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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
大腿骨近位部骨折の手術治療と急性期のリハビリテーション
Surgical treatment of proximal femoral fracture and rehabilitation in post-operative early phase
津田 英一
1
,
三浦 和知
1
Eiichi Tsuda
1
,
Kazutomo Miura
1
1弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Hirosaki University Graduate School of Medicine
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
急性期
,
リハビリテーション
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
急性期
,
リハビリテーション
pp.1141-1147
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201496
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治療方針
大腿骨近位部骨折は,高齢者が骨粗鬆症の存在を背景に,転倒などによる軽微な外傷により受傷することが多い疾患である1).骨折部位により,関節包付着部より大腿骨頭寄りで生じる大腿骨頸部骨折(以下,頸部骨折)(図1)と,遠位で生じる大腿骨転子部骨折(以下,転子部骨折)(図2)に大別される.両者は単に受傷部位が異なるだけではなく,その解剖学的特徴から予後が大きく異なる.
第一に成人以降では,骨頭へ血液を供給する動脈は内・外側大腿回旋動脈から分枝し,付着部付近で関節包を貫き頸部に沿って走行する.そのため転位を伴う頸部骨折では,動脈が損傷され血流障害による大腿骨頭壊死が高率に発生するが,転子部骨折ではその発生は稀である.
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