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特集 骨粗鬆症性椎体骨折治療の最新知見
急性期骨粗鬆症性椎体骨折への装具治療
Brace treatment for acute osteoporotic vertebral compression fracture
猪瀬 弘之
1
,
加藤 剛
1
,
大川 淳
1
Hiroyuki INOSE
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,整形外科学分野
キーワード:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Brace treatment
,
Spinal deformity
Keyword:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Brace treatment
,
Spinal deformity
pp.135-140
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001176
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要旨:骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)は骨粗鬆症性骨折の中でも最も頻度が高く,腰背部痛,姿勢異常の遺残を生じ,高齢者のQOLを著しく低下させる。筆者らはOVF保存的初期治療法の指針を策定することを目的とし,新鮮OVFに対する硬性装具・軟性装具の治療効果に関する比較を目的とした大規模ランダム化比較試験を行った。対象は65歳以上85歳未満の女性,第10胸椎から第2腰椎までの胸腰移行部の範囲に新規単独椎体骨折を有し,明らかな神経症状を呈していない患者とし,硬性もしくは軟性装具をランダムに割り付けし,楔状率をprimary outcomeとした。284例が硬性装具もしくは軟性装具に割り付けされ,最終的に48週のフォローを終えた症例は228例であった。Primary outcomeである楔状率は,12週時点で有意に硬性装具が大きかった。しかしながら,24週,48週の時点では装具間で有意差を認めなかった。Secondary outcomeとしたEQ-5D,腰痛VAS,JOABPEQのいずれにおいても,各時点において2群間で有意差を認めなかった。したがって,本研究の結果を踏まえると,新鮮OVFに対する硬性装具の使用は,椎体変形およびQOL,疼痛の観点において軟性装具と比較して優位性があるとはいえないと考えられた。
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