Japanese
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特集 肩関節拘縮(凍結肩)の診断・治療
凍結肩に対するサイレント・マニピュレーション
Silent manipulation for frozen shoulder
横矢 晋
1
,
住元 康彦
2
,
猫本 明紀
2
,
白石 勝範
3
,
原田 洋平
1
,
安達 伸生
2
Shin YOKOYA
1
,
Yasuhiko SUMIMOTO
2
,
Katsunori SHIRAISHI
3
1広島大学病院,整形外科
2広島大学大学院医系科学研究科,整形外科学
3松山市民病院,整形外科
キーワード:
Frozen shoulder
,
Silent manipulation
,
Interscalene block
Keyword:
Frozen shoulder
,
Silent manipulation
,
Interscalene block
pp.1661-1667
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001971
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要旨:凍結肩とは特発性肩関節拘縮を指す疾患名であり,原因は肩甲上腕関節での炎症および線維化である。凍結肩に対する適切な保存加療に抵抗する場合にサイレント・マニピュレーション(SM)を考慮するが,その際,高齢の女性や骨粗鬆症を有する例には骨折を引き起こす可能性があり控えるべきである。SMはエコーガイド下に行う斜角筋間ブロックと徒手的授動術の組み合わせであり,鏡視下関節授動術と比較して有意に良好な可動域の改善と疼痛,特に安静時痛が早期に消退するが,運動時痛は比較的長引く傾向にある。また糖尿病の既往や喫煙歴のある患者などは治療に抵抗するリスクが高いことも知っておくべきである。ほかにも,拘縮の原因として関節外要素の多い外傷後などの二次性肩関節拘縮例,筋骨隆々な男性,円背の強い高齢者で大胸筋や小胸筋が短縮している症例なども経過が思わしくないこともあり,注意が必要である。
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