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特集 呼吸リハビリテーションの新しい展開
間質性肺炎に対する呼吸リハビリテーションの現状と展望
Current practice and future prospects of pulmonary rehabilitation in interstitial lung disease
佐々木 琢磨
1
Takuma Sasaki
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター
1Kanagawa Cardiovascular and Respiratory Center
キーワード:
間質性肺炎
,
連携
,
包括的呼吸リハビリテーション
Keyword:
間質性肺炎
,
連携
,
包括的呼吸リハビリテーション
pp.1045-1052
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202354
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はじめに
間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)は,肺胞と毛細血管を取り囲む「間質」にさまざまな原因による炎症や損傷が発生し肺胞壁が線維化し肺胞でのガス交換に支障を来す疾患の総称である1).進行性で予後不良な疾患も存在する.一方,通常の肺炎(肺胞性肺炎)は,微生物による感染が原因で気管支もしくは肺胞腔内に起こる炎症である.間質性肺炎と肺胞性肺炎では病巣部位が異なっている.
間質性肺炎の重要な自覚症状は,咳嗽と労作時の呼吸困難である.これらの症状により身体活動量が減少し身体機能の失調・低下(deconditioning)が生じ,運動耐容能と日常生活動作(activities of daily living;ADL)が低下していく.
呼吸リハビリテーションは,間質性肺炎の非薬物治療として位置づけられているが,その治療効果は短期間で消失するとの研究結果である(次章「呼吸リハビリテーションのエビデンス」で後述).その原因はさまざまであるが,より長期的な効果を目指した取り組みが実践されている.
本稿では,間質性肺炎の概要と呼吸リハビリテーションのエビデンス,呼吸リハビリテーションの方向性,神奈川県立循環器呼吸器病センター(以下,当センター)での呼吸リハビリテーションの特徴,呼吸リハビリテーションの実際の構成で論じる.
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