特集 腹部ヘルニア手術のすべて
Ⅰ.総論 1)鼠径部ヘルニアの分類とガイドライン
嶋田 元
1
,
松原 猛人
1
,
柵瀨 信太郎
1
1聖路加国際病院消化器・一般外科,ヘルニアセンター
キーワード:
鼠径部ヘルニア
,
分類
,
診療ガイドライン
Keyword:
鼠径部ヘルニア
,
分類
,
診療ガイドライン
pp.939-948
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000731
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鼠径部ヘルニアは,下腹壁動静脈の外側から内鼠径輪を経由して脱出する間接型鼠径ヘルニア(または外鼠径ヘルニア),下腹壁動静脈の内側,腹直筋,鼠径靱帯で囲まれるHesselbach三角から脱出する直接型鼠径ヘルニア(または内鼠径ヘルニア),外腸骨静脈の内側壁,Cooper靱帯,ilio-pubic tractで囲まれる大腿輪を経由し卵円窩(伏在裂孔)から脱出する大腿ヘルニアと,解剖学的脱出部位による分類が広く用いられてきた。これまでに解剖学的部位による分類に加えて,初再発,年齢,肥満や膠原病などの増悪因子,多発,ヘルニア門の大きさ,滑脱型・非還納性・嵌頓などの状態を含むもの,鼠径管後壁の脆弱性などを加味したもの,といった多種多様な分類が提唱されてきた歴史がある。
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