Japanese
English
腱・靱帯研究のフロンティア
(2)腱再生を制御するシグナリング
-―動物モデルからの知見―
Signaling molecules regulating tendon repair and regeneration;lessons from animal models of tendon injuries
泉 聡太朗
1
,
岩本 資己
2
Soutarou IZUMI
1
,
Motomi ENOMOTO-IWAMOTO
2
1広島市立安佐市民病院,整形外科・顕微鏡脊椎脊髄センター
2University of Maryland, Baltimore, School of Medicine, Department of Orthopaedics
キーワード:
Tendon repair
,
Animal models
,
Molecular signaling pathways
Keyword:
Tendon repair
,
Animal models
,
Molecular signaling pathways
pp.217-223
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001188
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整形外科学およびスポーツ整形外科学において,腱の損傷治癒および再生は重要な研究課題である。腱損傷の受傷年齢層は広範囲であり,受傷率は若年,中年層において高い。現在のところ,腱損傷の完全治癒は望みにくい。しかし,力学的強度と機能の回復および回復に至るまでの期間の短縮は職場およびスポーツの現場復帰のみならず日常生活動作の改善のために非常に重要である。このために,臨床面からは治療手段とリバビリテーションの改良のための研究と実践,また,基礎医学からは腱損傷の治癒過程の機構の解明と修復促進のための病理学,細胞生物学および力学的研究,さらに細胞および人工材料を用いた腱の作成・再生を目指す材料工学の研究が行われている。これらの研究の最終目的は欠損および損傷部位の腱を再生し,受傷前の腱を再構築することである。本総説においては基礎医学的観点から,腱の創傷治癒および再生のための研究の方法と標的について動物モデルを中心として紹介する。また,それらの動物モデルの研究から得られた知見から,どのような分子シグナルが腱再生に有望であるかをまとめる。
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