特集 新カリキュラムと臨床看護
新カリキュラムの教育理念—学院での活動を通じて
伊藤 暁子
1
1徳島大学教育学部
pp.1420-1423
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916479
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はじめに
新カリキュラムが実施されて既に4年,卒業生も2回にわたり送り出されている今日,その教育も軌道にのりつつあり,その分析・評価についても議論がかわされている.たとえば,教育体制の充実なくして,実施にふみきったことは問題であるとか,新カリキュラムによる卒業生は,口ばかり達者で役にたたないとか,とかく批判するむきが多いようである.
ふり返ってみれば,発足当時,幾多の疑問や混乱がみられ,私どもは,血眼になって新カリ,新カリと大騒ぎをした記憶がある.何をめざして,学生を指導すべきなのか?理念にそった実習指導とは,どんな場面で,どんな形で実現しうるのか? など卒直な疑問や悩みがあった.ある一部では,新カリキュラムの理念と看護の現場とは縁遠いものである.あるいは,理念のみを先行して,看護の実際とは異質になっているという意見もあった.
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