特集 腹部ヘルニア手術のすべて
Ⅲ.特殊な鼠径部ヘルニア手術 2)小児の特殊な鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡手術(LPEC法)
嵩原 裕夫
1
,
西原 実
2
,
花城 直次
2
,
国吉 史雄
2
1かりゆし会ハートライフ病院・ヘルニアセンター
2かりゆし会ハートライフ病院 外科
キーワード:
小児鼠径ヘルニア
,
LPEC法
,
腹腔鏡手術
Keyword:
小児鼠径ヘルニア
,
LPEC法
,
腹腔鏡手術
pp.1061-1070
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000745
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腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure;LPEC法)では,鼠径管を開放して精管や精巣血管からヘルニア囊の剝離操作を行わない。腹腔鏡下にLPEC針(ラパヘルクロジャー®:八光)を用いてヘルニア門周囲を腹膜前腔で運針し,より高位でヘルニア囊を結紮する外鼠径ヘルニア修復法である。術中に対側の腹膜鞘状突起開存の有無を確認できることから術後の対側ヘルニアの発症を予防することも可能な術式でもある。また,小児の精系水瘤はほとんどが交通性であることから外鼠径ヘルニアと同様にLPEC法で治療することができる。今日では,従来法とともに多くの小児外科施設において広く行われているが,術後の成績については従来法と比較しても遜色のないことが報告されている1)。
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