総合リハビリテーション 46巻12号 (2018年12月)

特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療

今月のハイライト
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 超高齢社会に突入している日本では,要介護,特に要支援の原因として骨折・転倒が多く,大腿骨近位部骨折はそのなかで大きな位置を占めています.手術治療および周術期の全身管理は大きく進歩し,社会復帰への鍵は急性期から回復期のリハビリテーション診療になっていると考えられます.また,骨粗鬆症リエゾンサービスの概念が日本に入ってきて,対側大腿骨を含む他部位の骨脆弱性骨折を防ぐための管理体制も進んできています.本特集では大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療について,多面的に解説していただきました.

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はじめに

 大腿骨近位部骨折は,歩行機能の低下により日常生活動作(activities of daily living;ADL)を著しく障害することが多い.そのため,機能回復を目指すために,合併症のコントロールと同時に術後早期からの適切なリハビリテーション診療を行うことが重要となる.リハビリテーション診療はリハビリテーション診断に基づくことで適切なリハビリテーション治療を行うことができる.

 大腿骨近位部骨折はその発生部位によって,近位側から骨頭骨折,頸部骨折,頸基部骨折,転子部骨折,転子下骨折に分類(図1)1)される2).骨頭骨折,転子下骨折は若年者の交通外傷や高所からの転落などの高エネルギー外傷であることが多く,頸部骨折と転子部骨折は骨粗鬆症を有する高齢者の転倒などにより生じる低エネルギー外傷であることが多い.また,高度な骨粗鬆症例では受傷起点のはっきりしない脆弱性骨折も発生する3).超高齢社会である日本では転倒からの頸部骨折や転子部骨折が大きな位置を占めている.

 本稿では,大腿骨近位部骨折の中で多くみられる,大腿骨頸部・転子部骨折におけるリハビリテーション診断に必要な身体所見や画像所見を解説していく.

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治療方針

 大腿骨近位部骨折は,高齢者が骨粗鬆症の存在を背景に,転倒などによる軽微な外傷により受傷することが多い疾患である1).骨折部位により,関節包付着部より大腿骨頭寄りで生じる大腿骨頸部骨折(以下,頸部骨折)(図1)と,遠位で生じる大腿骨転子部骨折(以下,転子部骨折)(図2)に大別される.両者は単に受傷部位が異なるだけではなく,その解剖学的特徴から予後が大きく異なる.

 第一に成人以降では,骨頭へ血液を供給する動脈は内・外側大腿回旋動脈から分枝し,付着部付近で関節包を貫き頸部に沿って走行する.そのため転位を伴う頸部骨折では,動脈が損傷され血流障害による大腿骨頭壊死が高率に発生するが,転子部骨折ではその発生は稀である.

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はじめに

 高齢化が進む日本において,大腿骨近位部骨折の発生件数は増加傾向にあり1,2),寝たきりや要介護状態の原因になることもあり,社会的にも医療経済的にも深刻な問題である.

 大腿骨近位部骨折は,回復期リハビリテーション病棟が対象とする運動器疾患のなかで,最も遭遇する機会が多い.また,高齢者の多くはさまざまな疾患を合併していることもあり,大腿骨近位部骨折の治療のみならず全身状態を把握したうえで効果的・効率的なリハビリテーションを実践することが求められる.

 本稿では,回復期リハビリテーション病棟における大腿骨近位部骨折患者に対する目標設定や評価のポイント,具体的なリハビリテーション内容について概説する.

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はじめに

 平均寿命の延長に伴い高齢者の割合が増加し,大腿骨近位部骨折を中心とした脆弱性骨折の発生は年々増加している.わが国において,大腿骨近位部骨折の患者件数は,2007年は15万件であったが,2020年には25万件,2042年には32万件にまで増大すると予測されている1).大腿骨近位部骨折を生じると,日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)の低下のみならず,生命予後にも影響を及ぼす.2013年の厚生労働省の国民生活基礎調査において,介護が必要となる原因をみると,男性では脳血管疾患(28.4%),認知症(13.3%),高齢による衰弱(10.3%)に次いで骨折・転倒は4位(5.6%)であった.それに対して,女性では骨折・転倒は認知症(17.1%)に次いで2位(15.1%)であった2)

 地域医療は従来の施設完結型から現在は地域完結型医療へと変わりつつあるが,まず1990年代に医療が安全かつ適切に実施されるためのシステムとして疾患別のクリニカルパスの概念が日本に導入され,急速に広がった.また,2006年度の診療報酬改定により大腿骨近位部骨折地域連携パスが新たに新設され,各地域で病院間の医療連携が構築された.これにより計画管理病院(急性期)から入院連携病院(回復期)へ相互の情報が共有され,連携医療機関が患者に切れ目のない均質の標準化された効率の良い医療を提供することが可能となった.また,地域連携クリニカルパス(以下,連携パス)を導入することで在院日数の短縮や医療費削減も期待された.

 北九州市においても産業医科大学を事務局として,大腿骨近位部骨折地域連携パス委員会を設置し,連携パスの運用を開始した3).本稿では,その詳細について報告する.

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はじめに

 超高齢社会となったわが国で平均寿命は2017年度男性81.09歳,女性87.26歳となった.超高齢者にとって自立して生活できる期間,健康寿命の延伸は本人,家族にとって最も望ましい,そして社会にとって重要なことである.筆者は2012年に2回に分けて英国に約6週間滞在し,チーム医療の基礎になる連携教育(interprofessional education)を学んだ.同時に,なぜ,英国で大腿骨近位部骨折の発症数が減少してきたかの情報を集めるために,病院と診療所の先進的なFracture Liaison Service(FLS)を訪ねた.そして骨折発症抑制にFLSが最も有効な仕組みであることを知った1).それ以来,英国の経験を日本で活かすためには,再骨折(二次骨折)を予防する管理体制の構築が必須であることを知り,その提案をしてきた2,3).わが国では大腿骨近位部骨折の一次予防も含めて骨粗鬆症リエゾンサービス(Osteoporosis Liaison Service;OLS)4)として発展している.そして骨折ゼロを目指して多職種連携による取り組みが始まった5)

 本稿においては英国における医療の背景をまず述べ,その基盤のうえで,FLSによって大腿骨近位部骨折の二次予防が,英国でどのように実践されたか,そして英国の経験をいかにわが国で活用できるか,新潟における経験も含めて,述べたい.

巻頭言

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 「我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ,此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ.」,これは呉秀三(くれ しゅうぞう1865〜1932)らによって刊行された『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』の中の一文である.リハビリテーション関係者にあっては,どこかで触れたことがあろう.今年は,この「座敷牢調査」の報告書の刊行から100周年にあたる.文語体でやや馴染みにくいが,そこに書き込まれている「病気の不幸に加えて,日本に生まれた不幸」とする二重の不幸論は決して古くささを覚えない.むしろ斬新ささえ感じる.

 広島藩医の父呉黄石と母せきの三男として生まれた秀三は,後に東京帝国大学教授や東京府立松沢病院(現在の都立松沢病院)の初代院長を歴任するなど,日本の精神医学の祖として数々の足あとを残している.

入門講座 感覚障害とリハビリテーション・5

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痛みの基礎

1.痛みとは1,2)

 痛みは誰もが体験する感覚であり,体性感覚のなかの痛覚に分類される.つまり,生理的(正常)な情報であり,生体を守るために必須の警告信号である.痛みには,このような正常感覚としての側面と,一方で感覚障害として生じる病態としての側面がある.本稿では,痛みに関する正しい知見を整理し紹介する.

 痛みとは,「実質的あるいは潜在的な組織損傷に結びつく,あるいはそのような損傷を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である」と定義されている〔国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain;IASP)1979〕.痛みは,欧米においては古くから,一感覚というだけでなく情動・認知的側面を包む多面性を有する情報系として捉えられてきた.数十年の遅れを経て,本邦でも,ようやくそうした認識や知見,評価,治療指針などが周知されるようになってきた.

実践講座 リハビリテーション看護・5

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はじめに—脳卒中後の上肢機能障害と新たな治療方法

 脳卒中後の上肢機能障害は,重大な機能障害の1つである.脳卒中発症後6か月時点での麻痺側上肢の機能障害の残存率は30〜66%であり1-3),完全に改善するのは5〜20%と報告されている4).特に手指の分離運動が出現していない例では実用性の獲得は非常に限られる5).一側上肢の機能障害により,食事や整容などの日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)に影響が及ぶこととなる6)

 これまで片麻痺の上肢機能障害に対しては,その機能障害の程度によらず,能力低下へのアプローチ,すなわち健側による代償動作の獲得が優先されてきた.その結果,麻痺肢の機能障害へのアプローチが十分なされておらず,いわゆる学習性不使用(learned non-use)を作っていることが指摘されている7)

 しかし,近年の脳機能イメージングや電気生理学的手法の発展に伴い,脳卒中などによる損傷脳における可塑性の存在が示され,リハビリテーション分野においても機能障害や神経機能の改善をめざす新しい治療法が開発されるようになってきた.特に,これまで治療手段がなかった重度上肢麻痺に対し,Brain Machine Interface(BMI)を用いたリハビリテーション8),運動イメージ併用電気刺激訓練9),hybrid assistive neuromuscular dynamic stimulation therapy(HANDS療法)10)などのアプローチが報告されている.

 機能障害の改善は,日常生活での麻痺肢使用につながり,さらなる機能回復をもたらすという報告がある11)一方で,機能改善しても日常生活での麻痺肢使用頻度は変わらなかったという報告もあり12),このギャップに適切にアプローチすることが重要である.そのためには,患者の日常生活により密接した評価,介入ができる看護師の担う役割は大きい.

実践講座 地域におけるリハビリテーション専門職の役割・3

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はじめに

 地域リハビリテーション活動支援事業が制度化されてから,介護予防事業をはじめとする市町村事業へのリハビリテーション専門職のかかわりが注目されている.老人保健事業時代以降で,リハビリテーション専門職の「地域」へのかかわりが最も多くなったと感じている.そのようななか,2017年度より千葉県地域リハビリテーション支援体制整備推進事業の一環として「ちば地域リハ・パートナー」(以下,パートナー)制度が始まった.

 本稿では,このパートナー制度の概要と,その制度を通して筆者が考える,市町村介護予防事業に対してリハビリテーション専門職が担うべき役割をまとめたい.

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要旨 【目的】10種類の運動能力テストを実施し,そのなかから階段昇降能力に影響を及ぼす要因を検討することを目的とした.【対象】対象は,歩行が介助なしで可能(歩行補助具の使用は可)であった入院患者で,成人101名(男性46名,女性55名,平均年齢73.3±14.1歳)である.【方法】4段階での階段昇降能力評価および,10種類の運動能力テスト(握力,立位バランステスト,歩行スピードテスト,5回立ち上がりテスト,片脚スクワットテスト,片脚立位,閉眼立位,前方リーチテスト,踵上げテスト,交互片脚立ち)を実施し,階段昇降能力を従属変数,年齢・性別・運動能力テストを説明変数として重回帰分析を行った.また,重回帰分析にて選択された運動能力テストを1項目1点とし,その合計点と階段昇降能力との関連性を分析するために,χ2検定およびPearsonの相関分析を行った(p<0.05).【結果】重回帰分析の結果,左右いずれかで片脚スクワットが可,左右いずれかで片脚立位が5秒可,立ち上がりが上肢支持なしで5回可,交互片脚立ち5秒が手すりなしで可,立位バランステストの継ぎ足立位保持が10秒可,の5項目が選択された(R2=0.693).χ2検定の結果,運動能力テストの合計点と階段昇降能力に有意な関連性が認められた〔χ2値:122.885,degree of freedom(df):15,p=0.000〕.Pearsonの相関係数はr=0.85(p<0.001)であり,強い正の相関を示した.【結語】階段昇降能力に影響を及ぼす運動能力について検討することができた.本研究の結果より,階段を用いての評価や練習ができない状況であっても,昇降能力の把握や階段昇降能力向上のためのリハビリテーションプログラムにつながることが期待される.

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要旨 【背景】地域づくりによる介護予防に有用な地域診断の量的指標と今後の課題を明らかにすることを目的とした.【方法】医学中央雑誌Web,PubMedで検索し入手した日本における31論文を対象に,① 研究デザイン,② 地域単位,③ 介護予防アウトカム指標,④ 関連指標を抽出した.2つ以上の論文で指標間に有意な関連(再現性)があった指標について,5人の評価者が相談せずに量的指標に必要な6基準を満たすか評価した.【結果】横断研究による市町村・校区レベルを地域単位とした研究が多く,アウトカム28指標,関連69指標が報告されていた.再現性があった27指標のうち3人以上が6基準を満たすと評価したのは14指標で,社会参加やサポートあり割合などが高い地域ほど,うつ,閉じこもり,転倒,残存歯数少ない,要支援・介護認定の割合が低かった.【結語】14指標が地域診断に有用と思われた.今後は,低栄養,認知機能低下などにかかわる指標開発や縦断研究による予測妥当性の検証が望まれる.

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要旨 【目的】脳損傷者の実車運転パフォーマンスにおける,ドライビングシミュレータ(driving simulator;DS)訓練とDSのリプレイ機能を用いたフィードバックの効果について検討する.【対象】DS訓練とリプレイ機能を用いたフィードバックを実施したDS訓練群(24名),DS導入以前に通常の自動車運転評価を実施した歴史的対照群(28名)である.【方法】年齢,性別,Brunnstrom Recovery Stageおよび神経心理学的検査(Trail Making Test, Behavioral Assessment Dysexecutive Syndrome, Behavioral Inattention Test, Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd edition)スコアを共変量とした傾向スコアによるマッチングを行い,アウトカムを教習指導員による実車運転評価結果(19項目5段階評価)として両群間で比較した.【結果】各群から15組(30例)が抽出・マッチングされた.アウトカム比較の結果,DS訓練群の評価が良好であった項目は「発進の手順の確認」,「障害物の側方通過」,「信号の対応と厳守」の3項目であった(p<0.05).【結語】DS訓練とリプレイ機能を用いたフィードバックは,実車運転パフォーマンス向上に寄与する可能性が示唆された.

連載 補装具支給・判定Q & A・第6回

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A 例えば車椅子が必要なことは確かですが,さらに車椅子のデザイン性を重視したために基準額を超えるものを希望することになった場合などが挙げられます.差額自己負担が認められるのは当該種目の補装具の必要性が認められていることが大前提となります.また,判定で認められた処方と申請者が希望するものの名称・型式,基本構造などが異なってしまう場合は,差額を支払っても補装具費の支給対象とはなりません.

連載 公害・薬害とリハビリテーション

薬害エイズ 新藤 直子 , 藤谷 順子
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薬害エイズとは

 1980年代前半,当時の厚生省が承認した輸入非加熱血液製剤にヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)が混入していたことにより,これらを治療に使用した血友病患者の約4割,約2,000人がHIVに感染した.HIVを不活化する加熱製剤の許可後も感染の危険のある非加熱製剤が使用され続けていたこと,告知や対策の遅れから医療的にも社会的にもHIV感染による大きな被害が発生したことから,「薬害エイズ事件」(通称)として大きな社会問題となった.

 被害患者とその遺族は,1989年,非加熱製剤の危険性を認識しながらもそれらを許可・販売した厚生省と製薬企業5社を被告とする損害賠償訴訟を起こし,1996年3月,被告側が責任を全面的に認め和解が成立,国は被害者救済のためさまざまの恒久対策を約束した.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 1883年の夏,39歳のニーチェがわずか2週間で書き上げたという『ツァラトゥストラ』(手塚富雄訳,中央公論社)第二部の『救済』という章には,ツァラトゥストラが「不具の乞食の群れ」に取り囲まれる場面がある.この時,せむしの男から,皆の障害を改善するよう求められたツァラトゥストラは,「この種の人間を見るということは,わたしの経験するごく些細なことにすぎない」といいながら,「わたしはもっと悪いもの,そしてさまざまの嫌悪すべきものを,今までも見てきたし,いまも見ている」と応じる.そして,「そのうちの二,三のものは,それについて沈黙していることさえできないほどに厭わしい」といいながら,世間で天才と持て囃されている人物について,次のように語るのである.「ある種の人間は,一つだけを過度に多量にもっているが,そのほかの一切を欠いている,—かれらは一つの大きい目,一つの大きい口,一つの大きい腹等々,それら以外のなにものでもない」.

 こうした過度に専門分化した人間を「さかしまの不具者」と呼ぶツァラトゥストラは,かつて人間大の耳を見た時,その巨大な耳の下で動いていた人間は,「小さく,見すぼらしく,やせていた」という.巨大な耳を乗せている細い柄は,「小さい,嫉妬ぶかそうな顔」をした,「はれぼったい小さい魂」の人間だったのである.

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 「夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年」(監督/今井友樹・66分)は,そもそも作られたことに意義がある.呉秀三に光を当てることは,日本の黒歴史を炙り出す営為につながり,社会の変革,改良に直結する可能性があるからだ.

 本作は,呉秀三・樫田五郎『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』(1918)に依拠しながら,「座敷牢」に象徴される百年以上前の精神障害者の処遇実態を明示し,日本の精神医学,精神医療の先覚者・呉秀三(1865〜1932)の問題関心と認識形成の足跡を辿ったものである.呉は,1897年から1901年にかけてオーストリアとドイツに留学.ここで社会生活に近い開放的な環境で労働に勤しむ精神障害者を目の当たりにする.この体験が,後掲する呉の名言の起動力になったであろうことは想像に難くない.それゆえ本作のカメラもヨーロッパに飛ぶ.たとえば,呉が帰国前に訪問したとされるベルギーのゲール.ここは「里親」制度の名のもと,地域で患者を受け入れてきた地であり,精神科医療の先進モデル.

私の3冊

私の3冊 岩根 達郎

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 本書は『総合リハビリテーション』2016〜2017年に長期連載されて好評を博した「研究入門」を一書にまとめたものです.リハビリテーション医療の臨床研究から「健康の社会的決定要因」を中心とする社会疫学へと研究のウィングを広げつつ,現在も第一線で研究を続けている近藤氏が,自己の研究をいかに育ててきたか,大学院生や若い研究者をいかに育ててきたかを,系統的かつ具体的に紹介しています.

 全体は以下の4部(24章)構成です.第1部「総論」,第2部「構想・デザイン・計画立案」,第3部「研究の実施・論文執筆・発表」,第4部「研究に関わるQ & A」.各章の最後には,近藤氏オリジナルのさまざまな「チェックリスト」が付けられており,頭の整理に役立ちます.

お知らせ

呼吸理学療法実践セミナー

西日本公式第19回ADL評価法FIM講習会

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目次

文献抄録

次号予告

編集後記
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 「第2回リハビリテーション医学会秋季学術集会」で開催された,RJN(リハビリテーション科女性医師ネットワーク)主催の企画に参加させていただきました.その名も「リハビリテーション科医師 海を渡る,私の留学体験」.個人的にとくに気になったテーマは,「35歳からの海外留学」.

 さて,3人の先生方が留学体験を笑いも交えてとても楽しく報告されました.留学期間も行き先も三者三様.留学中の生活,余暇の過ごし方,食事事情など,どの先生の報告もとても興味深いものでした.昨今では海外留学離れが止まらないといわれていますが,報告される先生方を拝見していて「海外留学で得るものは大きいんだな」としみじみと感じた次第.これからでも間に合うのなら,海外留学してみたいとちょっと思ってしまいました.願わくば,もう一声,「50歳からの海外留学」の報告を聞いてみたかった.

基本情報

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総合リハビリテーション
46巻12号 (2018年12月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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