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特集 義肢装具治療の最前線
脳卒中患者のリハビリテーションと長下肢装具
Knee-ankle-foot orthosis for patients with stroke
冨田 憲
1
,
大高 洋平
2
Ken Tomida
1
,
Yohei Otaka
2
1藤田医科大学七栗記念病院
2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座
1Fujita Health University Nanakuri Memorial Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Fujita Health University
キーワード:
脳卒中
,
長下肢装具
,
運動学習
,
ロボット
Keyword:
脳卒中
,
長下肢装具
,
運動学習
,
ロボット
pp.1023-1028
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203232
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はじめに
脳卒中患者の歩行再建は,患者やその家族,またリハビリテーション医療従事者にとって重要な目標の一つである.脳卒中後の歩行障害は,運動麻痺,感覚障害,筋緊張異常,廃用性筋力低下や高次脳機能障害など,さまざまな機能障害の影響を受ける.
脳卒中患者に対するリハビリテーションにおいて,長下肢装具は古くから臨床で用いられている1).また,脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕には,「脳卒中後片麻痺で膝伸展筋筋力もしくは股関節周囲筋筋力が十分でない患者に対して,歩行機能を訓練するために長下肢装具を使用することは妥当である(推奨度B エビデンスレベル低).」と記載されている2).一方,近年では科学技術の進歩が目覚ましい.多種多様な歩行練習支援ロボットが開発され,臨床への導入が進んでおり3),その有効性も報告されてきている4).
本稿では,臨床的視点で脳卒中患者に対する長下肢装具を用いた歩行練習を概説するとともに,長下肢装具のもつ課題と,その課題を克服する工夫,さらにはその発展形としての歩行練習支援ロボットについて概説する.
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