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特集 骨粗鬆症性椎体骨折治療の最新知見
骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性神経障害(ODVC)の病態と治療
Mechanism and treatment strategy of osteoporotic delayed vertebral collapse and paralysis
若尾 典充
1
Norimitsu WAKAO
1
1国立長寿医療研究センター,整形外科
キーワード:
Osteoporotic delayed vertebral collapse and paralysis
,
Pseudoarthrosis
,
Surgical treatment
Keyword:
Osteoporotic delayed vertebral collapse and paralysis
,
Pseudoarthrosis
,
Surgical treatment
pp.173-185
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001181
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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折後遅発性神経障害(ODVC)は,骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)後の骨癒合不全の結果,陥る病態である。われわれはOVFを原則全例入院とし厳密に保存加療をしているが,1年後の歩行能力と日常生活自立度は一定の割合で低下する。受傷後4週以内に疼痛改善が得られ難く,椎体不安定性を呈する症例に経皮的椎体形成術(BKP)を施行しているが,2012年以降,初期治療から携わったOVF症例576例でODVCに至った症例はない。早期にBKPを施行した症例群がその後にODVCに陥る可能性もあり,現在ODVCとして紹介された症例の骨折早期の臨床像も併せて解析中である。2012年,受傷1年後でも骨癒合兆候がみられないものが偽関節と定義されたが,この定義のもとで当院での偽関節化率とその有害事象を調査したところ偽関節化率は9.7%,歩行能力と日常生活自立度には負の影響を与えていなかった。ODVCは偽関節の病期よりも前に発生するOVFに続発する最も重篤な病態で,この病態に陥らせないように厳密,慎重なOVF保存治療が肝要である。
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