特集 腹部ヘルニア手術のすべて
Ⅱ.成人の鼠径部ヘルニア手術 6)TEP法
朝䕃 直樹
1
1津田沼中央総合病院外科
キーワード:
totally extraperitoneal repair(TEP)
,
単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
腹膜外腔
Keyword:
totally extraperitoneal repair(TEP)
,
単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
腹膜外腔
pp.1031-1041
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000742
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今回,筆者に与えられたテーマはtotally extraperitoneal repair(TEP)法である。TEPは腹膜切開・縫合という煩雑な処置が不要であり,スタンダードなmulti-port法はもとより単孔式(以下,TANKO)を含めたreduced port法にも適した術式といえる1)。進入経路の解剖学的特徴を理解して,今どこにいるかわかる目を養えば,TEPは決して難しい手術手技ではない。ただtransabdominal preperitoneal repair(TAPP)に比べて,狭いワーキングスペースに入り込み,解剖学的位置関係を認識しながら,見えていないランドマークを掘り出して行くようなイメージがあるため初心者には敬遠されがちなのかもしれない。そこで,とくにRetzius腔から腹膜前腔に進入しヘルニア囊を捉えるまでの手順を中心に,ランドマークの確認と手術手技のコツを筆者が行っているTANKO-TEPの術中所見から解説する。
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