特集 腹部ヘルニア手術のすべて
Ⅰ.総論 2)鼠径部ヘルニア手術のための解剖① ─鼠径管・大腿管
末永 泰人
1
,
蜂須賀 丈博
1
1市立四日市病院外科
キーワード:
鼠径部
,
解剖
Keyword:
鼠径部
,
解剖
pp.949-956
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000732
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
腹壁は,正中を縦走する腹直筋や,側腹壁を走行する外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋などの筋肉により構成され,その内面は横筋筋膜,腹膜によって覆われている。鼠径部ではこれらが特殊な構造を呈し,複雑な立体構造をとるため,構造の理解が難しい。また,筋膜をはじめとした膜状構造物の解剖に関しては,いまだ議論の余地が残るところであり,多様な解釈が存在する。同一の構造に対して異なる解剖用語が用いられることも多く,これらもまた混乱を招く要因である。
本稿では,鼠径管・大腿管を構成する各々の腹壁構造を体表側より順に解説し,その後,鼠径管と大腿管の構造や周囲臓器につき説明していく。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.