特集 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア手術を極める―直達手術から腹腔鏡・ロボット支援手術まで
Ⅲ.腹壁瘢痕ヘルニア 2)腹壁ヘルニアのガイドライン
蛭川 浩史
1
1立川綜合病院外科
キーワード:
腹壁ヘルニア
,
腹壁瘢痕ヘルニア
,
ガイドライン
Keyword:
腹壁ヘルニア
,
腹壁瘢痕ヘルニア
,
ガイドライン
pp.1315-1326
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003990
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腹壁瘢痕ヘルニアは,“Any abdominal wall gap with or without bulge in the area of a postoperative scar perceptible or palpable by clinical examination or imaging(術後瘢痕部の,触診や画像診断で確認ができる腹壁の離解で,膨隆の有無を問わない)”と定義されている1)。開腹手術後の,最も多い合併症の1つであり,術後3年間の腹壁瘢痕ヘルニアの発生率は,22.4%と報告されている2)が,8~29%の症例は無症候性で,実際の頻度はさらに高いと考えられている3)。創縁にクリップをつけて,画像で経過観察した研究では,創縁の離解は術後早期から進行しているとされ,多くのヘルニアは術後30日以内に発生している可能性があると報告されている3, 4)。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.