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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
大腿骨近位部骨折と骨粗鬆症リエゾンサービス—再骨折を防ぐための管理体制の構築
Osteoporosis Liaison Service in Treatment of Fracture of Proximal Femur:How to establish a management system for prevention of secondary fracture
髙橋 榮明
1,2
,
山本 智章
1,2
,
星野 美和
1
,
高野 義隆
1
,
村山 拓也
1
Hideaki E. Takahashi
1,2
,
Noriaki Yamamoto
1,2
,
Miwa Hoshino
1
,
Yoshitaka Takano
1
,
Takuya Murayama
1
1新潟リハビリテーション病院
2新潟骨の科学研究所
1Niigata Rehabilitation Hospital
2Niigata Bone Science Institute
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
骨粗鬆症リエゾンサービス
,
多職種協働連携教育
,
薬物治療
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
骨粗鬆症リエゾンサービス
,
多職種協働連携教育
,
薬物治療
pp.1163-1172
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201500
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はじめに
超高齢社会となったわが国で平均寿命は2017年度男性81.09歳,女性87.26歳となった.超高齢者にとって自立して生活できる期間,健康寿命の延伸は本人,家族にとって最も望ましい,そして社会にとって重要なことである.筆者は2012年に2回に分けて英国に約6週間滞在し,チーム医療の基礎になる連携教育(interprofessional education)を学んだ.同時に,なぜ,英国で大腿骨近位部骨折の発症数が減少してきたかの情報を集めるために,病院と診療所の先進的なFracture Liaison Service(FLS)を訪ねた.そして骨折発症抑制にFLSが最も有効な仕組みであることを知った1).それ以来,英国の経験を日本で活かすためには,再骨折(二次骨折)を予防する管理体制の構築が必須であることを知り,その提案をしてきた2,3).わが国では大腿骨近位部骨折の一次予防も含めて骨粗鬆症リエゾンサービス(Osteoporosis Liaison Service;OLS)4)として発展している.そして骨折ゼロを目指して多職種連携による取り組みが始まった5).
本稿においては英国における医療の背景をまず述べ,その基盤のうえで,FLSによって大腿骨近位部骨折の二次予防が,英国でどのように実践されたか,そして英国の経験をいかにわが国で活用できるか,新潟における経験も含めて,述べたい.
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