ともに考える看護論・11
看護論の新しい展開—プラウンの示唆したもの
川上 武
,
川島 みどり
,
平尾 晴江
,
山根 美代子
,
小坂富美子
pp.1455-1459
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916489
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環境を媒体とした接近法
1948年に公刊されたいわゆるブラウン・レポート(わが国では‘これからの看護’と題して1966年に翻訳出版されている**)は,第2次大戦中に拡大された保健・医療に対応した看護活動を展開するための方法を探るため,ブラウンらによってアメリカの病院,看護学校の現場調査が行なわれたうえ,看護界の指導者や看護学校の教師,医師,保健従事者らによるカンファレンスの結果をまとめたものである.この著は’将来の看護への処方箋として,とくに看護教育の方向づけを示唆するものとして評価された.
この調査研究により,社会学者の目でアメリカの医療界・看護界の実状を数多く見聞きする機会を得たブラウン女史は,とくに病院内における患者の心理的,社会的欲求をみたもための方向を見出すための問題を提示すべく,1960年代にはいってから‘患者ケアの問題点と新しい方向(1-3)***を著わした.
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