特集 フォーカスチャーティング—看護の中身が見える記録・2
看護過程を反映した記録への改善—看護の質の監査からフォーカスチャーティングを試みる
永見 瑠美子
1
1益田赤十字病院看護部
pp.515-519
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905100
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はじめに
病院におけるCQI(Continuous Quality Improvement)活動は,いまや第三者医療機能評価と絡んで医療界の関心事である.益田赤十字病院では1994年から95年にかけて看護記録から質の評価を試みた.さまざまな評価の切り口のなかで,「看護記録」にしぼったのは次のような理由による.
過去10年間,看護の質の改善に努力した結果,看護内容は明らかに向上し,期待どおり職場の活性化も図れたが,筆者は折にふれて見る看護記録に,実際の看護活動に見るこまやかなケアが表われていないもどかしさと,患者の状態変化が明確に拾えないこと,記録の重要性に気づいていない看護婦の存在が気になっていた.また,看護記録の土台はいうまでもなく『看護』であり,看護過程という問題解決の方法を用いてヘルスケアを必要とする人々に,可能な限り最高の看護ケアを保証する看護活動の記録であるべきである.看護記録は患者の管理に不可欠であり,基準看護の審査や看護学校の実習施設の審査の重要なポイントともなっていることから,看護の質の向上に連動した記録の充実,ケアに生かせる記録を実現する目的で監査した.
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