特集1 POS導入の経験—滋賀医科大学付属病院の場合
POSが私を変えた—記録としてのPOSから看護過程としてのPOSへ
山崎 幸子
pp.512-513
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919233
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最初,私たちはPOSを記録の形式と受け取っていました.そして毎日,観察したことや計画をいろいろと考えてみるのですが,記録の上ではSとOが連続するだけでした.1年ほど経過して,形式を整えるために何について書こうとするのかをタイトルとして書くことにしました.すると,そのタイトルがあるとSや0だけでなく,AやPについてもスラスラと書けるので驚きました.
タイトルをつけることをしばらく続けていると,タイトルといっているものがプロブレムであり,記録をするときになってから何について書くかを,つまりプロブレムを思い浮かべるのではなく,ベッドサイドに行く前にプロブレムを思い浮かべて看護をするべきであると思うようになりました.そして,プロブレムを念頭において看護をするということは,記録の方法であると理解していたPOSが,じつは看護を行う方法であった,という質的変換を意味するものでありました.
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