Japanese
English
特集 大腿骨近位部骨折における二次性骨折の予防
大腿骨近位部骨折患者の予後予測とリハビリテーション
Prognostication and rehabilitation strategies for hip fracture
小川 貴久
1
,
真下 翔太
2
,
石橋 英明
3
,
伏見 清秀
4
,
吉井 俊貴
5
,
神野 哲也
6
,
大川 淳
7
Takahisa OGAWA
1
,
Shota MASHIMO
2
,
Hideaki ISHIBASHI
3
,
Kiyohide FUSHIMI
4
,
Toshitaka YOSHII
5
,
Tetsuya JINNO
6
,
Atsushi OKAWA
7
1佐久医療センター,整形外科
2聖路加国際病院,リハビリテーション科
3伊奈病院,整形外科
4東京医科歯科大学,医療政策情報分野
5同上,整形外科
6獨協医科大学埼玉医療センター,整形外科
7横浜市立みなと赤十字病院,整形外科
キーワード:
Early surgery
,
Cumulated Ambulation Score
,
DPC database
Keyword:
Early surgery
,
Cumulated Ambulation Score
,
DPC database
pp.963-970
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003062
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:大腿骨近位部骨折の治療において,早期手術,早期リハビリテーション(リハビリ)は重要である。これらの医療提供要素と年齢や併存疾患,Body Mass Index(BMI)などの個人的要素をもとに,術後の合併症予防や日常生活動作(ADL)回復などの患者アウトカムを予測することで,円滑な治療を進めていくことが可能となる。本邦の全国病院データベースである,診断群分類(DPC)データベースを用いた研究によって,日本における大腿骨近位部骨折患者においても,年齢やBMIによって合併症の特徴が異なること,手術待機日数,術者の経験が合併症発症に影響することが知られている。機能的アウトカム向上のためには,リハビリにおいては,特に早期離床と集中的な理学療法介入が必要である。また,年齢や併存疾患だけでなく,術後の簡便なADLの測定尺度であるCumulated Ambulation Score(CAS)をはじめとした術後早期の移動能力評価を用いることで,機能予後や転帰先の予測が可能であり,円滑な治療方針決定,退院調整につながる可能性が示唆される。さらに,今後はAIなどを用いたツールによってますます簡便に予後予測が可能になり,限られた医療資源の最適化に応用される可能性がある。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.