特集 腹部ヘルニア手術のすべて
Ⅱ.成人の鼠径部ヘルニア手術 5)ONSTEP法の手術手技
長谷川 拓男
1
,
三澤 健之
2
,
吉田 和彦
1
1東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター外科
2東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
キーワード:
ONSTEP法
,
ONFLEXメッシュ
,
鼠径部ヘルニア
Keyword:
ONSTEP法
,
ONFLEXメッシュ
,
鼠径部ヘルニア
pp.1021-1029
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000741
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ONSTEP法はポルトガル人外科医のLourençoとda Costaの2人によって考案された比較的新しい鼠径部切開法による鼠径部ヘルニア修復術式である1)。World Guidelineに示されているように,欧米では鼠径部切開法の標準術式としてはLichtenstein法が確立されているが,慢性疼痛の発症頻度が高いといわれ課題となっている。一方,Périssier法やDirect Kugel法などの腹膜前腔修復術は,慢性疼痛の発生率を低下させることが可能と考えられており,わが国でも徐々に普及してきている。しかし,これらの腹膜前腔修復術は腹膜前腔の外側部の剝離に難渋することがある。その欠点を克服して考案されたのがONSTEP法である。鼠径部の内側ではDirect Kugel法などと同様に腹膜前腔を補強し,外側ではLichtenstein法と同様に内外腹斜筋間を補強するという特徴がある(図1)。1枚のフラットメッシュを使用するが組織への縫合固定を必要としない。
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