手術 72巻7号 (2018年6月)

特集 腹部ヘルニア手術のすべて

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鼠径部ヘルニアは,下腹壁動静脈の外側から内鼠径輪を経由して脱出する間接型鼠径ヘルニア(または外鼠径ヘルニア),下腹壁動静脈の内側,腹直筋,鼠径靱帯で囲まれるHesselbach三角から脱出する直接型鼠径ヘルニア(または内鼠径ヘルニア),外腸骨静脈の内側壁,Cooper靱帯,ilio-pubic tractで囲まれる大腿輪を経由し卵円窩(伏在裂孔)から脱出する大腿ヘルニアと,解剖学的脱出部位による分類が広く用いられてきた。これまでに解剖学的部位による分類に加えて,初再発,年齢,肥満や膠原病などの増悪因子,多発,ヘルニア門の大きさ,滑脱型・非還納性・嵌頓などの状態を含むもの,鼠径管後壁の脆弱性などを加味したもの,といった多種多様な分類が提唱されてきた歴史がある。

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腹壁は,正中を縦走する腹直筋や,側腹壁を走行する外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋などの筋肉により構成され,その内面は横筋筋膜,腹膜によって覆われている。鼠径部ではこれらが特殊な構造を呈し,複雑な立体構造をとるため,構造の理解が難しい。また,筋膜をはじめとした膜状構造物の解剖に関しては,いまだ議論の余地が残るところであり,多様な解釈が存在する。同一の構造に対して異なる解剖用語が用いられることも多く,これらもまた混乱を招く要因である。

本稿では,鼠径管・大腿管を構成する各々の腹壁構造を体表側より順に解説し,その後,鼠径管と大腿管の構造や周囲臓器につき説明していく。

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腹腔鏡下ヘルニア修復術(transabdominal preperitoneal repair;TAPP法,totally extraperitoneal repair;TEP法),および鼠径部切開による腹膜前到達法(Kugel法)は,いずれも腹膜前腔を剝離しメッシュを展開することを本質とする術式である。とくに腹腔鏡手術では,鼠径部切開法とは異なる腹腔側から観察した腹腔内・腹膜前腔の鼠径部解剖の理解が重要である。

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筆者に与えられたタイトルは「鼠径部ヘルニア合併症の予防と治療」である。本特集は手術法の特集であるので,術後の合併症を主体に記載するのが本筋であろう。しかし,鼠径部ヘルニアの手術適応の判断に際して,ヘルニアそのものに併存合併する各種問題点の評価が重要であることも間違いない。

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鼠径部ヘルニア手術のなかで鼠径部切開法は,虫垂切除術や痔核手術などとともに「小手術」として若手外科医が最初に執刀できる代表的な術式であろう。しかしながら,鼠径部の解剖やヘルニアの成因は単純ではなく,それを十分理解したうえでヘルニアの修復を確実に行うことが重要であり,指導医に指示されるまま手を進めていくだけでは手術の上達は望めない。また,近年急速に件数が増加している腹腔鏡下修復術であるtransabdominal preperitoneal repair(TAPP)は,「低難度手術」として若手外科医の腹腔鏡手術への登竜門にもなっているが,不完全な手技は再発の原因となり,重篤な合併症も起こり得る手術であることを忘れてはならない。

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鼠径ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアの日帰り手術については,診療報酬制度を理解しなければならない。

わが国では2014年に鼠径ヘルニア手術が「短期滞在手術等基本料3」として日帰りあるいは4泊5日までの入院治療とされ,(成人)鼠径ヘルニア24,805点,(成人)腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術51,480点となった(表1)。

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2018年1月に発刊された鼠径部ヘルニアの国際ガイドライン1)では,前方の鼠径部切開法では,リヒテンシュタイン法が標準とされた。わが国で広く行われているメッシュプラグ法とPHS法(PROLENE hernia system repair)の治療成績はリヒテンシュタイン法と同等であるが異物量が多くなるため推奨されないとされた。

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メッシュプラグ法は,Rutkowらによって考案されたtension-freeの成人鼠径部ヘルニア修復術である1,2)。本術式は簡便で習得しやすく,1990年代後半から現在まで,わが国で最も多く行われてきた手術である3)。また,初発,片側の鼠径ヘルニアについては,Bassini法に比べ,術後疼痛が少なく,早期回復が可能であり,再発率が低いとの報告もある4)。しかし,プラグの挿入やオンレイメッシュの展開に関して正しい手技のもとに行わなければ,術後慢性疼痛,プラグの移動,そして,プラグの収縮による再発など,さまざまな合併症を起こす可能性がある5)。

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ダイレクト・クーゲル法は,鼠径部を切開,鼠径管を開放して,内鼠径輪または鼠径管後壁から腹膜前腔を剝離し,筋恥骨孔すべてをメッシュで補強する方法で,transinguinal preperitoneal repair(TIPP)と呼ばれている方法の1つである1)。ダイレクト・クーゲルパッチ(メディコン社製)は2004年にわが国で発売されたが,その5年前に開発されたクーゲルパッチにポジショニングストラップを付けて,腹膜前腔でのメッシュの展開を容易にした2層構造のポリプロピレンメッシュである。

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ポリソフトパッチやオンフレックスパッチを用いた鼠径部ヘルニア修復術は便宜上ポリソフト法やオンフレックス法と呼ばれているが,他のパッチにはない両パッチの特徴はメッシュに割を入れてスリットを作成可能なことにある。スリットを作成せずに使用する場合は従来のメッシュとは形状の差異こそあるものの,ダイレクトクーゲルパッチなど他のフラットメッシュを用いた術式と大きな差異はない。したがって,本稿では,両パッチにスリットを作成して施行している前方到達法による腹膜前腔修復法をtransinguinal preperitoneal(TIPP)repair with slitted meshと命名し,手技および手術成績について紹介する。

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ONSTEP法はポルトガル人外科医のLourençoとda Costaの2人によって考案された比較的新しい鼠径部切開法による鼠径部ヘルニア修復術式である1)。World Guidelineに示されているように,欧米では鼠径部切開法の標準術式としてはLichtenstein法が確立されているが,慢性疼痛の発症頻度が高いといわれ課題となっている。一方,Périssier法やDirect Kugel法などの腹膜前腔修復術は,慢性疼痛の発生率を低下させることが可能と考えられており,わが国でも徐々に普及してきている。しかし,これらの腹膜前腔修復術は腹膜前腔の外側部の剝離に難渋することがある。その欠点を克服して考案されたのがONSTEP法である。鼠径部の内側ではDirect Kugel法などと同様に腹膜前腔を補強し,外側ではLichtenstein法と同様に内外腹斜筋間を補強するという特徴がある(図1)。1枚のフラットメッシュを使用するが組織への縫合固定を必要としない。

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今回,筆者に与えられたテーマはtotally extraperitoneal repair(TEP)法である。TEPは腹膜切開・縫合という煩雑な処置が不要であり,スタンダードなmulti-port法はもとより単孔式(以下,TANKO)を含めたreduced port法にも適した術式といえる1)。進入経路の解剖学的特徴を理解して,今どこにいるかわかる目を養えば,TEPは決して難しい手術手技ではない。ただtransabdominal preperitoneal repair(TAPP)に比べて,狭いワーキングスペースに入り込み,解剖学的位置関係を認識しながら,見えていないランドマークを掘り出して行くようなイメージがあるため初心者には敬遠されがちなのかもしれない。そこで,とくにRetzius腔から腹膜前腔に進入しヘルニア囊を捉えるまでの手順を中心に,ランドマークの確認と手術手技のコツを筆者が行っているTANKO-TEPの術中所見から解説する。

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わが国のtransabdominal preperitoneal approachによる腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP法)施行件数は近年増加し続けている1)。しかし,その再発率は鼠径部切開法よりも高く,確実な手術手技の普及が急務である。一方,手術手技をエビデンスのみに基づいて検証,進歩させていくことは容易でない。手術手技においては先人の指導を受けながら外科医自ら習得することが最良の上達方法であると信じる。本稿ではエビデンスにとらわれずに筆者が感じていることをありのまま述べていく。

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小児鼠径ヘルニア手術は従来simple herniorrhaphyと称され,成人鼠径ヘルニア手術との比較として,後壁補強を行わないでヘルニア囊のみ高位で結紮する術式として知られてきた。

近年では鼠径部の解剖が成人鼠径ヘルニア部門で広く詳解され,同時に腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure;LPEC法)の出現により,その違いを検討するうえで,再び鼠径部からのアプローチによる鼠径部切開法(主にPotts法)が見直されている1)。

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腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure;LPEC法)では,鼠径管を開放して精管や精巣血管からヘルニア囊の剝離操作を行わない。腹腔鏡下にLPEC針(ラパヘルクロジャー®:八光)を用いてヘルニア門周囲を腹膜前腔で運針し,より高位でヘルニア囊を結紮する外鼠径ヘルニア修復法である。術中に対側の腹膜鞘状突起開存の有無を確認できることから術後の対側ヘルニアの発症を予防することも可能な術式でもある。また,小児の精系水瘤はほとんどが交通性であることから外鼠径ヘルニアと同様にLPEC法で治療することができる。今日では,従来法とともに多くの小児外科施設において広く行われているが,術後の成績については従来法と比較しても遜色のないことが報告されている1)。

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女性の鼠径部ヘルニア手術は,男性との解剖学的,臨床学的な違いを考慮し行う必要がある。また,近年では,安全性,根治性を損なわない範囲で,整容性に対する配慮が求められるケースがより多いのも女性の手術の特徴の1つである。

本稿では年代別に女性の鼠径部ヘルニア手術における留意点を述べ,当院で施行している細径鉗子を用いた手術を紹介する(図1)。

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若年男性の鼠径部ヘルニア手術はいまだ議論のあるところである。再発率,慢性疼痛,妊孕性の観点から術式を選択する必要がある。

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「嵌頓ヘルニア」について論じる前に「嵌頓」について考察する。嵌頓は,英語ではincarcerated(日本ヘルニア学会 学術用語)と表記される1)。Incarcerateとは,監禁する,収監する,締め付けられる,の意味である。Incarceratedとなると,監禁された,収監された,締め付けられたとなる。つまり,どこかに嵌り込んで,締め付けられて戻れない状態のことをいう。

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International guidelines for groin hernia management(2018)1)によれば,世界では年間2,000万人が初発鼠径ヘルニア手術を受けており,術後観察期間の長短があり断言はできないが,再発率は15%に達するといわれている。手術なしの再発率の資料は少なく再手術率から推測せざるを得ないが,実際の再発率は再手術率の2倍ともいわれている。多く見積もれば3人に1人は再発していることになる。

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鼠径部ヘルニアは最も頻度の高い外科疾患であり,その治療法には多くの術式や到達法の変遷を伴った長い歴史がある。わが国でもMcVay法を代表とする鼠径部切開法による組織縫合法から始まり,Lichtenstein法1)を代表とする到達法の異なる各種メッシュ法や1991年から開始された腹腔鏡法2)も導入され,施設による統一性がないまま,さまざまな修復法が行われているのが現状である。

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腹壁瘢痕ヘルニアは,腹壁縫合部の離開で,触診や画像診断で確認ができ,膨隆の有無を問わないと定義される1)。

開腹術後の2~11%に生じるとされ,最も多い合併症の1つであるが,8~29%の症例は無症候性で,実際の頻度はさらに多いと考えられる2)。

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腹壁瘢痕ヘルニアは,腹部外科手術後の11%1)に発生するとされており,頻度の高い合併症の1つである。腹部の膨隆という整容上の問題は,患者のquality of life(QOL)の低下を招き,さらにヘルニア嵌頓を併発して緊急手術を余儀なくされる場合も少なくない。

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腹壁瘢痕ヘルニア修復術の1つである人工被覆材(メッシュ)の腹腔内留置(intraperitoneal onlay mesh;IPOM)法は,その名のとおり腹腔内からメッシュを腹壁欠損部に留置し固定する方法である。一見,単純な方法であるが固定方法とメッシュサイズの選別が重要であり,安易に行うと簡単に再発してしまう方法でもある。

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腹壁瘢痕ヘルニア手術においては,再発率を減らすために人工物(メッシュ)を用いたtension-freeでの修復法が主流となっているが,メッシュを留置する部位として,いまだ一定の見解はないのが現状である。修復術のスタンダードとして腹直筋後鞘・腹膜と腹直筋の間を剝離してメッシュを留置するRives-Stoppa法1)があるが,本術式は似ているようで大きく異なる部分がある。Rives-Stoppa法では剝離層に外側縁が腹直筋鞘で制限があり,腹壁の穿通枝血管や肋間神経の損傷リスクがある2)。一方,本術式では腹膜前腔を剝離層とするため,より広い範囲を安全に剝離することが可能になっている。また,筋鞘を縫合閉鎖していないためtension-freeであり,筋膜レベルで同定したヘルニア門と留置したメッシュを確実に縫合することで,連続性のある肉芽形成につながり,これが腹壁瘢痕ヘルニアの修復において大事な役割を果たしていると考えている。

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傍ストーマヘルニア(parastomal hernia;PSH)はストーマ造設後の最多な合併症であり,ストーマ装具貼付困難,ボディーイメージの変化など整容性の変化をもたらし,時に嵌頓,閉塞,絞扼など緊急手術の適応となるため,ストーマ保有患者にとって大きな問題である。

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腹部ヘルニアは大きく内ヘルニアと外ヘルニアに分類される。

外ヘルニアは腹腔内臓器がヘルニア囊に包まれて腹壁の裂隙から腹腔外へ脱出するもので,鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア,臍ヘルニア,腹壁ヘルニア,閉鎖孔ヘルニアなどがある。

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反回神経周囲リンパ節領域は胸部食道癌におけるリンパ節転移好発部位であり,その確実な郭清が必須である。その一方で反回神経周囲郭清は反回神経麻痺のリスクを伴い,反回神経麻痺は術後経過に大きく影響するため,できるだけ反回神経麻痺をさせない手術手技の開発が重要である。

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膵切除(膵頭十二指腸切除,膵体尾部切除)に伴う膵液瘻は,現在でも膵臓外科領域において大きな問題であり,各施設で膵液瘻予防のためのさまざまな工夫がなされている。膵消化管再建法では,膵管腸管粘膜吻合に加えBlumgart変法などが主流となり,膵液瘻を低減させ得ることが示されている1)。しかしとくにsoft pancreasでは,再建手技による膵液瘻の完全予防は難しいと思われ,一定の膵液瘻が生じることを念頭に置く必要がある。このことから,再建法の工夫による膵液瘻の予防に加え,膵液瘻に伴う重篤な合併症を予防することがより重要と考えられる。膵液瘻に伴う重篤な致死的合併症の1つに,動脈断端(胃十二指腸動脈,脾動脈など)の仮性動脈瘤形成がある。近年,肝動脈などに利用可能な血管内ステントの開発(ゴア®バイアバーン®ステントグラフト)など,仮性動脈瘤に対するIVR(interventional radiology)技術は進歩しているが,現在に至ってもその発症後の致死率は高く,仮にIVRを施行し得たとしても重篤な肝機能障害などを生じることが問題である2)。これまで,膵液から動脈断端を保護し仮性動脈瘤を予防する方法として,大網や肝円索などの腹腔内組織を用い動脈断端部を被覆する手技がある3)。われわれは大網を被覆する方法で良好な結果を得ているが,この方法は大網の壊死や感染が問題となるほか膵液瘻を助長する可能性があるとして,現在は推奨されていないのが現状である。

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腹腔鏡補助下大腸切除では,切除部位や肥満の程度によって過度の腸管授動や血管処理が必要となり,小開腹創を拡大せざる得ない機会が多く見られる。近年これらの欠点を補うため,完全腹腔鏡下大腸切除術として体腔内で吻合する報告が散見されている1)。National Clinical Database(2011~2013年)によると結腸右半切除(回結腸吻合)の縫合不全率は1.7%であり,結腸-結腸吻合を含めてもわが国の結腸吻合の縫合不全率は低値である。また,体腔内吻合に関する報告の多くは回結腸吻合のものであり2-4),結腸-結腸吻合の報告は少数である5)。現状では体腔外吻合と比較して,結腸体腔内吻合の安全性が十分確保できているかどうかは明確にはなっていない。そのため手技の煩雑化・手術時間の延長はさることながら,縫合不全・吻合部狭窄等の吻合自体の安全性確保が最も重要であり,可能であれば体腔外で安全性が確認されている吻合方法をどの部位でも同様に施行することが望ましい。われわれはシンプルなステープル交叉で屈曲が少なく,かつ十分な吻合径を確保できるfunctional hybrid anastomosis(FHA-ダイヤ型結腸吻合)を体腔外で施行し,その安全性を確認してきた。この方法を,吊り上げ支持糸を用いることにより体腔内で安全に施行するための工夫を行っている。

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性器外原発悪性腫瘍の子宮への転移報告は比較的稀である。今回,子宮筋腫への転移をきたした胃癌子宮転移の1例を経験したので報告する。

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虫垂粘液囊腫は,『大腸癌取扱い規約(第8版)』の虫垂腫瘍分類のなかでは低異型度虫垂粘液性腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm;LAMN)と虫垂粘液囊胞腺癌に該当するものと思われるが,術前に良悪性を鑑別することは一般に困難といわれている。また,従来から良性であっても内容液の腹腔内漏出は腹膜偽粘液腫をきたし予後不良となることがあるといわれているため,手術時には愛護的慎重な操作が必要とされている。今回,腫瘤の大きさが巨大ゆえに逆流性食道炎様症状を呈し,開腹手術時にゼリー状物質の腹腔内漏出を認めたものの,術後1年半を経過して再発を認めない虫垂原発と考えられる粘液胞腺腫を経験した。虫垂における粘液産生腫瘍に対しては術後サーベイランスの明確な規定がないが,予後不良となる腹膜偽粘液腫をきたす症例の臨床病理学的特徴を明らかにすることは,再発予防のための術式選択に加え,術後フォロー間隔や期間を決定するうえで非常に重要と考えられるため,文献的な考察を含めて検討する。

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手術
72巻7号 (2018年6月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0037-4423 金原出版

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