連載 公害・薬害とリハビリテーション
薬害エイズ
新藤 直子
1
,
藤谷 順子
2
Naoko Shindo
1
,
Junko Fujitani
2
1国立病院機構東京病院リハビリテーション科
2国立国際医療研究センターリハビリテーション科
キーワード:
ヒト免疫不全ウイルスHIV
,
薬害エイズ
,
血友病
Keyword:
ヒト免疫不全ウイルスHIV
,
薬害エイズ
,
血友病
pp.1231-1233
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201511
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薬害エイズとは
1980年代前半,当時の厚生省が承認した輸入非加熱血液製剤にヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)が混入していたことにより,これらを治療に使用した血友病患者の約4割,約2,000人がHIVに感染した.HIVを不活化する加熱製剤の許可後も感染の危険のある非加熱製剤が使用され続けていたこと,告知や対策の遅れから医療的にも社会的にもHIV感染による大きな被害が発生したことから,「薬害エイズ事件」(通称)として大きな社会問題となった.
被害患者とその遺族は,1989年,非加熱製剤の危険性を認識しながらもそれらを許可・販売した厚生省と製薬企業5社を被告とする損害賠償訴訟を起こし,1996年3月,被告側が責任を全面的に認め和解が成立,国は被害者救済のためさまざまの恒久対策を約束した.
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