手術手技
吊り上げ支持糸を用いたfunctional hybrid anastomosis(FHA−ダイヤ型吻合)による結腸体腔内吻合手技
舩越 徹
1
,
山田 健司
1
,
大渕 佳祐
1
,
加藤 紘一
1
,
西越 崇博
1
,
中野 詩朗
1
1JA北海道厚生連旭川厚生病院外科
キーワード:
結腸切除
,
器械吻合
,
体腔内吻合
Keyword:
結腸切除
,
器械吻合
,
体腔内吻合
pp.1181-1184
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000759
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腹腔鏡補助下大腸切除では,切除部位や肥満の程度によって過度の腸管授動や血管処理が必要となり,小開腹創を拡大せざる得ない機会が多く見られる。近年これらの欠点を補うため,完全腹腔鏡下大腸切除術として体腔内で吻合する報告が散見されている1)。National Clinical Database(2011~2013年)によると結腸右半切除(回結腸吻合)の縫合不全率は1.7%であり,結腸-結腸吻合を含めてもわが国の結腸吻合の縫合不全率は低値である。また,体腔内吻合に関する報告の多くは回結腸吻合のものであり2-4),結腸-結腸吻合の報告は少数である5)。現状では体腔外吻合と比較して,結腸体腔内吻合の安全性が十分確保できているかどうかは明確にはなっていない。そのため手技の煩雑化・手術時間の延長はさることながら,縫合不全・吻合部狭窄等の吻合自体の安全性確保が最も重要であり,可能であれば体腔外で安全性が確認されている吻合方法をどの部位でも同様に施行することが望ましい。われわれはシンプルなステープル交叉で屈曲が少なく,かつ十分な吻合径を確保できるfunctional hybrid anastomosis(FHA-ダイヤ型結腸吻合)を体腔外で施行し,その安全性を確認してきた。この方法を,吊り上げ支持糸を用いることにより体腔内で安全に施行するための工夫を行っている。
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