看護学雑誌 36巻12号 (1972年12月)

特集 病棟カンファレンスのポイントと活用法

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 看護が3交替制で行なわれ,チームナーシングでケアが進められる病棟においては,カンファレンスは欠くことのできない場面になってきました.しかし,カンファレンスとは何か,どういう意義があるかと問われると,看護する側のメンバーの考え方は,必ずしも統一されているとはかぎらないようです.そこで今月は,病棟カンファレンスの意義と具体的な運用法について話し合っていただき,また,カンファレンスを日常のケアに生かしている日赤中央病院の事例をあわまてレポートしていただきました.

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 われわれの病棟では,毎朝,引き継ぎ後に30分間カンファレンスを行なうとともに,週1回木曜日の朝8時30分—9時30分までの1時間,勉強会をもっている.この勉強会により,毎朝のカンファレンスが充実し,看護意欲が向上し,患者へ反映していったことは確かである.

 そこで,カンファレンスがどのぐらいわれわれの看護に生かされているかを考察するために,頸椎損傷のA氏の看護を通してまとめてみた.

カラーグラフ 職場のユニホーム・4

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 これは 新生児室用のユニホームです.

 このユニホームを着たとき なんとなく楽しくなりしぜんとハッスルしている私たちに 患者さん 外来者は“可愛らしい色ですね”とたいへん好評です.活動的に動きやすく また 清潔さを保つ という2点から えりはVネック袖は半袖 ウエストは少ししぼりゆったりとさせ 着替えが簡単なように前あきにしました.“動きやすく 清潔さを保つ”という2点は これで十分満たされていますが ややデザインの面で平凡であり 物足りなさを感じられるかもしれません.しかし この平凡さも 今まで医療の面であまり見られなかった 柔らかいピンク色でカバーしております.

カラーグラフ アイディア

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 耳鼻咽喉科領域における氷罨法 およびうがい器具について改良してみました.

カラーグラフ 人体臓器の正常と異常・9

呼吸器系(1) 金子 仁
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 呼吸器の代表は肺である.左と右とあり 左は2葉(上葉および下葉)右は3葉(上葉 中葉および下葉)よりでき上がっている.だいたい300g内外で中に空気がはいっている.したがって水の中に入れると浮ぶ.表面は平滑で触れると柔らかい.正常でも黒い炭粉が付着している.空気といっしょに吸い込んだゴミである.しかしたいした障害は起こらない.

 組織学的には空気の出入する気管支と 空気のたまっている肺胞からできている.

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 日本看護協会看護婦部会(会長大森文子)が主催する第21回全国看護研究学会成人内科分科会が,今年は山口県支部(学会長浜田幸子)の担当で,10月19日,20日の2日間,山口市民会館で全国から約3,000人が参加して開催された.

 こんどの学会は‘老人の看護’をテーマとして掲げ,特別講演‘老人の医療と看護’(田中多聞・特別養護老人ホーム悠生園長)と,シンポジウム‘老人看護にのぞむ’(司会 西嶋敬子・山口大学病院)が行なわれた.また28題の研究発表が7群に分けて発表されたが,会場からの活発な質疑や発言があり,演題発表後も交見室で各グループごとに発表者を囲んで意見が交わされる光景が目立ち,学会らしい真剣なムードが盛り上つた.

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看護独自の機能を追求した一般演題

 全国自治体病院協議会(会長諸橋芳夫〕が主催する第11回全国自治体病院学会が,10月26,27の両日,豊橋市民文化会館で,約1500人が参加して開催された.

 全国自治体病院学会は,全国の県市町村など自治体によって経営される病院の団体で,約850病院が加入している.

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 第27回めを迎えた国立病院療養所総合医学会は,日比野進・国立名古屋病院長を会長として名古屋市内の19会場において,10月12-13日の両日にわたり開催された.会は総会と22の分科会により運営されたが,看護分科会は2会場,2日間にわたりくり広げられた.

 看護分科会では,共同研究班の報告2題(国立結核療養所看護管理—第3報,国立精神療養所における老人患者の看護の現状と問題点—その2)を含む104の研究内容が19グループに分かれ発表された.同じようなテーマを組合わせたような形で発表さわたため,その内容について比較検討することかでき,情報交換としては格好の場であった.

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 第6同東京・関東甲信越地区看護研究学会は,10月6日,茨城県支部(飯塚キヨ支部長)の担当により県都水戸市の県立県民文化センターにおいて開催された.定員460名の会場は,各地区から参加した会員によつて超満員にふくれ上がり,会場内の通路はもとより出入口の階段も人垣で埋まるほどの盛況であつた.

 特別講演“看護の主体的実践をめざして”(薄井坦子・東京女子医大看護短大教授),および3群に分かれた15題の研究発表が行なわれた.特別講演では,ナイチンゲールの本質論から説きはじめる演者の熱演が場内の熱気と呼応して,聴衆に深い感銘を与えた.また研究発表では,東京偏重を脱し各地区から持ち寄られ,しかも看護の独自性に結びつく研究テーマが目についた.なかでも看護用具の改善についての発表が6例あり,‘患者をより安楽に,より安全に’という日頃の看護への取り組みが形としてあらわれたように思えた.

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 日本看護協会助産婦部会(勝島喜美会長〉が主催する第9回助産婦研究学会が,9月22日,仙台市の東北電力ホールに約900人の会員が参加して開催された.

 まず学会開催担当の針生セツコ宮城県支部長の歓迎の辞につづき,小林冨美栄・日本看護協会長などの祝辞があり,引きつづき,特別講演“妊産婦管理の最近の展望”(鈴木雅洲・東北大教授),特別演題発表(1972.ICM大会演題)“家族計画における助産婦の役割と現状”(勝島喜美・国立公衆衛生院衛生看護学部)などが行なわれた.

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 年間分娩数:約3000—全国でも有数の分娩数をほこる天使病院産科病棟である.年々多くなる患者数や医療処置などのため 現在では止むを得ず予約制をしき患者の制限をしているが それでも月間約220の分娩を担つている.

 天使病院は 地域住民に密着した医療を施そうとして明治44年 社会福祉法人として創設された.看護の機能も病院の設立主旨にそって展開され長い歴史のうちにその働きかけは患者・地域住民に浸透し 信頼を得るまでになったという.

マイ・オピニオン

医療の中の患者と人権 赤井 トミ
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 ある医療過誤の記事を見た.

 ‘農家の主人が脱臼で某病院に入院中,看護婦がギプスの除去作業中カッターで足に傷をつけてしまい,それが原因で死亡した.行政監察局に訴えたが取り上げてもらえず,家族は途方にくれている’という.

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CCU病室の環境と看護体制

 急性心筋硬塞の患者を集中的にケアするCCU(Coronary Care Unit)が各病院に普及しつつあります.当院においても,CCUとよぶにはあまりに小さい単位ですが,監視装置を設備した特殊病室が作られて1年を経過しました.急性心筋硬塞,心不全,AVブロックなどの患者の入室をむかえ,一般病室とは異なった設備を要し,また病状も重篤な場合が多い中で,患者・家族とも多くの不安をもっていることを再認識しました.看護婦の言動が,患者・家族に大きな影響を与えていると,日々強く感じており,私たちはどのようにしたらよいか考えてみたいと思います.

 まず病室の環境について述べますと,一般内科病棟の中央部に,4人部屋を改装し,1床の病室を作りました.工事の関係で汚物処理室は既設の病棟のものと共有することになりました(図1).

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老齢患者とどう取り組むか

 人口の老齢化や核家族化の進行は,深刻な社会問題となっているが,病院においても老齢患者は年々増加し,いろいろな問題をなげかけている.老人にとって,社会や家族から疎外され,そのうえ病気になることは非常に苦しいことであろう.人間の平均寿命は延びており,残された人生を楽しく生きるためには,1日も早く自立して日常の生活をとりもどす必要がある.

 最近,家族と同居しながらひとり暮しに近い状況の老齢患者が入院し手術を受けた.この患者は病気に対する不安と将来への不安,経済的問題,合併症や病状からみて治癒が遅いなどの問題をもっていたが,合併症の予防と,術後の回復,精神面での援助に努めた結果,比較的早期に自立へと導くことができたので,ここに紹介する.

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 今回,私は,子どもとの心の触れ合いについて,書いてみたいと思います.

 幼いころの母の膝の上で満足しきった安らぎを思い出す時,それは,肌のぬくもりであったり,また優しさをこめたまなざしであったりします.これは臨床実験でも,幼い子どもは,居ごこちよく,しっかりと抱かれるのを好み,暖かさと安心感とを楽しむことが,証明されています.

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 1日の安静後,歩行,授乳を始める時期に切開部の疼痛を訴える褥婦が多くある.

 疼痛があるため排泄をがまんすることが原因で,子宮復古の遅れ,疼痛があるため,不眠や創部ばかり気になるといったことが原因で,乳汁分泌不良,育児への熱意の欠如といった問題がおきてくる,私たちは褥婦に肉体的苦痛を軽減させ,育児に専念できるように指導援助していかなければならない.

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はじめに

 わが国でほん訳紹介された看護論のおもな流れを追いながら,ともに考えてからはや1年を経た.これらの理論と正面からとりくみ,系統的に読みすすむなかで,学んだことは多かった.

 この研究会のメンバーのあいだに上下関係はなく,しかも,研究会は全員出席という状況で討論し合うことにより,広い視点がもてたことは収穫であった.

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 看護業務の中に‘看護記録’の占める位置は大きい.誰しも看護記録は必要であると考えている.だが,この記録が実際にはどのように活用されているであろうか.看護の技術を高めるうえでの資料として役だっているであろうか.

 看護行爲の結果の記録であり,記録のための記録であってはならないという.しかし,はたして看護行為が記録に反映しているであろうか.看護業務改善のための1つの問題提起として,また,看護技術確立のための前提としての‘実践の言語化’の手段としての記録について考えてみよう.

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調査方法

 点滴静脈内注射時における患者のもつニードを知り看護のあり方を考える.

 調査場所:八戸市立市民病院第1内科病棟

水野肇対談

主体性のある看護を 小林 冨美栄
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看護界ではいま,看護制度の改正について真剣な論議がつづけられている.しかし,制度が改正されるだけで,看護の質が向上するといえるのだろうか.看護界に山積する困難な問題が解決されるためには,やはりまず看護婦ひとりひとりが主体的に考え,行動していく姿勢が強く求められているといえるのではないだろうか.そこで,これからの看護の方向と看護婦のあり万について話し合っていただくと……

看護のための集団力学入門・9

人間関係の構造と発達 岡堂 哲雄
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人間関係の方向性

 前号で述べたように,人びとはさまざまな願望と目的の複合によって生ずる動機の力で社会的な相互作用を行なっている.集団力学は集団とそれを構成する個人とのダイナミックな関連を問題とするわけだが,ここでは前号に引き続いて個人の心理に投影した集団の影響を,個人の人間関係的な特徴としてとらえ,その構造を解明し,あわせて社会関係の発達を考えてみることにしよう.

 どんな社会であっても,それを構成する人びとには社会的な行為のしかたを特徴づける人間関係のかたちがある.日本人らしさという集合的な特徴ばかりでなく,日本人集団のなかにいる個人の人間関係の構造もまたその人らしさを示している.ある人は常に,誰か他の人と一緒にいたいという基本的傾向を示すかもしれない.また,ある人はなるべく他の人とかかわりたくないという基本的な姿勢をもちつづけるだろう.このように,個人の対人的態度にはさまざまな方向がみられる.

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 4:4:2これは基準看護を示す看護婦,准看護婦,看護助手の比である.

 ここでは看護婦・准看護婦比=准看護婦数/看護婦数の動向を医療施設別に検討する.

疾病の病態生理—最近の考え方・12

膠原病 川越 裕也
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はじめに

 膠原病は近年増加の傾向にあり難病の1つに数えられ,学会でも数回にわたりとりあげられ,研究会も多数作られ,その病因の追跡,臨床検査法の開発,治療法の改善がなされている.これらの新しい知見を折り込み,病態生理からみた膠原病について簡単に紹介する.

臨床薬理学・12

非ステロイド性抗炎症剤 保刈 成男
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炎症と抗炎症剤

 炎症は生体に加えられた傷害,侵襲にたいする生体反応の1つの表われで,元来は治癒にむかう過程である.この際,生体は欠損性の傷害にたいしては再生反応を,破壊性の傷害にたいしては修復反応を,そして感染性の侵襲にたいしては防御反応をもって答えると考えられている.

ナースと臨床検査・5

髄液検査,胃液検査 寺田 秀夫
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髄液検査

 髄液は脳室およびクモ膜下腔をみたして,脳および脊髄をおおい,中枢神経系を機械的刺激から保護し,また神経細胞の滲透圧平衡を保ち,中枢神経系の分解不用物質をとり除く働きをもっている.

 したがって脳や脊髄の病気や脳脊髄膜に病変があると,髄液の性状に変化が来るわけである.したがって髄液の採取はこれら病気の診断のために行なわれるほかに,脳圧を下げるための排液に,また治療のための薬剤注人や,脳脊髄腔の撮影のために造影剤や空気を入れるために行なわれる。採取法として通常行なわれるのは腰椎穿刺であり,ときに後頭下穿刺法,脳室穿刺法が行なわれる.

リハビリテーション看護を考える・11

歩行・作業療法・ADL 上田 敏
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 早いものでこの連載をはじめてからもう1年がたってしまった.途中国際学会に出席のため、心ならずも1回お休みをしてしまったため,11回という中途半端なところで一応の終わりとすることになった.もう少し続けたい気持ちもないではないのだが,一方どれだけ書いても書きつくせないという気持ちも強い.抽象的な議論が多く,具体性に乏しいと感じた方があったかもしれないが,それはまた何らかの形で補うことにしたい.今回は最後にふさわしく,PTにとって一番大事な歩行のこと,OTにとって一番大事な上肢の訓練と日常生活動作のことをとりあげて,それとナースの仕事とのかかわり合いをさぐってみよう.

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 全国看護研究学会が,分科会の形式をとるようになって,第3回めの成人内科分科会は,10月19,20日の両日,山口市民会館で開かれ,その盛況は,第1会場をあふれ,テレビを備えて視聴する第2会場を設けての,熱のこもったものでした.

 今学会に出席し強く印象づけられたことは,次の3点にあります.

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 去る10月12,13日に開催された国立病院療養所総合医学会看護分科会に2年続けて参加する機会を得ましたので,臨床看護的な立場から私の感想を述べてみたいと思います.

 まず最初に申し上げたいのは,今年は学会担当者のお心づかいから,千数百枚に及ぶ抄録が全部集録して参加者に配布されたということである.どんなすばらしい研究もその内容が十分に把握されないことやわかりにくいことなど,耳から聞くよりも一字一宇目で確かめしかもくり返し読むことのできるということは,参加者にとっていっそうの興味をもたせるという点で効果的であったと思う.

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学会は10月12,13日の2日間にわたって,名古屋市で開催された.全体のプログラムを紹介すると

第1日め 午前:開会式・総合講演会,午後:各分科会(一部)

第2日め 午前:各分科会,午後:各分科会 (一部)総会シンポジウム.閉会式

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 午前9時開会,宮城県支部長のあいさつに続いて宮城県知事代理,島野仙台市長などの祝辞をうけ,特別講演の東北大学教授鈴木雅洲先生の紹介があった.

 北は北海道より南は遠く沖縄県より会員および助産婦学生が多数参加し,年に1度の研究学会は開催された.

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稲妻や戦禍の記憶汝は持たず

 〔評〕 8月15日になると私たちは今でもあの敗戦の記憶をよびおこされます.そのころまだ幼かった人たちも今は立派に成人しています.この人たちの記憶にはその凄惨な情況は少しも残っていないでしょう.稲妻という初秋の季語がなんとなくはかなさを象徴していてよく効いています.

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想い

真珠貝の痛み 真珠もし想い出を心の中から取り出せるものならばすき透ったガラスの小箱にしまい込み薄緑色の衣に包んで私の前に置こう

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基本情報

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看護学雑誌
36巻12号 (1972年12月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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