看護学雑誌 36巻11号 (1972年11月)

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 新カリキュラム—臨床の側からは教育のことなので縁がないとお思いかもしれません.しかし新カリの卒業生は2年めを迎え,それに対し戦力にならないという批判が一部にあるのも現実の姿です.

 ところで戦力にならないという発想は,何を拠りどころとしたものでしょうか.看護が実践の科学と言われながら,現状の波間に浮き沈みしていて学問的体系づくり,職業の確立が可能でしょうか.

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はじめに

 新カリキュラムが実施されて既に4年,卒業生も2回にわたり送り出されている今日,その教育も軌道にのりつつあり,その分析・評価についても議論がかわされている.たとえば,教育体制の充実なくして,実施にふみきったことは問題であるとか,新カリキュラムによる卒業生は,口ばかり達者で役にたたないとか,とかく批判するむきが多いようである.

 ふり返ってみれば,発足当時,幾多の疑問や混乱がみられ,私どもは,血眼になって新カリ,新カリと大騒ぎをした記憶がある.何をめざして,学生を指導すべきなのか?理念にそった実習指導とは,どんな場面で,どんな形で実現しうるのか? など卒直な疑問や悩みがあった.ある一部では,新カリキュラムの理念と看護の現場とは縁遠いものである.あるいは,理念のみを先行して,看護の実際とは異質になっているという意見もあった.

私の受けた教育と臨床看護

自らに総合看護を問いかえす 峰島 裕
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 短大を卒業してから1年半経ちました.はたして看護婦としてやっていけるだろうかという不安と,やっと一人前の看護婦になったのだという自負心とが入り乱れ,複雑な思いで臨床にはいったのです.

 勤務は,外科・整外科の混合病棟から始まりました.短大においては疾患のみに目を止めることなく,患者自身を全人格的に把えて看護がなされるということを主軸として教えられてきたように思います.教育の効あってか,勤務してしばらくして読んだ本の中に書かれていたことですが‘正しい看護,人に心から喜ばれ,患者が力づけられるような看護は,患者に対する正しい理解なしには決してなされない.患者を全体としてしっかりつかみ,その悩みに耳をかすことは医者にとっても,また看護婦にとっても,非常に修業を要し,努力を要する’このことに,なるほどと思いを深くし,明日はこうしよう,ああしようと思いながら,心に描いている理想通りの看護が実施できないまま,過ぎ去ってしまいました.

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 私が就職して5か月がすぎた.早かったなあと思うが,この5か月は私にとって職場に慣れるための期間だったといえるだろう.今どうにか業務にも慣れ時間的なゆとりを自分の中に見いだしつつある.

 私の職場は手術や機能訓練を目的とする肢体自由児の施設,その中の年長児や手術対象児のいる病棟である.学生時代何となくリハビリテーションや障害者問題に興味を持ち,障害者の差別問題,施設の問題,福祉行政のおそまつさなどについて友人と話したり考えたりした.そして就職を考える時期になりこの施設を選んだのである.

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 昭和43年から新カリによる教育が実施されました.私はその教育を受けて最初に卒業した1人です.入学時何もわからないままに‘今年から新カリによる教育が行なわれます’と言われて始まった学校生活でした.最初のせいか,テストケース的傾向にあり,その中で‘看護とは何か’‘看護の必要性はどこにあるか’と友と語り合い過ごした3年間でした.臨床に入り1年半になりますが,学生時代の看護に対する考え方とどのように違ってきたかを考えてみたいと思ます.

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 医療の進歩とともに看護のとらえ方も大きく変わり,従来の看護教育の方針も改正の方向をたどった.そして,昭和43年新カリキュラムが実施された年は,私が看護学校へ入学した年でもあった.

 つまり,看護とは,臨床の看護のみにとどまらず,広く健康人をも含めた疾病の予防,健康の保持増進,健康を損った人の社会復帰等,健康指導,衛生教育の域までも含めて,また患者をとらえる場合にも単に身体面のみでなく社会的,経済的,家庭的,精神的背景にも目を向けて,患者を諸背景をもったひとりの人間として理解し看護に当たらなくてはいけないというように,看護の解釈が拡大化されたのである.

問題の多い医療体制の中で 内田 貴美子
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 ‘看護というものは,保健・治療・予防を総括的に考え,あらゆる健康レベルの人を討象に,それぞれに持つヘルスニードを把握し,それにあったヘルスケアを行なうこと,であり,それら人間の健康レベルを大きく2つに分け,健康領域にある人は保健所で,疾病領域にある人には病院でそれぞれ看護を受けるしくみになっている.

 そして私たち看護婦はその疾病領域にある人を看護するのが仕事である’という看護の基本的考え方を,新しいカリキュラムに基づいた教育法により教えられ,私自身,看護とはそうあるべきだと考えている.しかし,

カラーグラフ 職場のユニホーム・3

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 従来の実用性本意のユニホームを脱皮し さらに機能性とフアッション性を考えました.

 プリンセスラインを取り人れ ファッション性を考えるとともにゆつたりした軽快な着ごこちとし 袖を半袖にして活動性を増しました.前中心をファスナーにして着脱を容易にしました.衿元か適度につまっているため動作時に胸元が気になりません.ポケットは左胸部と両側腹下部につけ 胸部はハンカチーフを人れ装飾用にも使っています.

カラーグラフ アイディア

酸素吸入用具のくふう 渡辺 文子
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 高齢者の外科的療法 交通災害などの増加に伴い 気管切開を施し長期に酸素療法を要する患者がふえつつあります.酸素吸入に際しては 経鼻カテーテル法がよく利用されますが 挿入時の痛み 鼻粘膜の損傷 分泌物の増加にょりヵテーテルの先がつまりやすい など患者へ苦痛を与えているようです.また市販のフェーステントでは手軽に使用できるものの 意識のある患者ではビニール臭の不快を訴え また材質の面でも柔らかすぎて固定がうまくいかない などの問題があります.そこで 市販のフェーステントに似たもので 安価で 使い捨てができ 安楽に療法が受けられるものはないかと研究したところ 写真のような2つの結果を得ましたのでご紹介いたします.

カラーグラフ 人体臓器の正常と異常・8

循環器系(4) 金子 仁
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 心臓と大動脈には 原発性腫瘍はほとんどない.循環器系の腫瘍は 血管腫(良性)と血管肉腫(悪性)であるが いずれも 至る所にある毛細血管から発生する.生検(プローベ)で悪性と診断がっいたら手足の場合はすぐ切断する.良性の場合は 腫瘍のみ摘出すればよい.その鑑別は もっぱら病理検査による.

グラフ 看護界ニュース

第21回看護研究学会開催
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日本看護協会看護婦部会(会長 大森文子)の主催する全国看護研究学会は ことしで21年めを迎えるが 教育管理分科会と母性小児分科会〔学会長 高須サキ)が9日15-16日の2日にわたり 札幌市で開催され 厚生年金会館と札幌市民会館に延べ4000の会員を集めて行なわれた.

 合同開会式に引き続き学会テーマ‘専門職・そこに求められるものは’のもとに それぞれの会場に分散して熱心な研究発表にはいった.

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設置準備調査会が初会合開く

 東京都は 看護婦・PT・OTなどパラメディカルの育成を目的とした‘保健大学’の設置を検討すべく 9月18日 都立保健大学設置準備調査会(東京 千代田区九段の私学会館)の初会合を開いた.

 初会合では 今までの経過説明のあと 美濃部都知事が

 1.保健大学設置の必要性について

 2.設置するとすればどのような大学にするか(学部・学科・学生定員 専任教育の確保 校地・校舎などの規模および将来の計画について

を諮問し 会長に曽田長宗 国立公衆衛生院長(下写真)を選出した.

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 浜松市医師会中央病院(浜松市富塚町328 院長 木俣邦夫)は 昭和37年6月浜松市医師会により 医師会員をスタッフとしたわが国における本格的なオープンシステム病院として開設された.

 浜松市の市街地から約5km離れた丘陵地帯 近くには佐鳴湖を望み 療養に適した風致地区にある.開設当時は全国的にもめずらしい‘オープンシステム’を採用し 地域住民に密着した病院として地域医療をめざし また会員医師の生涯研修 医療従事者の育成の場としてもユニークな活動をつづけてきた.

マイ・オピニオン

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 看護は治療の補助から療養上の世話,そして生活の援助へと多面的な活躍が期待されています.患者の診療を行なうのは医師であり,医師の診療下にある患者の生活の管理を行なうのが看護婦であり,医療を行なうために医師のすぐれた協力者となることが求められます.単なる補助者としてでなく確実な医学知識を背景に,科学的に裏づけされた看護技術にもとづいて自信をもって医師の協力者となり,同時に自らの判断にもとついて患者の生活を援助して行く形で,主体性が求められ,その実践活動こそ看護の真髄ではないでしょうか.

 自信をもって患者の生活の管理の責任を負いうるだけの能力を備えることが私たちに課せられた課題だと思います.そのためには,おのずからその責任を負いうるだけの能力があり,患者が常に安全であることを,医師をはじめすべての人々に示す必要があります.

ベッドサイドの看護

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 人間が生活するうえで,睡眠ほどたいせつなものはない.睡眠により,精神的,肉体的に休息を得,明日への活動のエネルギーを維持できるのである.しかし,この最もたいせつな睡眠も,健康を害することにより,疾病に対する不安,各種の症状,また入院による環境の変化などにより,しばしば妨げられる.一口に不眠といっても,ほとんど治療を要しない程度の軽いものから,がんこな不眠に至るまで,実に多種多様である.私たちは‘呼吸困難を伴う不眠の看護’について,ここに2症例を報告する.

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早期離床と正しい指導

 一般外科病棟において,多様な疾患にわたって開腹術は施行されるが,その手技と患者のおかれた背景は異なる.挿管による気管内麻酔の後は,細心の注意を払うにもかかわらず,50%以上に無気肺が生ずると報告され,しかも創部痛のために横隔膜呼吸(胸式呼吸)は減少する.

 横隔膜は呼吸機能を十分に果たし,右心より血管へ送血する大きな役めをしている.

母乳栄養と授乳指導 奥田 佳子
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 無事出産を終えた母親には,分娩の疲労の回復とともに,たいせつな育児が待っている.授乳指導は,母親が正しい授乳方法を習熟することを目的として行なう.正しい授乳は乳汁分泌を促進させ,母乳栄養の確立を容易にするために,また正しい育児を始めるための基本となるものである.

 母児同室制・異室制であるかによっても母親の習熟度に差があり,指導方法も異なってくるが,要は母親がわが子は自分の母乳で育てるという気持ちをもつことである.それには根気よく吸啜させなければならないという気持ちをもつようになることが望ましい.母児異室制の当院で行なっている授乳開始時の指導および母乳栄養確立のための指導を紹介します.

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 私たちは患児と接し,看護していて常に感じていることは,長期における入院患児の生活への援助,保育についてです.長期における入院患児は,狭いベッドにとじこめられ,社会との接触が少なくなり,生活が単調となり,活気がなく,ぼんやりしてきます.

 入院生活においても,成長の激しい小児たちにとって,身体的・精神的にもマイナスの面が多いと思います.学童児の場合は,ベッドが開放的なので,少しは救われると思いますが,自我の形成期における幼児が問題になると思い,幼児を対象にした入院生活への援助,保育について,私たちが日常の看護において行なっていることを述べてみたいと思います.

東京看護学セミナー・第8回公開セミナーから・2

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 この事故が起きたのは,昨年の7月のことであった.病棟自体が重症を多くかかえ,看護婦の人事もからんでゴタゴタしていたということもあるが,事故がおきたことによるショックは,看護婦の立場できわめて大きかった.

 その事故が起きたとき,いちばん最初に頭にうかんだのは,その責任が誰にあるかということであった.そこで事故の翌日,病棟でミーティングをして,そのときのほんの小さなメモから,このことはもっと追求していかなければならないと感じた.

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環境を媒体とした接近法

 1948年に公刊されたいわゆるブラウン・レポート(わが国では‘これからの看護’と題して1966年に翻訳出版されている**)は,第2次大戦中に拡大された保健・医療に対応した看護活動を展開するための方法を探るため,ブラウンらによってアメリカの病院,看護学校の現場調査が行なわれたうえ,看護界の指導者や看護学校の教師,医師,保健従事者らによるカンファレンスの結果をまとめたものである.この著は’将来の看護への処方箋として,とくに看護教育の方向づけを示唆するものとして評価された.

 この調査研究により,社会学者の目でアメリカの医療界・看護界の実状を数多く見聞きする機会を得たブラウン女史は,とくに病院内における患者の心理的,社会的欲求をみたもための方向を見出すための問題を提示すべく,1960年代にはいってから‘患者ケアの問題点と新しい方向(1-3)***を著わした.

水野肇対談

社会の健康と医学 曽田 長宗
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公衆衛生活動は,社会の健康度をはかるバロメーターであるといわれる.現在,GNP世界第2位の経済繁栄を誇るわが国では,公害や老人問題が話題になり,保健所再編成構想が論議されている.そこで,公衆衛生の考え方,健康教育のあり方を話しあっていただくと……

看護のための集団力学入門・8

相互作用の動機づけ 岡堂 哲雄
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社会的動機の方向性と持続性

 人間は社会的,政治的な動物であると言われる(アリストテレス).なぜ人は友だちを求め,あるいは集団に参加するのであろうか.人間が社会的な生き方をするのはなぜかという問に対して,社会的本能とか群居本能があるゆえに社会的行動をするのだと説明した時代もあった,しかし今では,人間の社会性が生得的装備としての本能に由来するという見方よりも,むしろ誕生後の人間関係的な学習によって社会的存在になっていくのだと考えられている.

 人間の社会的行動の動機を説明するのは,実際容易ではない.‘ある人はなぜ看護婦になり,その他の職業を選ばなかったのか’‘彼女はなぜ特定の宗教を信じ,特定の教会に通うのか’‘彼女の弟はなぜ宗教を拒絶して共産主義者になったのか’などの疑問は日常的ではあるが,その解明はそれほど簡単なことがらではない.このような人間の社会的生き方の選択と方向性についての研究は,モチベーション力学の第1の課題である.

研究と報告

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 当病院は栃木県東南部唯一の総合病院であり,近接する茨城県北部からも多くの患者が来院し,外科においては特に高齢者の手術がふえ,また工場誘致により,交通災害が急増したため,それらの患者に気管切開をする場合がきわめて多く,したがって長期にわたって酸素療法を必要とする患者が増加しつつあります.

統計

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 助産婦数は‘衛生行政業務報告’によると1970年現在28,087名であるが,このうち64.1%は助産所に関係している.開設者が19.5%,従事者が8.1%,出張のみの者が36.5%である.その他病院に23.7%,診療所に9.6%である.

 ‘医療施設調査’による助産婦数は1970年12,814名であるが1956年以降の推移をみると図のごとくである.一般病院にもっとも多く,ついで有床,無床の診療所の順である.ほとんどこの3施設に限られ精神病院,結核療養所には,はなはだ少ない.1970年一般病院では総数の58.9%,有床39.3%,無床1.7%であった.この割合は1956年当時それぞれ58.0%,32.6%,9.1%であって,一般病院では同じであるが診療所では無床のものから有床にかわったようにみえる.また助産婦数の推移をみると一般病院では1961年以前より以降の方が増加率が大きく,有床診療所では逆に小さくなってきた.分娩は助産所,有床診療所から病院にうつりつつある.

疾病の病態生理—最近の考え方・11

バセドウ病 福地 稔
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はじめに

 バセドウ病とは,甲状腺の機能が著しく亢進して血中に大量の甲状腺ホルモンが持続的に分泌されるため,臨床的にはいろいろな代謝亢進症状を伴い,さらに典型的症例では眼球突出が認められる.バセドウ病ではその甲状腺腫は全体に腫大する,いわゆるび漫性であるが,これとは別に甲状腺の一部が結節状に腫大した腺腫(アデノーマ)の一部で,腺腫からの甲状腺ホルモン過剰産生分泌による甲状腺機能亢進症がみられるが,これは眼球突出を伴うことはなくプランマー病としてバセドウ病とは区別される.プランマー病は比較的少ない疾患であるため一般的には甲状腺機能亢進症,すなわちバセドウ病として用いられる場合も少なくない.

 バセドウ病という呼びかたは,ドイツやドイツ医学の影響の強いわが国で主に用いられているが,これは1940年にドイツの開業医Basedowが報告した甲状腺腫,頻脈,精神不安,下痢などの症状を伴う症例が本疾患に関する初めての記載であるとの立場に立っているためである.ところが英米では,1835年にアイルランドの内科医Gravesが甲状腺腫,眼球突出,頻脈,脱力などの症状を伴う症例を報告しており,また一方イタリアでは,1802年に外科医Flajaniがすでに本症についての報告をしているため,今日英米ではGraves病,イタリアではFlajani病とも呼ばれている.

臨床薬理学・11

抗ヒスタミン剤 保刈 成男
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抗ヒスタミン剤の発展

 ヒスタミンは生体内のほとんどすべての臓器に生理的に存在し,とくに消化器や皮膚に多い.ヒスタミンは,1907年Vogtにより合成されたが,その生物活性が注目されるようになったのはDale(1910年)らのバッカク中のヒスタミンの薬理作用に関する研究からで,さらに諸臓器中の分布が明らかにされたのは1927-8年頃である.

 ついで2,3年後には,抗原抗体反応によってヒスタミンが細胞から遊離され,それによって血管拡張,かゆみ,浮腫などのアレルギー症状が現われるのだろうという仮説が広く認められるようになった.現在では起因物質としてヒスタミンのほかセロトニン,プラスマキニン類などが知られているが,当時はこのヒスタミン説が主で,従ってアレルギー疾患の治療剤としてもヒスタミン拮抗物質の発見・開発に力が入れられたのも当然である.

ナースと臨床検査・4

一般検査—2 糞便検査 寺田 秀夫
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‘臭いものには蓋をしろ’という言葉があるが,糞便は尿と共にきたないもの,臭いものとして十分な観察を怠り,蓋もとらずにすぐ検査室に届けてしまい勝ちである.しかしせめて入院患者で自分のうけもっている人の糞便ぐらいは,一度自分で外観症状,臭気などをチェックした後に検査室に届けるべきである.糞便検査から患者の病気についてのいくつかの大切な情報が得られることを忘れてはならない.(図1)

 なるべく新鮮な便で検査すべきで,日がたち,乾燥し過ぎて堅くなった少量の糞便からは正しい検査結果が得難い.したがって便を入れる容器にはセロファン,ビニール紙を敷き,これで便を包むと水分がぬけなくてよい.

リハビリテーション看護を考える・10

トランスファー・テクニック 上田 敏
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ベッドから車椅子へ

 坐位の耐久性がついてきて,ある程度に達したら,ベッドの上で坐るだけでなく,車椅子に坐らせたほうがよい.‘どこで坐ったって同じことじゃないだろうか?’と思われるかもしれない.しかし,それが違うのである.病室の構造(とベッドの位置)によってはベッドの上に坐っただけで窓の外がひろく見渡せる場合もあるかもしれない.しかしふつうはそれほど視界は広くない.やはり車椅子に乗って,窓ぎわにつれていってもらったり,廊下の先の見晴しや日当りのいいところにつれて行ってもらって初めて外の世界が患者の目の前にひらけるのである.

 これまでベッドとその周囲だけに限られていた視界が,車椅子に乗ったことで急に広がるということは小さいことのようだが,患者にとっては自分がベッドから広い世界に一歩ふみだしたことを具体的に実感することにほかならない.‘こんな片輪になってしまって死んだほうがましだ,と言い暮らしていた患者が,車椅子で動き回るようになってからぱったりとそんなことを言わなくなった例もある.こんなところにもモチベーション(動機づけ,意欲)のきっかけはひそんでいるのである.

学会印象記 第21回看護研究学会教育管理母性小児分科会に参加して

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 去る9月15-16日と札幌市において開催された教育管理分科会に,

 1.今秋から看護学生の実習を受け入れており,どうしたらよい実習をさせることができるか.

基本情報

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看護学雑誌
36巻11号 (1972年11月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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