特集 新カリキュラムと臨床看護
私の受けた教育と臨床看護
自らに総合看護を問いかえす
峰島 裕
1
1日赤中央病院
pp.1424-1426
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916480
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短大を卒業してから1年半経ちました.はたして看護婦としてやっていけるだろうかという不安と,やっと一人前の看護婦になったのだという自負心とが入り乱れ,複雑な思いで臨床にはいったのです.
勤務は,外科・整外科の混合病棟から始まりました.短大においては疾患のみに目を止めることなく,患者自身を全人格的に把えて看護がなされるということを主軸として教えられてきたように思います.教育の効あってか,勤務してしばらくして読んだ本の中に書かれていたことですが‘正しい看護,人に心から喜ばれ,患者が力づけられるような看護は,患者に対する正しい理解なしには決してなされない.患者を全体としてしっかりつかみ,その悩みに耳をかすことは医者にとっても,また看護婦にとっても,非常に修業を要し,努力を要する’このことに,なるほどと思いを深くし,明日はこうしよう,ああしようと思いながら,心に描いている理想通りの看護が実施できないまま,過ぎ去ってしまいました.
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