
1奈良県立医科大学,骨軟部腫瘍制御・機能再建医学講座
pp.121-121
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001172
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お読みになられた先生方もおられると思うが,最近Nature誌に52カ国854名の統計家や科学者の賛同を得て掲載された ‘Retire statistical significance’ という小論(Nature 567:305-307,2019)が気になり,もとより統計の専門家でもないが,医学にも深く関わることでもあるので,彼らが何を言わんとしているのか,そこに引用されたいくつかの論文にも目を通してみた。それは2016年に米国統計学会がp値と統計学的有意差の誤用に警鐘を鳴らしたことに端を発し,791編の論文の解析で実に半数以上(51%)において,いわゆる ‘statistically non-significant’ という結果により,「相違なし」「関連なし」あるいは「効果なし」という誤った解釈がなされていたという例を挙げて,‘p-value’ の意味を再考し,‘statistically significant’ という表現を科学論文から撤廃しようという提案である。
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